雨の記号(rain symbol)

キムヨナのドラマチックステージ

2013-09-29 19:12:53

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負傷したキム・ヨナ…残る大会を欠場し、ソチに直行か

「フィギュア・クイーン」が足を痛めた。冬季オリンピック２連覇の挑戦に障害が出てきた。キム・ヨナ（２３）は右足の甲を負傷した。

韓国スケート競技連盟は２６日「キム・ヨナが練習中に上げた足の甲に激しい痛みを感じ精密検診を受けた結果、右足の中足骨（足の甲と足の裏をつなげる骨）の微細損傷の診断を受けた」と明らかにした。

キム・ヨナは６週間ほどの治療が必要だという診断を受けた。早くて１１月中旬から正常練習が可能な見通しだ。思いがけない負傷でキム・ヨナは、今年のシーズングランプリシリーズの出場をあきらめた。オリンピック２連覇に向けたロードマップを全面的に修正せざるをえないという意味だ。当初キム・ヨナは１０月２５日にカナダ、１１月１５日にはフランスで開かれるグランプリ大会に出場する予定だった。１０月と１１月の大会に参加しなければ１２月に開かれるグランプリファイナルにも出られない。メジャーな国際大会を一度も経験せずに来年２月に開かれるソチ冬季オリンピック舞台に立つことになる。

キム・ヨナを診断したリハビリ医学専門のソル病院のナ・ヨンム代表院長は「６週間は、充分にとった期間だ。何度もジャンプをして足の甲にアザができた状態だと見れば良い。大きな負傷ではないが、足が折れないように留意しなければならない。運動靴も軽いものを履いた方が良い」と話した。

大韓スケート競技連盟のチョン・ジェウン審判理事は「フィギュアスケート選手たちが最も多くケガする部位が足の甲・足首だ。たくさんジャンプをして着地をすれば衝撃のために自然と無理が出るほかはない。そのような衝撃が蓄積して、ある瞬間に故障する」と指摘しながら「実戦を経験しながら試行錯誤をしていってオリンピックに落ち着いて準備できるという機会を逃したのは残念だ」と明らかにした。 .
（フィギュアスケートニュースより）

★ だが、あまり悲観的に見ることはない。オールザットスポーツ関係者は「手術が必要な程度の負傷ではない。スケート靴を履いて足にあまり無理のない氷上練習もしている。必ずやり遂げるという本人の意志も強い。定期的な検診と治療をしながら、リハビリ訓練を行ってソチ冬季オリンピック出場には無理がないようにする」と話した。オリンピック直前の負傷ではなかったことが不幸中の幸いだ。

★ 一日６～７時間の猛特訓を行っていたキム・ヨナは、先月末から右足の痛みを感じていたことが分かった。キム・ヨナのマネジメント会社であるオールザットスポーツ関係者は２６日「痛みがますます激しくなって治療を受けることになった」として「オリンピックを控えているだけに、より一層徹底した体の管理が必要だという医療スタッフの勧めと本人の判断によりグランプリシリーズ出場をあきらめることにした」と語った。

★ キム・ヨナが準備してきた新しいシーズンプログラムは本人も持てあますほど高難度だった。キム・ヨナは特に『アディオス・ノニーノ（ＡｄｉｏｓＮｏｎｉｎｏ）』をＢＧＭにした新しいフリープログラムについては「一息も入れられないほど大変だ。曲を選択して１カ月で後悔の念がよぎったぐらい」だと言って困難を訴えたことがあった。勝負根性が特別強いキム・ヨナは、秋夕（チュソク、中秋）連休も返上して練習するほどの熱意を見せていた。彼女を世界トップに導いた、ただならぬ根性が負傷の原因にも挙げられている。

　キムヨナが故障でグランプリシリーズを欠場する。
　１０月からひと月に一度試合をこなして調子を上げ、来年２月に行われるソチ五輪に万全な状態で臨み、金メダルはほぼ彼女で間違いないと見ていたが、これで優勝の行方は分からなくなった。
　
　マイペースで調整をはかるベテラン選手たちはこの報を冷静に受け止めているだろう。だが、上り坂の若手選手たちを指導しているコーチや選手にとっては、願ってもないチャンスとばかり練習にもはずみがつくかもしれない。上手くいけばソチでベテラン選手たちを退け銀や胴は取れるかもしれないとの期待はあっても、聳え立つオリンピック女王キムヨナの牙城は易々と崩せないと見ていただろうからである。

　ソチ五輪に直行のローテーションを取らざるを得なくなったキムヨナには大きな試練だ。
　ジャンプが三つでいいショートプログラムはともかくとして、『アディオス・ノニーノ（ＡｄｉｏｓＮｏｎｉｎｏ）』をＢＧＭにしたフリープログラムの仕上がり具合はどのへんまで来ているのだろう。
　演技を完璧なところまで仕上げきれないまま、故障してしまったのだとしたら、故障の回復具合によってはソチでの本番が（取材記者らを含めて）文字通りお披露目演技となりかねない。
　それで金メダルなんてことになったらまさに大喝采の伝説ものだが、そんなマンガみたいなことが起こりうるだろうか。いくら何でも世界の強豪が集うオリンピックはそこまで甘くないと見るのが普通だろう。
　先の世界選手権で優勝したキムヨナは一発勝負でそれを勝ち取ったわけではない。実戦から遠ざかっていた不安が伝えられていたものの、
実際はＮＲＷ杯、韓国選手権という実戦の順路を経て金メダルに結び付けている。
　それらの試合で調子を整え、世界選手権の成果にきちんと結びつけたのである。

　しかし、ソチ五輪はそうはなりそうにない。ＮＲＷ杯や韓国選手権を振り返ってみればいい。あんな演技ではオリンピックの制覇はならない。
　まさに一発勝負で世界選手権の『レ・ミゼラブル』のような演技を繰り出さなければならない。
　その再現がなるのか――孤高の天才キムヨナには常にドラマチックなステージが用意されてしまうようである。
　キムヨナのライバルは取り上げない。演技の次元が違うから比べると奇妙な感覚に襲われる。見合った選手をグランプリシリーズで見つけることができるかどうかもわからない。
　ソチで彼女が『レ・ミゼラブル』の演技を超えてくれるかどうかを楽しみとしたい。