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新型コロナの感染が拡大するなか、病原体から体を守る免疫の働きが改めて注目されている。人間は主に2段階の仕組みで病原体からの攻撃を防御しているが、新型ウイルスはこの攻撃を巧みにかいくぐり、病気を引き起こしているからだ。免疫によって、病原体などが多く存在する野外でも生活できる。人間の生命維持に欠かせない大切な機能だ。
免疫の仕組みは主に2つ。1つは「自然免疫」。自然免疫は血液に含まれるマクロファージや好中球、樹状細胞などの細胞などが担う。「食細胞」と呼ばれ、ウイルスなどの病原体を取り込み排除する。病原体が増えてインフルエンザや麻疹などが発症するのを防ぐ。結核を予防する「BCG」というワクチンを接種する国で、新型コロナウイルス感染症の患者が少ないからだ。BCGが自然免疫の働きを高めているという。日本や韓国、中国などでは生後すぐに接種する制度があるが、米国やイタリアは導入したことがなく、スペインやフランスは過去に中止した。イタリアや米国など接種しない国は、日本やブラジルなど接種を推進する国より罹患率や死亡率は高かったとしている。ただ、自然免疫を担う細胞は寿命が短くて働きが長く続かないうえ、特定の病原体を狙って攻撃する能力は高くない。自然免疫の攻撃を逃れ、体の奥深く侵入する病原体も少なくない。BCGの効果に懐疑的な専門家もいる。(中略)もう1つの免疫の働きである「獲得免疫」に期待が集まる。獲得免疫は病原体の特徴を調べて攻撃する仕組み。まず血液に含まれる樹状細胞などが病原体を取り込み、ペプチド(たんぱく質の断片)に分解。樹状細胞はリンパ節や脾臓(ひぞう)へ移動し、病原体の目印になるペプチドをヘルパーT細胞という免疫の司令塔に示す。ヘルパーT細胞はさらに病原体の特徴を「キラーT細胞」や「B細胞」と呼ばれるほかの免疫細胞に伝える。この情報を受け、キラーT細胞は標的の病原体に感染した細胞を強力に攻撃。一方、B細胞は「免疫グロブリン」と呼ばれる抗体を作り出し病原体の働きを抑え込む。少し複雑な仕組みではあるが、新型のウイルスなどに対応するための巧妙な免疫システムだ。詳しいメカニズムの解明はこれからの研究に委ねられるが、複雑な免疫システムはいまだにナゾの多い分野だ。いずれにしても感染の予防には免疫の働きを高める生活が欠かせない。まず十分な睡眠と食事が大切だ(*日経記事より)図も同記事
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16_4月29日に国内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は222人だった。新規感染者は減少傾向にあるものの、北海道、東京、神奈川、大阪の4都道府県でなお20人を超える。(日経) | ||||||||
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