楽しく拝見しました。
以下、かなりネタバレした感想になりますので、ご自身でご判断ください。
ちょいちょいホン・サンス風味を感じる映像。
柿とか
建物背景の後姿とか
風景とか。
監督さん、さすがホン・サンス監督の映画好きなんだろうなぁー。
愛溢れてます。
(劇中、主人公は小津安二郎の映画と香港映画が好きという設定ですが。笑)
が、PDご本人の体験も盛り込まれているというだけあって、あくまで目線は女性目線。
ホン・サンス監督の映画は、驚くほど男性目線の時があるのに比べて、
(あれはあれで面白いのですが。)
「仕事に打ち込んできて、ふと気づいたら四十路。」の女性主人公の気持ちがしみじみと描かれているところに好感が持てました。
付いていた監督に急逝され、仕事が途切れ。
「自分が担っていた映画PDの仕事ってなんだったんだろう。」
周りの人々の態度から、自らの人生を顧みて
「何もないのか?自分」
どんどん煮詰まっていく。。。
ひょんなことで知り合ったいい感じの人に「恋をしている?」と思いかけてみたり。
(これは、ある。きっとよくある。辛い時のあるある。でも、彼はクリストファー・ノーラン監督の映画が好きっていう。笑)
そんな時、彼女の前に、下宿の隣の空き部屋からある日突然姿を現した男。
白い肌着姿上下でひょっこりと。
誰かと問われ、彼は答える。
レスリー・チャンです。
レスリー??あのレスリー?
まさか「欲望の翼」のヨディ?
彼はどうも幽霊らしい。
見える人には見えるよう。
ここで、香港映画好きの設定が効いてくるとは。(笑)
演じるは「愛の不時着」「マイ・ディア・ミスター」で好演が話題となったキム・ヨンミン氏。
主人公に最初「似てない!」と一蹴されていましたが、何かね、雰囲気はわかるのよ。(笑)
彼がまた、いいタイミングで
いい仕事をしてくれます。
辛い心持ちの彼女に
彼が寄り添って話しかけます。
「本当の望みがわかれば幸せになれます。
あなたならできます。もう少し頑張って」
少しずつ時を経て
周りの人々との関わりの中で
少しずつ前に進み始める主人公。
映画の仕事を志したきっかけの映画
を思い出し。
「不足感から何かを求めても幸せにはなれない。自分の人生を自分らしく生きたくなった」
と前向きに語る彼女の額にそっとくちづけして去っていくレスリー・チャン。
(ここ、肌着姿じゃなくて素敵系なのが、願望現れてる感あり。)
ラストシーンは肌着姿でスクリーンに向かうレスリーの後姿。
彼女は映画の世界に戻ったってことで。
めでたし。
オスカー女優 ユン・ヨジョン女史も好演です。
さて。
これ、結構、脳内妄想でやってるのは私だけでしょうか。(笑)
昔、仕事がとんでもなく辛かった時。
ビョンが出てきて励ましてくれる妄想がよく浮かんだものです。
ビューネ君のCMとかもそういう発想ですよね。
推しメンに応援されたら頑張ってみるかって思えたり、寂しさ緩和されたり。
精神的栄養ご馳走さまはお疲れ女子の癒しの時間ではないでしょうか。
「欲望の翼」を観て
ラストシーンしか登場しない
トニー・レオンさんに胸をズキューン撃ち抜かれたあの日が懐かしい。。
久々、ブエノスアイレスとか観たくなったぞ。
お疲れ溜まった女子の皆様には共感いただけるかと。おススメです。
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