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米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日の討論会で、足元の長期金利の上昇に対して「市場の混乱が起きれば不安材料になる」と述べ、市場動向を注視していく考えを強調した。インフレ懸念には「一時的な物価上昇には忍耐強くあたる」とも指摘し、大規模な金融緩和を長期にわたって続ける方針を改めて表明した。
パウエル氏は米メディア主催の討論会に参加した。米10年国債利回りが1年ぶりの水準に上昇するなど市場環境は徐々に引き締まりつつあり、パウエル氏も「注意を引くものだった」と指摘した。
さらに「債券相場発の市場の混乱や金融環境の引き締まりが発生すれば、それは不安材料になるだろう」と述べ、市場動向に警戒感をにじませた。パウエル氏は2月下旬の議会証言では「金利上昇は経済成長の期待の表れだ」と静観していたが、その後に一段と長期金利が上昇。今回の討論会では発言を修正した。
足元の金利上昇は、新型コロナウイルス危機からの景気回復で、FRBが想定よりも早く大規模緩和から転換するとの見方があるからだ。パウエル氏は「2%超のインフレ率と雇用の最大化という政策目標は、極めて遠い道のりだ」と改めて述べ、ゼロ金利政策と量的緩和政策を長期間続ける考えを強調した。もっとも、前年の物価下落の反動と大規模な財政出動で、4月にはインフレ率が一時的に2%を超えるとの観測が強い。パウエル氏は「物価上昇が一時的であるならば、我々は忍耐強くあたることになる」と述べ、拙速な政策判断を避ける姿勢も表明した。FRBは21年末には再びインフレ率が2%を下回ると予測しており、パウエル氏も21年中の物価目標の達成は「かなりの確率で実現しない」と指摘した。
FRBは16~17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。市場には金利上昇の抑制策として米国債の購入プログラムの強化を予測する声もある。パウエル氏は「現時点では現行政策が適切と判断している」と述べたものの「状況が大きく変化すれば、雇用と物価の目標達成へあらゆる手段を用いる準備がある」と強調した。(*日経記事より)写真:パウエルFRB議長は「一時的な物価上昇には忍耐強くあたる」と述べ、長期緩和を再強調した=ロイター
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