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1月下旬、中国中央部に位置する武漢市が新型コロナウイルス感染拡大防止のために封鎖されると、中国の人々は、この謎の多い感染症に関する信頼できる情報源を得ようとインターネットで探し始めた。
『武漢日記』は、武漢市内に住んでいる住民が見た武漢市のウイルスとの戦いの物語だ。方氏が見て、聞いて、感じたことをそのまま書きつづったこの日記は、危機にある武漢の苦しみをうまく表し、多くの人に伝えた。60回に及ぶブログの大半は世界の他の地域がまだ新型コロナの脅威に目覚める前に書かれており、中国では感染が広がるリスクが既に明らかになっていたにもかかわらず、そうしたリスクを西側各国の政府が無視したのは今考えても残念としかいいようがない。 (以下 小見出しと 抜粋)
■中国の数千万人が読んだネット上の日記
方氏の日記がこれほど人気を集め、時として中国政府による検閲の対象となった理由の一つは、中国政府の無能ぶりを正面から堂々と批判してはばからなかったことにある。当局は当初、感染拡大の深刻さを小さく見せていた。「『人から人に感染することはなく。従って、感染拡大を制御および予防することは可能だ』。この短い言葉が武漢を終わりのない苦痛に満ちた血と涙の都市に変えてしまった」と方氏はつづった。
■官僚組織に近い人であるがゆえの信ぴょう性
方氏は決して反体制派ではない。むしろ、以前は湖北省作家協会の主席だったという立場は、彼女が中国の官僚組織とはあまり距離がないことを物語っており、そのことが中国の政治には問題がはびこっているという彼女の指摘に信ぴょう性を与えている。とはいえ、当局による今回の取り組みの失敗への批判は日記のごく一部に過ぎない。おそらく著者が最も心を砕いたのは、日々の不条理を描写することで、小さな過ちの積み重ねがいかに悲劇へと発展しうるかを示すことだ。
■各国の指導者が「常識」を働かすことが大事
方氏が本書の中で何度も主張したのは、抜本的な政治体制の転換ではない。中国や世界各国の指導者が「常識」を働かせて、助けを最も必要としている人々に手を差し伸べ、同じ過ちを二度と繰り返さない、ということだ。残念ながら、方氏の呼びかけは今のところ無視されている。米中両国の政府高官や有識者は、相手を罵倒し、ウイルス発生の起源に関する陰謀論をまき散らしている。
(* 日経 FT 記事より)
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