ゆうすげびと の うた

ゆるやかに そして たおやかに 喧噪の日々のなかで しずかさを とりもどすために…。

映画「猟銃」を観る

2011-07-02 17:45:08 | 映画
井上靖の「猟銃」を読んだところで、
amazonで購入していた
映画「猟銃」の中古VHSが届いたので、
早速観てみました。



猟銃1961年・松竹配給・カラー
 監督:五所平之助 脚本:八住利雄
 出演:山本富士子、岡田茉莉子、鰐淵晴子
    佐分利信、佐田啓二、乙羽信子 ほか

ビデオのパッケージの説明には次のようにあります。

愛し愛される喜びと苦しみを詩情豊かに描いた文芸大作
 井上靖文学を代表する愛の名作を巨匠・五所平之助が映画化した
珠玉の文芸作品。山本富士子、岡田茉莉子、鰐淵晴子の三大女優
の顔合わせにより、女の心にひそむ白蛇にも似た微妙なニュアン
スが詩情豊かに描かれる。また、この三人の女優にからむ佐分利
信、佐田啓二の二枚目スターの共演が作品に一層の魅力を加えて
いる。
 愛のない新婚生活を送る三杉(佐分利)は、アルバムの中から妻
みどりの従姉、彩子(山本)を見つけた。彩子の夫、門田(佐田)
は学位をとるため京都の大学で研究中だった。ある日、若い女が
門田との間に生れた少女・薔子を連れて彩子の前に現れた。夫の
不行跡を知り、彩子は離婚を決意する。だが、女が狂死したため
彩子は薔子(鰐淵)を育てることにした。傷心の彩子を三杉が訪
ね、ふたりはいつしか愛の深みにはまっていくのだった……。




井上小説の世界を美しいく描いていると思いました。
三人の女優が実に美しい映画です。

原作では、女三人の「手紙」で構成されているものを
愛人・彩子(山本富士子)の遺書だけに絞り込み、
彩子の心情を軸に物語は織られていっています。

小説ではさほど描かれていない三杉と彩子が出会うまでも
簡潔にして丁寧に描かれており、
それぞれの登場人物の設定が極めてわかりやすくなっています。

また、愛人の娘(鰐淵晴子)も、
彩子の夫(佐田啓二)が別の女(乙羽信子)に生ませた子を
彩子が引き取り育てているところは
原作にはない設定です。
この設定は、彩子の自死を決意する真の原因を
背徳・不倫がついに妻・みどり(岡田茉莉子)に知られてしまったためではなく、
前夫への封印された愛というもう一つ別の理由に繋がっているようで
練られている設定なのかなと思いながら観ました。

ただ、小説のなか描き込まれている“孤独感”は
この映画の中ではさほど主要な位置は占めていません。
その分、女三人の心理描写を丁寧に描くことで
女のドラマとして完結させているところは、
とても巧くいっていると思いました。

この映画、WOWOWで放映されるようです。
 7/6(水)午前 9:45 191ch
 8/2(火)夜 10:50 192ch



さぁ、この秋公演の
中谷美紀主演のお芝居「猟銃」が
ますます楽しみになってきました。





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