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充電ケーブルを挿さなくても電子機器へ電気を送るワイヤレス(無線)給電の技術が盛り上がっている。身近なスマートフォンから電気自動車(EV)、宇宙太陽光発電まで幅広い応用が期待される。携帯電話の登場で電話線の制約から解放されたように、電気も無線によって「充電切れなし」の社会が到来しそうだ。
無線給電は目には見えない電磁波を使って電気を送る仕組み。アンテナのような装置から電磁波を送ったり受け取ったりして送電する。充電ケーブルが要らず、電気が切れる心配がなくなる。ノーベル物理学賞の受賞者で名古屋大学教授の天野浩さんは9月、高効率で電気を受け取る装置を開発した。電磁波の一種であるマイクロ波を使って、最大15メートルの距離からの受電を見込む。装置は交流を直流に変える整流ダイオードという部品が組み込まれている。部品にはノーベル賞受賞の対象となった青色発光ダイオード(LED)の材料である窒化ガリウムを利用する。ダイオードの弱点だった電気抵抗が大きく大電力を扱えない問題を解決し、扱える電力の大きさを従来の3倍まで増やした。
名大には世界で唯一とされる窒化ガリウム専用の研究室があり、2年間で開発にこぎ着けた。天野さんは「電気エネルギーを自由にやりとりできるような社会を実現したい」と話す。今後は10ワットでの受電をめざす。マイクロ波を使った送電は宇宙開発でも応用が期待されている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が研究を進めるのが、宇宙空間に浮かべた太陽光パネルで発電した電気を地上に送電する宇宙太陽光発電システム(SSPS)だ。将来の計画では縦と横がそれぞれ2キロメートルを超える巨大な太陽光パネルで発電し、マイクロ波で地上へ送電する。地上で得られる電力はパネル1つで原子力発電所1基分の100万キロワットに相当する。実用化に向けた課題は宇宙空間から地上までマイクロ波をどれだけ正確に送電できるかだ。空間に拡散するマイクロ波は、長距離では大電力を送りにくい。より正確な場所へ送電できるレーザーを使う方式も検討している 以下略 原文を (* 日経記事より 表も)
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