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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載26)

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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載26)

☆主なキャスト&登場人物
○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)


 「プレーヤー」第2話→(警察も検察も思いのまま)⑫


★★★


  ヤクザの連中はやっつけたが、刑事たちの追跡はまだ続いていた。
「奴らはどこに潜んでるんですかね」
「このへんに間違いはないはずだがな…」
 ハリたちは身をひそめて彼らの様子を窺った。
 ハリはビョンミンを見た。
「USBをくれ」
「どうして?」
「いいから、早く」
 シムチーム長は近くをうろうろし続けている。
 ビョンミンはヒソヒソ声をハリに返す。
「俺が持ってるよ」
「早く…!」
 ハリはヒソヒソ声で怒る。
「俺が持っててもいいだろう」
 ハリは黙って手招きする。
 ビョンミンは舌打ちしてショルダーの中をまさぐる。USBを取り出してハリに投げる。
 ハリは頷いて言った。
「先に行け」
「えっ?」
 ハリは手を振って姿を消した。
「どこに行ったんだ」
 ビョンミンもぼやきながら行動を起こした。
「連中からどうやって逃げるんだよ、もう…」


 その頃、ジヌンと武闘ボスは果てしのない格闘を続けた。
 最後に立ち上がったのはジヌンだった。口元に血を滲ませながら相手を見下ろした。
「まだまだだな。運動でもして鍛え直せ」
 ジヌンは男に背を向けて立ち去ろうとする。
 男は近くにあった板を握って立ち上がった。気合もろとも殴りかかろうとする。
 しかしジヌンは相手の緩慢な動きを素早くかわすと同時に重いパンチを見舞った。後ろに吹っ飛んだ相手は、大の字になってそのまま動かなくなった。


★★★


 ジヌンはフラフラしながら、仲間の待つ車に戻った。
 後部ドアを開けるとビョンミンが怒鳴った。
「早く終わらせろよ。遅いじゃないか」
 車に乗り込んでジヌンは訊ねる。
「ハリは?」
「知るか」
「連絡はないのか?」
「USBを持ってどこかへ向かったの」とアリョン。
「ハードディスクも?」
「あいつは何考えてんだろな」
「ともかく出発しましょう」
「そうだそうだ」ビョンミンは頷く。「早くここを離れよう」
 しかし、車が動き出さないうち、パトカーが押し寄せて来た。三方からジヌンたちの車を囲んだ。
 パトカーから刑事たちがどかどか降り立ってくる。
「お前が遅れたせいだ!」
 ビョンミンはジヌンを見て怒鳴った。
 アリョンは叫んだ。
「静かにしなさいよ」
 シムチーム長は運転席のドアからアリョンたちを覗き込んだ。
「ようやく会えたな」
「どうも」
 ビョンミンは愛想笑いを返した。
「お前」
 シム刑事はアリョンを見て驚く。
「いつか俺の財布を…」
 苛立った声で部下を促す。
「連中をおろせ」


 ジヌンたちは外に引きずり出され、後ろ手に縛られた。
 シムチーム長は3人を眺めてご機嫌だった。
 彼はジヌンらを逃げられないようにし、ヒョンジングループ会長のもとに電話を入れた。
「捕まえましたよ。どうしましょう?」


 秘書は答えた。
「そのままにしておいてください」
 電話を終えると秘書はチェ会長に声をかけた。振り返った目の先にハリが立っている。


シムチーム長は捕まえた連中に、ハリが今どこにいるかを皮肉な口調で教えた。
「可哀そうな奴らだ。詐欺師はチェ会長が買収した」
「何だと?」
 とジヌン。他の2人も怪訝そうにシム・ダルスを見る。
「あの人をあまり信じないで」
 ジヌンは女を助けた女医の言葉を思い出した。
「お金を前にすると裏切る人だから」
「あんな奴の言葉を信じるとはな」
「…」
「お前たちはもう終わりだ。分かったか?」
 シム・ダルスは笑いながら部下たちを振り返る。
「何か食べに行こう。ああ、もう~、ずいぶん走らされたもんで腹ペコだよ」

 ビョンミンは天を仰いだ。肩を落としてうな垂れた。
 刑事連中は3人を縛ったまま残し、どこかへ歩き去ってしまった。




― 通報して何が変わると思う。あいつらはお前の味方じゃない。


 ハリは携帯に録音した息子(チ・ソング)の音声をチ会長に聞かせ、質問した。
「これで信じますか?」
 携帯をかざして見せながら続けた。
「何なら動画もありますよ」
「それで俺を強請る気か?」
「もう~、何を言ってるんですか。息子さんが捕まったなら、会社にも悪影響が及びますよ。それに比べたら大した額じゃありません」
「どうせ、コピーを持ってるんだろう…?」
「それは当然でしょう―10分後に検事を送ります」
 携帯を振っていう。
「彼とシムチーム長のメールも一緒に揃ってますよ」
「友達はどうなってもいいんだな?」
 チ会長は動揺を見せず、逆に脅しをかけてきた。
「ご冗談を」
 ハリは手を振った。
「友達なんていませんよ。金こそ、一番の友達です」
 チ会長は笑い声を立て始める。
「あっはははは…」
 ハリも合わせた。
「ふっふふふふ…」
 2人はしばし笑い声を同期させた。
 チ会長は言った。
「確かにお前のいう通りだ」
 チ会長は秘書に指示を出す。
「持ってこい」
 秘書は頷いて携帯をとりだした。どこかに連絡を入れた。

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