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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載65)
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
○アン・セホ➡(メン・ジフン 係長)
○ユ・イェビン➡(チュ・ヨニ)
プレーヤー」第5話→(仲間とは何か)⑥
★★★
ハリは”延ニ病院”に顔を出した。チュ・ユニは黙ってハリを迎えた。
2人は飲み物を手に長いすに腰をおろした。
先にハリが切り出した。
「また世話をかけるな」
ユニは表情を緩ませた。
「お礼は言わないのね」
ハリを見る。
「相変わらず」
ハリは黙ってコーヒーを飲む。
ぽつんと言う。
「美味いな」
「…」
「ほっとするよ」
「仲間が出来たのね」
「…」
「仲がよさそうだった」
ハリはユニを見る。
「別にそうでもないさ」
「また始めるの?」
ハリは頷く。
「やらないと」
「無理せず、ケガしないように気をつけて」
「主治医がいるから大丈夫だ」
「…悪い男ね」
「連絡はないのか?」
「…ないわ」
「…」
「何も起きないわよね」
「そのつもりだ」
「…」
「何かあったら教えてくれ」
「まだ決めてないわ―教えるかどうか」
ハリはユニを見た。
「待ってるよ」
ハニは席を立った。マグカップをカウンターに置いた。
「もう行くよ」
そう言って外に向かって歩き出す。
数歩歩いてユニを振り返る。
「ありがとう」
その声にユニも振り返る。
笑顔を残してハリは”延ニ病院”を後にした。
★★★
アリョンは自分の部屋に戻ってきた。階段を上がりきって玄関に向かうと女が飛び出してきた。
昼間の女だった。
「やっと見つけたわ」
アリョンは不機嫌な顔になる。
「ついて来るなと言ったろ」
そこに男の声がした。ゆっくりした足取りで階段を上がってきた。
「ムカつくから怒った顔をするな」
男は女を見た。
「誰だ? 可愛いじゃないか」
アリョンは女に言った。
「先に入ってて」
ためらっている女を急かす。
「早く」
女は男を気にしながら言われた通りにする。
男は笑いを浮かべて女に手を振る。
「終わりにしたでしょ」
「こっちは終わってない」
「…」
「ナム社長が必ず連れて来いとさ」
女は中からアリョンたちを窺っている。
「脅してるの?」
「違うさ」
「…」
「提案してるんだよ」
男は握ったナイフを指がわりに使った。
「じゃあ私も提案するわ。消えて」
「…」
「死にたくなかったら」
男は「ブハッー」と笑った。
「なめやがって」
鼻先に伸びてきたナイフは一瞬でアリョンの手に移り、刃先は男の喉元に当てられている。
「おい」
男は動けなくなり、左の手のひらを返した。
「待ってくれよ…アリョン」
右の手のひらも返り、口も動かせずに言った。
「アリョン…分かったって」
隙を見てナイフを奪い取ろうとするが、その瞬間、股間に蹴りが入った。男はうずくまった。
「最後よ。口でいうのは」
ナイフの男のもとに投げて背を返した。
ドアをあけて中に入った。
立ち上がって悔しがっている男の携帯が鳴った。
「はい、社長 ― いいえ、明日までに必ず連れて行きます。…はい」
男は頭に手をやりながら姿を消す。
部屋にあげてもらった女は訊ねた。
「ナム社長って、ジョンス派の?」
「…」
「すごく大きい組織よね。いいな~、私も入りたい」
「現実は違うから諦めなさい」
「家族になったらいいじゃない。寂しくもないし…」
「両親がいるでしょう」
「私、いないよ」
毛布を持ち出していたアリョンは顔を上げた。
「どういうこと?」
「施設育ちで会ったこともないわ」
「…施設から何で出たの?」
「いろいろあってね」
「…」
「こうしない?」
「私が家事をするから技を教えて。家事は得意よ。授業料なら払う。お金もあるし」
アリョンは立ち上がって言った。
「それは誰の?」
「これ?」
女は財布を開いた。
「キム・ゴノンさん」
アリョンは女から財布を奪い取る。
「一つ忠告しておくわ」
「…」
「施設に戻って。使い物にならなかったらこの世界では捨てられるの。分かる?」
「わかったわ」
アリョンはベッド下に彼女の寝床を作ってやった。
「姉御はいい人だよね。だから私を助けてくれた」
アリョンは向こう向きに寝ている年下の女を見つめる。昔の自分の背中を見ているようだった。
やがてスモールを消した。
ハリが姿を消した後、ヨニはしばらくその場所を動かなかった。
半年前の記憶に浸っていた。
ハリはいつもふいに姿を現した。
「まったくもう、来るなら先に連絡してよ」
しかし、その日のハリは顔にケガをしてて様子がおかしかった。
「ハリ、どうしたの?」
ハリは自分を見ると安心したように身体を預けてきた。
「ハリ、大丈夫? しっかりして」
意識朦朧のハリは腹部に大量の血を滲ませていた。何とか診察ベッドに連れて行った。
衣服を脱がせると左腹部に刃物の裂傷があった。幸い、内臓に損傷はなく裂傷部を縫って命は取り留めた。
その時、上着の中の持ち物を見てハリがどんな人生を送っているのかを知った。偽りの名刺を幾種類も作り、危ない橋を渡って生きていたからだ。
あの日もトラブルを引き起こし、大けがにつながったのだ。
意識を回復したハリはベッドをおり、ヨニのもとに顔を出した。ヨニはハリの名刺を並べて涙に暮れていた。
「私はあなたが怖い。あなたは誰なの? うちの父を捜すために私を利用してるの?」
「…」
ヨニは声を振り絞って叫んだ。
「どうなの? 違うなら何とか言ってよ」
ハリは何も言えなかった。黙っていることしかできなかったのだった。