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米経済に、新型コロナウイルス対策の期限切れによる「財政の崖」が迫っている。7月末には失業給付の増額措置が打ち切りとなり、月500億ドル(約5兆4000億円)近い個人所得が失われかねない。航空会社の雇用支援も9月末で切れ、最大6万人の人員カットの懸念が浮上してきた。
米政権・議会は3月末、国内総生産(GDP)の10%分を超す2.2兆ドルの新型コロナ対策を発動した。中小企業(従業員500人以下)を対象とした6600億ドル分の給与補填策は12月末まで期限を延長したが、航空会社向けの250億ドルの雇用維持策は9月末で期限が切れる。2500億~3000億ドルの枠を用意した失業給付の増額も、7月末で期限が切れる。これまでは平均で週380ドル程度だった失業給付を、週600ドル加算する制度で、受給者は2000万人近い。制度が期限切れになれば、単純計算で月500億ドル近い個人所得が一気に失われることになる。
米経済への財政効果は大きかった。トランプ政権は大人1人に最大1200ドルの現金給付も発動。コロナ危機下にもかかわらず4月の個人所得は前月比10.5%も増えた。5月の個人消費も同8.2%増と大幅に持ち直し、景気が早期に底打ちする一因となった。米政権・議会は財政出動を4~6月期に集中させてきた。同期のGDPは前期比10%減、年率に換算すれば40%前後の大幅なマイナスに落ち込むと予測されてきたためだ。「7月以降はV字回復が可能だ」(トランプ大統領)と強気にみていたため、その後の財政出動の手当ては議論を先送りしてきた。(中略)
雇用と消費に回復の遅れが懸念され、野党・民主党は失業給付の特例加算を来年まで延長するよう求める。11月の大統領選での再選を最優先するトランプ氏は、大人で最大1200ドルという現金給付の第2弾も検討。社会保障に充てる基幹税である「給与税」の引き下げも主張しており、追加の財政出動議論が加速しそうだ。ただ、失業給付は特例を合わせると平均で週1000ドル近くなり「失職者の76%が以前の給与水準を上回る失業給付を受け取っている」(米ゴールドマン・サックス)。もともと自助努力を党是とする共和党は「給付は過大で、むしろ職場復帰の妨げになる」と特例の打ち切りを主張する。(*日経 記事より)
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