雨の記号(rain symbol)

テヨンのお散歩⑦(少女時代)






テヨンのお散歩⑦(少女時代)
Taeyeon's walk ⑦ (Girls' Generation)



 少女時代テヨン、どう撮ってもグラビアのよう“妖精のような美しさ”

 少女時代のテヨンが近況を公開した。テヨンは9月3日、自身のInstagramに「WHY」というコメントと1枚の写真を掲載した。
 写真のテヨンは携帯電話で鏡の中の自分を撮っている。キュートな三つ編みとファッションセンスで魅力的な姿を披露している。滑らかな白い肌と清らかなほほ笑みが目を引く。一方、テヨンは最近、SMエンターテイメント創立20周年記念ワークショップ及び団合大会のために3泊5日の日程でハワイに行ってきた。
(エンタメニュースより)



 テヨンのお散歩⑦


 開いたドアの外はただのだだっ広い部屋だった。
 いったいどうなってる? テヨンは放心状態になった。
 人の気配はない。店員はもとより搬入物も展示コーナーもない。開けてる視野は全体の2割くらいかもしれないが、柱と壁と窓だけが部屋を構成するすべてのようだった。
 エレベーターの外に出て左や右を見たら人がうじゃうじゃいるなんてとても考えられない。
 誰もいない部屋に降り立っても仕方がない。
 テヨンは下へおりようとエレベーターの操作ボタンに目を戻す。
「…?」
 テヨンの手は動かない。いや、動かしようがない。
操作ボタンはなくなっているのだ。何事もなかったようにステンレススチールがテヨンの右腕を映し出しながらつるんと光を放っている。
 操作ボタンがない以上、上下の移動はできない。
ここは出口の限定された小さな部屋に過ぎなくなった。 
 テヨンはエレベーターの外に出た。
 案の定、左右どこもエレベーターの中から見た眺めと同じだった。
 窓は青い空と雲を映し出している。
 見覚えのある眺めだと思いながら、エレベーターのボックスに沿ってぐるっと回ってみる。ドアの反対側がちょうど壁と一体化している造りのエレベーターだった。
 部屋のすべてを見回した。だが、下とつながって開いた床はどこにも見当たらない。
 エスカレーターがない以上、扉を探すしかない。壁に扉がついていなければここと他空間はエレベーターでしかつながらないのだ。
 見たところ窓のない壁はエレベーターを挟んで左右十メートルずつくらいだが、扉らしいものは見当たらない。
 テヨンは途方に暮れた。
 自分は出入り口のない最上階に閉じ込められたのか? 
 サニーとヒョヨンが脳裏に浮かんだ。二人がいたところでどうにもならない状況だが、心細さを感じた。何でもいいからそばにいてほしいと思った。
 バッグからスマホを取り出す。どうせつながらないと思いつつサニーのスマホに発信した。やっぱり電波は誰にも届かない。化粧室を出る前にかけたのと同じだ。あの時はユナにかけた。
 スヨンにかけても同じだろう。ダメと思いつつ、つながったら相談もしやすい。発信をかけるがやはり同じだ。
 ビューティサロンを出る時、シウォンオッパーに変身したワームホールの住人の言葉を思い出す。
「自由になりたい気分は身近な人からの解放を意味する。あんたが一人の自由を満喫する間、手持ちの携帯は役立たないと思ってくれ。もちろん使えないわけではないがね…」
 住人はそう言って笑った。



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