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リニア中央新幹線を巡るJR東海と静岡県のトップ会談が平行線に終わった。JR東海側が工期の厳しさを前面に出して工事再開への理解を訴えたのに対し、静岡県側は環境への影響を理由にはねつけた。総工費9兆円の巨大事業は推進側の論理と地域の論理が正面からぶつかり、2027年に予定していた開業の延期を迫られる波乱が起きた。静岡県庁の知事室で行われた会談では、川勝平太知事がJR東海の金子慎社長に詰め寄る場面が目立った。工事が大井川の流量減少につながる懸念があると改めて強調し「(流失した水を)全量戻すのが難しいとされた時はどうするのか」と問い詰めた。
「誰がリニアに乗るのかという意見もある」とリニア計画に疑問も投げかけた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレワークが広がったことも引き合いにした。そもそも静岡県側にはメリットが乏しい。東海道新幹線では県内に6つの駅がある一方、リニアは山間部の地下を通るだけだ。品川―名古屋間の7都県のうち、静岡だけ一つも駅がない。
その山間部のトンネル掘削工事は大井川の流量を減らし、流域の生活や農業に影響する恐れがあると同県は主張する。JR東海に科学的なデータを何度も求めたが、納得する結果は得られなかったという。知事に近い関係者は「JR東海との間では不信の連鎖がある」と語る。「在来線の駅舎や車両も周辺県に比べ古いまま改善されない」(県議)という不満も募る。静岡県は21年夏に知事選が見込まれる。川勝知事は出馬について明言していないが、再選を意識して県内の不満を体現したとの見方が県議会内にある。
「6月中に再開できなければ27年の開業が厳しくなる」。金子社長が本格工事に入るための準備工事に絞り、再三にわたって理解を求めても、再開を認める発言を引き出すことはできなかった。
(以下 原文を ご覧ください。)
(* 日経 記事 より)
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