お初にお目にかかります、突然ですが俺、ネコ。
年齢は最近二歳になったらしい。らしい、と、言うのは、俺は子供の時もう一頭の真っ黒な兄弟と一緒に捨てられていて正確な誕生日を知らない。
短毛の日本男子だが、そのシンボルである二つのキ〇タ〇は去勢されて既にニャイ(無い)。
俺の今のご主人、頭の毛の薄いオッさんと、少しおしゃべりなオバ、いやお姉さんの夫婦。
オッさんは時々酒に酔って臭い息を吐きながら俺を抱き上げる、正直チョット苦痛。でも食べ物のガードが甘く夕飯のおかずを分けてくれる時もあるので仲良くしている。姉さんの方は関西弁で優しく話しかけてくれる、夜寝る時も姉さんのベッドだ。
俺は兄弟と一緒に栃木県北部の河原で捕獲(保護というらしい)され、新しい飼い主になってくれる家族とのお見合いの場所に、保護して育ててくれた『保護ボランティア』と毎週日曜日通っていた。
お見合い場所は里親会や譲渡会と呼ばれている。
●里親会の会場にて、ケージの中で新しい家族を待っている時の俺。
兄弟や一緒に里親会に参加していた仲間達はどんどん新しい家族の元に旅立ったが、俺は何だか人気が無くて…。気が付いたら一年半も里親会に通う常連になっていたのさ。
そんな今年の冬のある日、ご主人夫婦が里親会にやって来た。
オッサンの方は俺よりも隣のケージにいたキジトラ二匹の姉妹を見ていたよな。
姉さんの方は、後で知ったのだがその時から俺の事を気に入ってくれてたんだと、何だか照れくさいニャア〜。
そして少し暖かくなったある春の日に、今住んでいるこの家、新しいナワバリにやって来た。
ごはんやWC(の砂)はボランティア宅と同じ物が用意されていたが、新しいナワバリの空気や耳に届く主人の声はこれまでと全く違うし、ボランティア宅で一緒に暮らしていた保護猫仲間の声が全くしない。
急に静かな環境に来たのが怖くなり、その夜はテーブルの下やカーテンの後ろに身を隠して震えながら過ごしたのさ。
翌日は寝不足になってしまったが、2階を探検中にオッサンの毛布が温かいのを発見したので一日中寝て過ごした。
夕方起きて寝不足が解消すると凄くお腹が空いていて、新しいナワバリで初めてのご飯を食べた。その後は当然出さなくてはならず、続いて新しいWCに遠慮なく臭いをつけさせてもらった。
そして今では新しいナワバリやご主人夫婦にもすっかり慣れ、毎日を快適に暮らしている。
そうそう、言い忘れたが俺の名前は「パッチ」、右目の周囲が黒い毛で「眼帯(パッチ)」をしている様に見えるとの理由でボランティアさんが命名してくれた。
今のご主人は俺を迎える時に改名を考えていたが、結局「パッチ」の名前を引き継いでくれた。
一年半も慣れ親しんだ名前を突然勝手に改名されても困るところだったので、正直ホッとしている。
野良猫や俺の様な捨て猫が増える理由はたくさんある。
避妊や去勢をしないで猫を飼い無責任に交配した結果、生まれた子猫を飼えずに捨ててしまうケースはもちろん、交配がどんどん続いて多頭飼いになってしまい、結局数が増えすぎて飼いきれなくなる多頭飼い崩壊、老人の飼い主が死んで飼っていたペットの引き取り手が無いため、そのまま野良になったり動物愛護センターに持ち込まれてしまうケースもある。
動物愛護センターに持ち込まれたらその先は間違いなく・・・考えたくないが、日本では年間1万頭以上の犬・猫が殺処分されている。(平成26年度環境省統計データーより)
また、動物を捨てると法律で罰せられる様になった結果、繁殖できなくなった犬・猫(通称:廃犬・廃猫)やペットショップで売れ残った犬を1万円2万円の安価な料金で引き取り、世話もしないで劣悪な環境に放置して「あら死んじゃった」みたいな悪質な【引き取り屋】なるモノまでいると聞く。
それでも最近は、保護した野良・捨て猫や動物愛護センターに引き取られた猫を引き取って、繁殖しない様に去勢・避妊手術をしてから再び外に放つTNR活動(T:Trap 捕獲、N:Neuter 不妊手術、R:Return 元の場所に戻す)や、俺の様に新しいご主人を探してくれる里親・譲渡活動が少しづつ広まっている、中には実際に猫を抱いたり・遊んだりとふれあいながら新しい家族がお見合いできるサロン型の里親会もある。
同じ一つの命なのに人間の勝手で、「処分」、って言葉は正直腹は立つが、一頭でも多くの仲間が新しい家族と巡り合い、そして寿命が尽きるまでその家族と一緒に暮らす事ができればイイニャア~と思っている、飼い主は最後まで俺たちの命に責任を持ってくれよな。
おっと、今日はまだおやつをもらってなかったニャア〜、お~いオッサン、おやつの「CIAOちゅ~るのまぐろ味」早くおくれよ~。
では、またお会いしましょう、それまでバイバイニャ~。
パッチさん お控えナスって、あっし 〜 人読んでフーテンのヴェル24と発しやす。以後お見知り置きを!
