韓国ドラマ「プレーヤー」(連載78)
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
○アン・セホ➡(メン・ジフン 係長)
○ユ・イェビン➡(チュ・ヨニ)
プレーヤー」第6話→(俺たちの妹)⑧
★★★
悔しがるアリョンを見てヤンテは笑った。指先を振って言った。
「いいか。現実のこの世界に義理なんてないんだよ」
その時、舎弟分が携帯を差し出す。
「電話です」
「おお。何だろ」
ヤンテは携帯を受け取る。
「はい、社長」
「面倒なやつらがいる。静かに片付けろ」
「分かりました」
ヤンテは携帯を返す。アリョンを見る。
「また、後でな」
すごみを利かせて立ち上がる。舎弟らを促す。
「行こう」
ヨンソン児童養護施設の箱型の小型トラックが走り過ぎる。
ハリは横合いでそれをチェックする。
接見した院長はアリョンを知っていた。車から放り出された女がアリョンだったなら、姿を消したアリョンはあの男とつながってる線が濃い。アリョンは何らかの理由でこの連中と関わりを持ってしまっている。
ハリは横合いから車を出した。
時間は過ぎた。
★★★
手を縛られて監禁されているアリョンとヨンジにも、静かながらも不安な時間が流れている。
「ごめんなさい。姉御」
アリョンを引き込むために利用されたと気づいてヨンジは謝る。
「謝らなくていい」
悔しいがアリョンはヨンジを責めない。
「施設を出たのは院長のせいなの?」
ヨンジは殊勝に頷く。
「どこも同じなのね」
アリョンは呆れる。嘆息する。
「もう、こりごりだわ」
「…」
ペク・ソンの一味は資金洗浄に向けて動き出す。
金樽に詰まった沢山の札束がナム社長らの配下の手で幾つものアタッシュケースに詰め替えられていく。
それを見守ったペク・ソンは言った。
「キム社長のだから慎重にやれ」
「分かってます。お国の仕事を任されている大事な方ですからね」とナム社長。
ペク・ソンは配下の1人に顎をしゃくった。
男は静かに外の様子を伺い、ペク・ソンのところに戻っていく。
「本当に大丈夫でしょうか? カン次長はすでに動き出してます…」
ハリからもたらされた情報に対し、メン係長は不安を口にした。
チャン検事は言葉を返す。
「信じて、もう少しまとう」
「だけど」
メン係長は苛立っていう。
「不安なんですよ。準備くらいはしておかないと…」
チャン検事は時計を見た。その気持ちは彼とて同じだった。
そうしていくぶんかの時間が流れた。
ようやく懐の携帯が振動する。取り出すと果たしてハリ(詐欺師)からだった。
写真付きで情報がもたらされる。
チャン検事はメン係長を促した。
「出動しよう」
2人は急いで部屋を出た。
ジヌンと車を走らせながらビョンミンは言った。
「どう見てもあれはアリョンだった」
「俺もそうだ」とジヌン。
「どうしてあんな車を運転してたんだろう? そこが解せない」
「…」
「何か弱みを握られてるとか?」
「まさか、それはないだろ」
「じゃあ、何であの車を?」
ゆっくり車を走らせるジヌンらの前に、前方から走ってきた車が進路を塞いで止まった。
ジヌンは急ブレーキを踏む。
「おっと、何だ!?」
ジヌンは車の窓を開けた。
「おい、車をどけてください」
反応がないのでクラクションを鳴らす。
何だか様子がおかしい。助手席のビョンミンは怪訝そうにして後ろを窺う。ジヌンの肩を叩く。
「おい、あれは何だ?」
後ろからも車が現れ、ジヌンの車を囲い込む。
ジヌンはバックミラーに目をやった。
「何だ? どういうことだ」
「あいつは…?」とビョンミン。
前方の車に見覚えのある男の顔がある。
「防犯カメラに映ってた男だ。そうだよな」
ヤンテは不敵な笑いを浮かべている。
「どうやらお前の予想通りだな」
ジヌンは車のドアを開ける。
「おい、何するんだ。やめろ」
しかしジヌンは車から降りてしまった。
「降りるなら、何か言えよ」
ビョンミンも渋々車から降りる。
車からおりて多勢に無勢で相手と睨み合う。
アリョンたちの前にやってきたのはペク・ソンだった。
ヨンジを見てペク・ソンは言った。
「パパに挨拶なしか?」
ヨンジは怯えて顔も上げない。
彼女のもとに歩み寄ろうとするペク・ソンの前にアリョンが不自由な身体を入れる。
「来ないで!」
「…!」
「少しでも触ったら」
アリョンに向けて遠慮のないパンチが飛んだ。アリョンは床に身体を叩きつけられる。
アリョンは呻いて顔を上げた。口から血が流れ出す。
「状況を考えろ」
アリョンを睨みつけ、ヨンジの前にしゃがむ。
