癒(IYASHI)

徒然なるままに令和時代のニュースなどの種を拾い癒し求めて綴ります      

◆東北地方へ中国旅行客を引っ張ろう、損して得取れ式が足りないのでは?

2015年11月12日 16時49分48秒 | 経済産業

 

      宮城県の観光PRキャラクター「むすび丸」

訪日中国人旅行者が今年10月時点で380万人を超え、過去最高だった昨年の約240万人からさらに2倍増になるほど急増しているにも拘らず

◆東北地方への中国人旅行客が伸びない

 日本政府は、震災復興政策として、2011年7月から中国人向けに「東北三県数次査証」を開始している。同査証は、宮城、福島、岩手3県のいずれかに1泊すれば、1回90日滞在可能な3年間有効のマルチビザを発給する特例ビザだ。さらに今年1月19日から取得要件が緩和されてより取得しやすくなったはずだが、発給数は期待していたほどは伸びていないようだ。

 前出の観光庁の統計によると、2010年4万4000人の中国人が東北地域で宿泊したが、昨年2014年は3万1000人と震災前の70%ほどに留まっている(いずれも延べ宿泊人数)。

そんな中、東北地域を訪れる中国人が伸び悩むのはなぜか。中国人海外旅行者の求めるニーズと東北側がアピールする内容にミスマッチがあると指摘するのは、大連の旅行会社Aの代表。

 仙台と東京で留学や勤務経験がある中国人の代表は、「私は山形の蔵王温泉や日光の紅葉が本当に素晴らしいと思うので、中国人客にも勧めるがまるで関心を示さないんですよ。今の中国人は旅行=買い物であり、自然を楽しんだり、史跡巡りをしたり、美味しいもの食べて幸せを感じたりなんて価値観まで至っていないのです。あと10年はかかると思います。

特に私たちは、団体ツアーなので、日本=初海外という人が多く、旅行=買い物という要望が特に強いです。また、一般的な中国人は、大都会志向が強く、田舎は、貧しくて何もないという思い込みが強いことも一因かと思います」(旅行会社A代表)

 もちろん、これも意見の一つで、実際に中国人観光客の間でも紅葉や温泉を楽しむ人も決して少なくはないのだが、こんな声もある。

「円安の影響で日本のあらゆるものが安く感じます。ですが、移動費、特に新幹線が高いなと思います。私は遠出するときは新幹線を利用せずに夜行バスで行きます」(埼玉在住のある中国人女性)

 今回のセミナーでも、外国人訪日客が新幹線も含めJR乗り放題な「ジャパンレールパス」を紹介していたが、よほど旅慣れた人以外は利用価値が少ないのかもしれない。

東北三県数次査証取得後も東北再訪を促す工夫が必要
 
一方、東北地域への中国人観光客が伸び悩むのは、東北三県数次査証の取得条件に問題があるのではと話す旅行会社もある。

「このビザは、東北3県のどこでも1泊だけすれば、あとはずっと東京や大阪ばかりに行ってもいいわけですから取得時しか東北を訪れないわけです。たとえば、条件を少し変えて、ビザ取得後も東北を訪れるようにするなど工夫が必要なのではないでしょうか?」(旅行会社B代表)

 当然ながら、震災後、東北地域を訪れるすべての外国人が伸び悩んでいるわけではない。たとえば、震災の年3万5000人まで落ち込んだ台湾人は、2014年11万7000人と約3.3倍増。2011年2000人だったタイ人は、2014年には1万6000人と8倍に伸びている(延べ宿泊人数)。

 いずれもかつての日本のように団体旅行中心から個人旅行へシフトが進み旅の目的も多様化し、成熟しつつある国々だ。中国も次第に団体旅行から個人旅行へのシフトは始まっており、そのため個人旅行におけるニーズはまるで違うものだと考えていない。すでに中国人旅行客でも個人旅行客は、桜を眺めたり、紅葉や神社仏閣、遺跡を楽しむ人も年々増えている。

 しかし、現状、大量に訪れインバウンド消費に貢献してくれる中国人観光客はツアー客が圧倒的に多い。そんな彼らにとっては、東北地方が「我が県の魅力だ」とアピールする大自然や温泉、スキー、風光明媚な観光地、食べ物などは、あまり魅力的なものだと受け入れられていないのではないか。

 東北地方の観光関係者は腑に落ちないかもしれないが、まずは東北地方でも仙台などの都会における買い物中心のツアーを目玉として客を呼び込み、それから、次のステップとして今回のような自然や観光地をアピールするのが現実的なように思えるのだ。


東北に海外旅行客が足を延ばさないのは、これらの行動等を見る限り、足を延ばさせる為に一つを犠牲にし道筋をたて国の支援計画を修正を受け・東北の魅力一杯のPRに一工夫をすれば、都市中心である現在の行動を変えさせる事が出来るような気がしてならない。損して得取れ式が足りないのでは・・・・・


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