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2008年秋に端を発した世界金融危機では「米国の象徴」とされたゼネラル・モーターズ(GM)が翌年破綻した。トランプ米大統領は17日の会見で「ボーイングを助けなければならない」と表明。ボーイング側も自社と取引先の部品メーカー向けを含め600億ドル規模の資金支援を米政府や金融機関に要請していることを明らかにした。航空需要の蒸発によって、「737MAXの安全問題を解決できれば、ボーイングのビジネスはすぐにも通常の軌道に戻る」という楽観シナリオが日に日に怪しくなっているのだ。米下院の交通インフラ委員会は今月、中間報告をまとめ、5つの要因を指摘している。1つは最大のライバルである欧エアバスの追い上げからくる焦りだ。2番目は「MCAS」と呼ばれる機体の姿勢を制御するソフトウエアの設計ミスだ。指摘が事実なら、これが墜落事故の直接的な要因だろう。3つ目は秘密主義の企業カルチャーだ。顧客であるエアラインや運行乗務員、規制当局の米連邦航空局(FAA)に対して日ごろから何かと「隠し事」が多く、先の「MCAS」についてはその存在そのものをなぜか航空会社に教えていなかったという。4番目と5番目はFAAとボーイングの関係性に関わる問題だ。本来なら当局の"代理人"として安全性などをチェックしないといけない「AR」と呼ばれるボーイング社員が任務を適切に果たしていなかった。加えていわゆる「規制の虜(とりこ)」現象が起こり、ボーイング側がFAAを実質的にコントロールしていた、という認識も示した。雷についての安全技術について、FAAの技術専門家とボーイングの意見が対立した際に、FAA上層部がボーイング側に同調するケースもあった。米国内だけでも10万人以上の雇用を抱え、旅客機のほか、軍用機やミサイル、宇宙技術まで展開するボーイングの運命を市場の成り行きに任せ、米政府が指をくわえてみているという展開は考えられない。他方で巨額の自社株買いを実施し、株主還元に傾斜してきた同社への公的支援については民主党を中心に反対論も根強いようだ。視界不良のボーイングのフライトがどんな軌跡を描くのか目を凝らしたい。(*日経 記事より)写真は、墜落事故で運行停止となったボーイングの「737MAX」=AP
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