今日、ドラッグストアの駐輪所で自転車を倒してしまった女性を見た。俺はちょうどそのとき横を通り過ぎようとしていて、自転車が倒れる音だけを聞いた。見たら3台ほど倒れていて、そのうちの1台が女性のものらしかった。俺は一瞬、起こすのを手伝おうかと思った。でも動けなかった。倒れていた自転車のうち2台は俺が店に入るときにもうすでに倒れていた。つまり女性が倒したのは自分のだけ。それだけを起こすのなら女性にもできると思った。その女性が他2台の自転車を起こすつもりがあるのかわからなかった。だから、通り過ぎた。その先の信号を渡っているとき、女性がどうしたか気になって後ろを振り返った。すると女性は、自分のだけでなく、他2台の自転車も起こしていた。あぁ、やってしまったと思った。なんであのとき、手伝いにいかなかったんだと。家に帰ってからもそのことが頭から離れなかった。申し訳ない、ごめんなさいと思うばかりだった。そして、自分の勇気のなさを痛感した。俺はああいうとき、人を助けることのできない人間なんだと、自分に跳ね返ってくるようだった。今ここに書いてるのは、どうしてもやりきれなくて、罪滅ぼしのために書いてるだけだ。苦しさから逃れるために書いてるだけ。
ただひとつ思うのは、もう二度と同じミスを繰り返したくないってだけだ。有言不実行にならないようにしないと。もうあんな思いはしたくない。自分の行いが親切になろうとならなかろうと、こんな思いはしたくない。そういう人間になりたいわけじゃないんだ。無職で親のすねかじりをしている俺でも。