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日米中と東南アジア諸国連合(ASEAN)が9~12日に開いた閣僚会合では、南シナ海を巡る米中対立が改めて鮮明になった。両国は7月から9月にかけて、南シナ海などで大規模な軍事演習の応酬も繰り広げた。一連の演習からは「米中有事」に双方がどんな軍事作戦を展開するかを予測する手がかりが垣間見えた。(以下抜粋:原文をお読みください)
■注意分散作戦
7月上旬、中国はインドと国境地帯で衝突中、軍事演習は中印国境、南シナ海、東シナ海、黄海の「4正面」で一斉に軍を動かした。中国は1950年代初頭、朝鮮戦争に介入した裏で、チベットを一気に武力併合した。日米安全保障当局者の間では、中国がある地域で世界の目を引き付けつつ、別の地域で目的達成を狙うことへの警戒感が根強い。
中国軍の注意分散作戦に目もくれず、米空母ニミッツとロナルド・レーガン、両艦の随伴艦からなる2個空母打撃群が7月4日、南シナ海で大演習を始めた。「空母1隻の演習と2隻のそれでは意味合いが異なる」(防衛省情報部局元幹部)。1隻だけだと敵の攻撃で甲板が使えなくなり出撃していた艦載機が着艦できなくなることも起こりうる。2隻体制にすることで、実戦並みの過酷な状況を想定した演習をしたわけだ。中国軍にとって南シナ海は、米中有事の際に最後まで温存したいSLBM搭載の戦略原子力潜水艦を展開させる場所だ。7月の米軍の演習は、艦載機などを使って静止目標の人工島群を瞬時に粉砕し中国戦略原潜を丸裸にしたうえで、空母1隻に通常は2隻程度が随伴する攻撃型原子力潜水艦がとどめを刺す戦争計画を示した形となった。8月中旬、米衛星画像企業が、海南島にある潜水艦基地の入り口の画像という機微情報を突如SNSに投稿して公表した。海南島は戦略原潜を含む中国潜水艦部隊の母港だ。「有事になれば、中国の潜水艦が逃げ帰る場所もなくせる」との強烈なメッセージを中国に発した。
■米軍優勢勝ち
米軍が中国軍のSLBMを一掃し、中国軍がグアムなどを攻撃しても、米軍のSLBM部隊は無傷で中国軍の手の届かない海域にある。中国は劣勢を跳ね返すべく、米ロ核軍縮交渉に背を向けつつ核やミサイル、海軍艦艇の増産を続けるだろう。「米軍優位」はあくまで現時点での話であることに留意が必要だ。
(*日経記事より)南シナ海での演習で米空母2隻とFA18戦闘機(米海軍提供)=AP
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