Desserts(デザート)
「あなた・・時間に遅れちゃうわ。
今日は大切な日なんだから。急いで」
ボラは玄関で慌てていた。
「ああ・・すまない。時計忘れちゃって・・」
時計をはめながらヒョンジェは部屋から出てきた。
久々に華やかなドレスを纏った妻を見て彼は息を飲んだ。
「ボラ、行くのやめよう」
「何言っているの?」
ビックリしてボラが聞き返す。
「君を他の男に見せるのはもったい . . . Read more
Fromages(チーズ)
「・・・で、ここまでなの?」
一心不乱に読みふけっていたヒョンジェは原稿を最後まで読むと顔を上げた。
「ああ。だから途中だって言っただろ。
確かこの後、その・・・何とか教授。
俺の話の中では「フロストル教授」だっけ。
そいつと恋のさや当てがあって・・ま、最後は丸く収まるんだったよな。」
ボンスはそういうとニヤニヤと笑う。
「うるせ~な。まあな。恋に障害はつき物 . . . Read more
Viandes(肉料理)
モンマルトルのカフェ。
ボラは朝早くからずっとこのカフェにいた。
ここはフロストル教授が時々現れるカフェとして共感主義者の間では有名な店。
フランス語がほとんど話せないボラだったが共感主義者のたまり場であるという安心感からもう皆が友人のような気分に浸っていた。
共感主義について語り合い
自己表現のために踊り歌い
酒を酌み交わす・・
彼女にとっては夢にまで . . . Read more
Poissons(魚料理)
店のドアベルが揺れ、鈴の音が響く。
乱雑にばら撒かれた本。
がらんとした人気のない店内。
薄暗い灯り。
ひとり取り残されたボラはため息をついた。
まだ胸がドキドキと音を立てていた。
今まで。
男の人のことなんて考えたことなんてなかったのに。
キスしたいなんて思ったことなかったのに。
ふと彼の唇に触れた感触が思い出される。
まだ彼のオーデコロンの香 . . . Read more
Hors-d'ouvre(オードブル)
「何かさぁ・・面白いことやりたいんだよね」
ヒョンジェはタバコに火をつけてため息のように煙を吐いた。
首からハッセルブラッドを下げ、子供のように椅子をクルクルと回しながらつぶやく彼は若干33歳にして一流ファッション誌Harper's Bazaarと専属契約を結んだ韓国で今一番注目されているファッションフォトグラファーである。
「こんなむさ苦しい俺の . . . Read more
皆様、びょんじゅーる(笑) (感謝・Lさん・爆)
お久しぶりでございます。
潜って書いておりました創作。
不安な出来ながら完成いたしました。
この創作。
ちょっと変わっています。
何故、こんなものを書こうと思ったか・・というところからお話しないと
読んでもさっぱりつまらないと思いますので。
あ・・でも、これを読んでもさっぱりつまらないかもしれない。(爆)
「お待ち下さい~」なんてもったいぶってた . . . Read more