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国内外でここ数年、豪雨の被害が深刻になっている。国内では、滝のように降る雨の回数が増えた。熊本県の豪雨でも積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生したとみられ、死者は40人を超えた。地球温暖化との関連を疑う声もあり、対策の見直しを迫られる。
防災科学技術研究所によると、熊本県芦北町では4日午前8時までの24時間で425ミリの雨量を観測し「50~100年に1度の大雨」となった。線状降水帯は長さ50~300キロメートル程度、幅20~50キロメートル程度という台風や梅雨前線と比べて狭い範囲で起こる。いつもは1時間程度で消える積乱雲が、幾つも同じ場所にとどまって雨を降らせる。2017年の九州北部豪雨や18年の西日本豪雨など近年は被害が相次ぐ。台風などを除く豪雨の約6割は線状降水帯が原因との報告もある。梅雨の末期は、もともと大気中の水蒸気量が多い。ところが線状降水帯が原因かどうかにかかわらず、豪雨は増加傾向にある。
気象庁のデータでは、国内で1時間雨量が50ミリ以上の雨の平均年間発生回数は2010~19年は約327回と、統計を取り始めた最初の10年間にあたる1976~85年(約226回)の約1.4倍に増えた。10年ごとに30回近く増加している。同80ミリ以上の回数も約1.7倍になった。世界気象機関(WMO)がまとめた報告書によると近年は豪雨による洪水がアジアを中心に毎年のように起こっている。(中略)
短時間で大量の雨を降らす豪雨は避難が間に合わず、被害を拡大しやすい。甚大な被害をもたらす線状降水帯について、防災科学技術研究所の清水慎吾主任研究員は「現在の観測精度では発生の時間や場所をほとんど予測できない。半日前から避難を始めるようなことは難しい」と話す。発生の予測には大気中の水蒸気量や風向、風速などの観測データが必要になるが、そこまで細かなデータはとれないからだ。今は観測データが限られ、豪雨の原因を探る研究はなお途上だ。ただ豪雨が増える背景には、地球規模の温暖化による気温や海水温の上昇が影響しているとの見方が出ている。
(*日経記事 より 図も)
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