こういう里親募集の活動は必要ですネ。ウサギもそんなのが有るのです。私の記事のリンクに里親募集を貼ってるので参考までに見てください。とは言えもうこれ以上要らなければ覗く必要も有りませんネ(^^;;
ご主人様と姉さんに愛されて良かったネ〜。しっかり甘えて愛嬌振りまくんだよ(^^)
久しぶりの投稿ですね。
はやこまさんも
文才ありますよね~
非対称なブチ=パッチとぱっちり目が
可愛いじゃないですか!
目が安心してますね~
可愛がられてるんだな~
一昨年と昨年の春の彼岸に
わが家の姉妹猫も、
(今から21年前に、
長男や長女が家を出て、
一人になった寂しさを紛らわすため?
次女が友達の家から生まれたばかりの姉妹猫を、
隠れて自分の部屋で飼い始めた)
順番に姉、妹の順に
19歳、20歳で昇天。
美人の姉猫は、不思議にも
猫嫌いだった私にもなついていましたが、
妹は野性的で死ぬ1年前までなつかず、
私が目線を送ると
険しい眼、警戒のまなこになり
私から離れましたが、
死ぬ1年前から急に目がやさしくなり、
私に撫でられるようになり、
そして昇天して逝きました。
とっても良い思い出です~
horibonpapaです。
あちらの方で見ておりましたが
かわいいにゃぁ~(^^)/
猫目線???
夏目漱石も真っ青な物語にまとまってますね。
STEPといい、良いことは何でも率先してされるのは流石です。
当方の愛犬も動物病院前に捨てられていたのを
譲り受けています。
ブログ、FBにはあまり登場しませんが・・・
続編に期待しています。
ヴェルさん、早速お控え下すってありがとうございます。ヴェルさんのブログの左側にある「里親募集」のバナー、里親募集や動物愛護に理解の深い、心優しいお兄いさんとお察しいたしやす。あっしの飼い主のオッサンもバナーには以前から気づいていたそうですが、それでもウサギの里親募集には気付かず、改めてサイトを覗かせて頂き、驚いた様です。
今後とも動物殺処分ゼロ、里親募集など動物愛護へのご声援、何卒お頼申し上げます。(パ)
ネコで19・20歳は大往生、長生きしましたね~。姉妹で全然性格が違うんですね~。
我が家のパッチも保護した当時は真っ黒の兄弟と一緒だったと聞いてますが、会う機会がありません。
どんな性格なのか?少し興味があります。
>妹は野性的で・・・
野性的なところと、ペットとしての愛らしさが同居しているのがネコの魅力の一つ、と、飼い始めて気づきました。天国へ旅立ってもご夫婦の心の中に、まだ2頭の姉妹は生き続けてるんですね(は)
papaさん家の愛犬も保護犬なんですね。
子供の頃からネコを飼いたいと思っていましたが、昨年家の条件が整ったので長年の夢をかなえることができました。「飼う」と決めた時、「ネコを飼うならば(店からは)買わない」と決めていて、アチコチの里親会を見て回り、縁あってパッチが家族になりました。
あっ、あちらの方では少しその場面を投稿してましたね(汗 (は)
が送れそうですね。
失礼ながら、面白いお顔をしています
ね。
はやてこまちさん、家長の地位を
奪われてしまうのでは?(笑)
このネコにしては面白い顔の模様が人気の無い理由だったのかと思ってます。
(ある休日)
朝 (パ)アオ〜ン →(は)はいはい、朝ごはんね
昼 (パ)ウニヤァ〜 → (は)はいはい、WCの掃除ね
昼下がり (パ)ニャオ〜ン →(は)はいはい、おやつのチュールね。
夜 (パ)ニャオ、ドタ!(寝転ぶ)→(は)はいはい、お腹撫でるマッサージね。
完全に下僕として扱われてます(笑
お久しぶりです。
良いお顔の、というか、いい面構えの、堂々とした猫ちゃんですね。
とっても落ち着いて安らいでいる、幸せ表情です、
はやてこまちさんとお姉さまの優しいお人柄のためですね、きっと。
文章もとっても素敵、ネコちゃん目線ではやこまさんと奥様の様子をうかがい知ることできました。
昔、湖のほとりに捨てられていた赤ちゃんネコ、友人が引き取って育てましたが、
何か不思議な感じの雰囲気、なので、ミスティック、と名付けたのを思い出しました。
こちらが連載化されて「行くぜ~!」シリーズが取って変わられるような気配ですねえ?
簡単に人になびかないのが良いとか・・・。
自分は犬派で猫はどうもと思っちゃいますが、
喩えがどうか判りませんけど焼酎の芋みたいなものでしょうか。
麦を飲む者は邪道扱いされてますから・・・。