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トランプ米政権がドイツ駐留米軍を1万2000人減らす。同盟国での大規模な削減は初めて。米軍は東欧に一部を振り向けてロシアへの抑止力を強化する決定だと主張するが、外交関係が悪化する独にトランプ大統領が報復措置を講じたとの見方は根強い。 「大国間競争という新時代で同盟関係はさらに深まり強固になるだろう」。エスパー米国防長官は29日の記者会見で、駐独米軍の削減計画についてこう主張した。計画では駐独米軍の3分の1にあたる1万2000人を減らし、そのうち5600人を常駐部隊としてイタリアやベルギーに移す。これにはF16戦闘機部隊などが含まれる。残りの6400人は米国に帰還するが、常駐ではなく短期間で部隊を入れ替えるローテーション形式で別の部隊などを東欧に送る。2014年にロシアがウクライナを侵攻して以降、北大西洋条約機構(NATO)は東欧やバルト3国にローテーションで部隊を増やした。エスパー氏は今回の計画をNATOの戦略を強化するものだと位置づけ、ロシアへの抑止力が高まると訴えた。 一方でトランプ氏は29日、ホワイトハウスで記者団に対し「独は金を払っていない。米国はもうだまされない」と削減の理由を語った。(中略) 中距離核戦力(INF)廃棄条約の失効などでロシアの脅威が高まるなかで、本来は米独首脳が対ロ政策を主導すべきだとの見方は多い。冷戦期には旧西独のシュミット首相が米軍のINFを自国で配備することを認め、旧ソ連との力の均衡を実現。それと並行してレーガン米大統領らがソ連との軍縮交渉に臨んだ。首脳間の信頼を土台に米独の連携が機能し、冷戦終結に導いたとの見方は多い。駐独米軍の削減にアジアの同盟国も懸念を強めそうだ。韓国は在韓米軍の駐留経費をめぐる交渉がまとまらず、日本はこれから本格的な協議に入る。トランプ政権は中国への対抗姿勢を強めており東アジアで米軍の存在感を弱める理由は乏しいとの見方があるが、トランプ氏の意向で削減もありえる。米軍は19年秋から世界の各地域で体制の見直しをしている。(*日経 記事より)写真:メルケル独首相(右)をトランプ米大統領はその場を取り繕う「偉大なタップダンサー」と皮肉ったとされる=AP
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