「会わないうちに大きくなったな」
ヨンジは目を伏せ怯えた声を出す。
「今日はパパと過ごそう」
ヨンジは怖さで口もきけない。
「行こう」
ペク・ソンはヨンジの肩口を掴んだ。嫌がるヨンジを強引に引っ張っていく。
「助けて姉御! 助けて!」
引っ張って行かれるヨンジを見ながらアリョンは何もできない。
身体の自由がきけばこんな奴なんか―歯ぎしりしかできない自分が悔しくてならない。
その時、インターホンが鳴った。
「こんな時に誰だ?」
ヨンジを突き放してペク・ソンは応接に出る。
ドアの外に立っていたのはハリだった。
「ああ、ここにいたんですか。ずいぶん、捜しましたよ」
明るい声で言った。
「どうしたんですか?」
笑顔をつくろってペク・ソンは訊ねる。
「じつはご相談がありまして―中に入ってお話を…」
「いや」
ペク・ソンは入って来ようとするハリを制した。
「今はちょっと」
「門前払いはやめてください。大事な話なんです」
「…」
「すぐに帰ります。心配しないでください」
「…」
「じゃあ、入りますね」
ハリはニコニコしながら中に入ってしまう。
一方、ジヌンたちは乱闘になっていた。ジヌンは大暴れし、ビョンミンも奮闘を見せていたが、形勢は次第に不利となっていく…。
ハリは勝手にずんずん部屋の奥へと進む。
「やあ、凄いですね。びっくりです。こんなに金持ちだったとは…」
部屋を見回していう。
「意外と施設は儲かるんですね」
「今日はどんな用で…?」
「そうでしたね」とハリ。「大したことじゃないんですが」
ソファに腰をおろす。
「アリョンはヨンソン出身ではなかったんですよ」
「そうですか」
「たくさんいるから勘違いしたんでしょうね。結局、違ったんです」
「…」
「せっかくですから、何か飲み物でもいただけますか?」
☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)
○アン・セホ➡(メン・ジフン 係長)
○ユ・イェビン➡(チュ・ヨニ)
プレーヤー」第6話→(俺たちの妹)⑧
★★★
悔しがるアリョンを見てヤンテは笑った。指先を振って言った。
「いいか。現実のこの世界に義理なんてないんだよ」
その時、舎弟分が携帯を差し出す。
「電話です」
「おお。何だろ」
ヤンテは携帯を受け取る。
「はい、社長」
「面倒なやつらがいる。静かに片付けろ」
「分かりました」
ヤンテは携帯を返す。アリョンを見る。
「また、後でな」
すごみを利かせて立ち上がる。舎弟らを促す。
「行こう」
ヨンソン児童養護施設の箱型の小型トラックが走り過ぎる。
ハリは横合いでそれをチェックする。
接見した院長はアリョンを知っていた。車から放り出された女がアリョンだったなら、姿を消したアリョンはあの男とつながってる線が濃い。アリョンは何らかの理由でこの連中と関わりを持ってしまっている。
ハリは横合いから車を出した。
時間は過ぎた。
★★★
手を縛られて監禁されているアリョンとヨンジにも、静かながらも不安な時間が流れている。
「ごめんなさい。姉御」
アリョンを引き込むために利用されたと気づいてヨンジは謝る。
「謝らなくていい」
悔しいがアリョンはヨンジを責めない。
「施設を出たのは院長のせいなの?」
ヨンジは殊勝に頷く。
「どこも同じなのね」
アリョンは呆れる。嘆息する。
「もう、こりごりだわ」
「…」
ペク・ソンの一味は資金洗浄に向けて動き出す。
金樽に詰まった沢山の札束がナム社長らの配下の手で幾つものアタッシュケースに詰め替えられていく。
それを見守ったペク・ソンは言った。
「キム社長のだから慎重にやれ」
「分かってます。お国の仕事を任されている大事な方ですからね」とナム社長。
ペク・ソンは配下の1人に顎をしゃくった。
男は静かに外の様子を伺い、ペク・ソンのところに戻っていく。
「本当に大丈夫でしょうか? カン次長はすでに動き出してます…」
ハリからもたらされた情報に対し、メン係長は不安を口にした。
チャン検事は言葉を返す。
「信じて、もう少しまとう」
「だけど」
メン係長は苛立っていう。
「不安なんですよ。準備くらいはしておかないと…」
チャン検事は時計を見た。その気持ちは彼とて同じだった。
そうしていくぶんかの時間が流れた。
ようやく懐の携帯が振動する。取り出すと果たしてハリ(詐欺師)からだった。
写真付きで情報がもたらされる。
チャン検事はメン係長を促した。
「出動しよう」
2人は急いで部屋を出た。
