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大型クルーズ船の運航再開の見通しが立たない。新型コロナウイルスで多数の感染者を出した「ダイヤモンド・プリンセス」のトラウマが、事業者や政府を慎重にさせている。感染を防ぐガイドライン策定が難航し、外国船に海外寄港を課す規制も壁に。地方の観光振興のけん引役が、今や存続の危機にある。国内企業が運航する大型クルーズ船は3隻ある。新型コロナが広がってからは、いずれも港で眠り続けている。日本郵船の「飛鳥2」は、露天風呂を新設するなど数十億円を投じたリニューアルを春に終えたが、お披露目はできないままだ。日本クルーズ客船は15日、コロナ禍前から予約を受け付けていた「ぱしふぃっくびいなす」の8~9月のツアー中止を発表した。再開は9月18日以降となる。「検討を続けたが延期はやむなしだった」(同社)
(以下 小見出しと 抜粋)
■感染防止ガイドライン、策定難航
最大の原因は、感染拡大を防ぐガイドラインの策定が遅れていることだ。国土交通省と、業界団体の日本外航客船協会(東京・千代田)などとの間で協議が続く。6月中に公表する計画だったが、メドは立っていない。ただ、コロナ禍で国をまたいだ旅客の移動が制限されている現状では、基準を満たしながらツアーを組むことはほぼ不可能だ。台湾は乗客を台湾人に限れば外国船の域内ツアーを認めることにしたが、こうした規制緩和の動きはまだ珍しい。
■地方の観光に打撃
日本のクルーズ船の主要客層はリタイアした高齢者だ。日本郵船の長沢仁志社長は「一生懸命働いたご褒美を求める気持ちがなくなるとは思えない。ただ不安をどこで払拭できるか」と話し、ワクチンの早期開発などに期待をかける。
■16兆円、波及効果に揺らぎ
大手の財務は悪化している。米カーニバルの20年3~5月期の純損失は44億ドルに上った。資金調達のため社債に加え株式の発行にも動いた。米ロイヤル・カリビアン・クルーズも1~6月期は最終赤字になる見通しだ。一部では運航を再開する動きが出てきた。仏ポナンは7月11日から、フランス国内の港を巡るツアーなどを催行している。ノルウェーのフッティルーテンも6月から、乗客を定員の半数に抑えるなどして再開した。ただ、いったん感染者が減った地域も「第2波」が懸念され、先行きは視界不良だ。(* 日経 記事 より)
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