ジヌンと車を走らせながらビョンミンは言った。
「どう見てもあれはアリョンだった」
「俺もそうだ」とジヌン。
「どうしてあんな車を運転してたんだろう? そこが解せない」
「…」
「何か弱みを握られてるとか?」
「まさか、それはないだろ」
「じゃあ、何であの車を?」
ゆっくり車を走らせるジヌンらの前に、前方から走ってきた車が進路を塞いで止まった。
ジヌンは急ブレーキを踏む。
「おっと、何だ!?」
ジヌンは車の窓を開けた。
「おい、車をどけてください」
反応がないのでクラクションを鳴らす。
何だか様子がおかしい。助手席のビョンミンは怪訝そうにして後ろを窺う。ジヌンの肩を叩く。
「おい、あれは何だ?」
後ろからも車が現れ、ジヌンの車を囲い込む。
ジヌンはバックミラーに目をやった。
「何だ? どういうことだ」
「あいつは…?」とビョンミン。
前方の車に見覚えのある男の顔がある。
「防犯カメラに映ってた男だ。そうだよな」
ヤンテは不敵な笑いを浮かべている。
「どうやらお前の予想通りだな」
ジヌンは車のドアを開ける。
「おい、何するんだ。やめろ」
しかしジヌンは車から降りてしまった。
「降りるなら、何か言えよ」
ビョンミンも渋々車から降りる。
車からおりて多勢に無勢で相手と睨み合う。
アリョンたちの前にやってきたのはペク・ソンだった。
ヨンジを見てペク・ソンは言った。
「パパに挨拶なしか?」
ヨンジは怯えて顔も上げない。
彼女のもとに歩み寄ろうとするペク・ソンの前にアリョンが不自由な身体を入れる。
「来ないで!」
「…!」
「少しでも触ったら」
アリョンに向けて遠慮のないパンチが飛んだ。アリョンは床に身体を叩きつけられる。
アリョンは呻いて顔を上げた。口から血が流れ出す。
「状況を考えろ」
アリョンを睨みつけ、ヨンジの前にしゃがむ。
「会わないうちに大きくなったな」
ヨンジは目を伏せ怯えた声を出す。
「今日はパパと過ごそう」
ヨンジは怖さで口もきけない。
「行こう」
ペク・ソンはヨンジの肩口を掴んだ。嫌がるヨンジを強引に引っ張っていく。
「助けて姉御! 助けて!」
引っ張って行かれるヨンジを見ながらアリョンは何もできない。
身体の自由がきけばこんな奴なんか―歯ぎしりしかできない自分が悔しくてならない。
その時、インターホンが鳴った。
「こんな時に誰だ?」
ヨンジを突き放してペク・ソンは応接に出る。
ドアの外に立っていたのはハリだった。
「ああ、ここにいたんですか。ずいぶん、捜しましたよ」
明るい声で言った。
「どうしたんですか?」
笑顔をつくろってペク・ソンは訊ねる。
「じつはご相談がありまして―中に入ってお話を…」
「いや」
ペク・ソンは入って来ようとするハリを制した。
「今はちょっと」
「門前払いはやめてください。大事な話なんです」
「…」
「すぐに帰ります。心配しないでください」
「…」
「じゃあ、入りますね」
ハリはニコニコしながら中に入ってしまう。
一方、ジヌンたちは乱闘になっていた。ジヌンは大暴れし、ビョンミンも奮闘を見せていたが、形勢は次第に不利となっていく…。
ハリは勝手にずんずん部屋の奥へと進む。
「やあ、凄いですね。びっくりです。こんなに金持ちだったとは…」
部屋を見回していう。
「意外と施設は儲かるんですね」
「今日はどんな用で…?」
「そうでしたね」とハリ。「大したことじゃないんですが」
ソファに腰をおろす。
「アリョンはヨンソン出身ではなかったんですよ」
「そうですか」
「たくさんいるから勘違いしたんでしょうね。結局、違ったんです」
「…」
「せっかくですから、何か飲み物でもいただけますか?」
ペク・ソンは困っている。
「温かい、お茶でも?」
「ありがとうございます。よろしく。どうせなら高級なのを…いや、身体にいいお茶を」
ペク・ソンは憮然としてお茶を淹れにいく。
「やあ、ほんとにすごい家ですね。豪邸だ」
ペク・ソンは給湯コーナーでお茶を淹れる振りをして携帯を取り出した。配下に連絡を取り始める。
そんな彼にハリは鋭い視線を送った。
「温かい、お茶でも?」
「ありがとうございます。よろしく。どうせなら高級なのを…いや、身体にいいお茶を」
ペク・ソンは憮然としてお茶を淹れにいく。
「やあ、ほんとにすごい家ですね。豪邸だ」
ペク・ソンは給湯コーナーでお茶を淹れる振りをして携帯を取り出した。配下に連絡を取り始める。
そんな彼にハリは鋭い視線を送った。
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