雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「上流社会（全16話）」から⑦

2020-06-21 19:34:46

韓国ドラマ「上流社会（全16話）」から⑦

　財閥グループの令嬢チャン・ユナ（ユイ）と貧乏育ちのチェ・ジュンギ（ソンジュン）。財閥グループの御曹司ユ・チャンスと両親の離婚で貧乏暮らしとなったイ・ジイ。二組の恋愛模様を描き出しながらこのドラマは展開していく。

　
　★チャン家の人々

　財閥家の令嬢であるユナには、同等の親を持つ友人や知り合いは少なくないはずだが、このドラマにはほとんど登場しない。
　つまり主人公ユナの視点でドラマ「上流社会」は色がつけられ線引きされ描きだされている。

　ヒロインであるユナは自身がお嬢様の身に関心は薄い。財は豊かでもそこに幸せな暮らしがあるとは思っていないし、見合い結婚はそれらの財を守っていくだけの幸の狭い人生に過ぎないと考えている。
　財があるのを否定はしない。ただ、それに振り回される生き方はしたくない。
　大人に成長してくる過程でなぜそう考えるようになったのか…。それは両親や兄妹の生き方を観察するうち、彼女の中に定着した価値観や人生観のようである。

　父親は財閥グループを率いて世間からは羨望を浴びる名士である。しかし、一歩家庭に入るとガラリと印象が変わる。一般道徳を大きく逸脱した我儘放題で粗暴な男に過ぎない。
　気に食わないことがあるとテーブルの物をぜんぶ引っ剥がすのは朝飯前、女は妻も家政婦も一緒、配下で身の回りを世話する役割にしか見ていない。愛人は外にとっかえひっかえで作り、部屋と金を与え経済の循環にだけはそれなり貢献してる俗物である。

　母親はそんな父親と向き合うことができないでいる。お嬢様育ちであんな品のない男に嫁いだことを悔いている節も見られる時がある。それでも慈善事業を行って世間的な体面を保っている。ユナからすれば母親として尊敬するどころか、1人の女としては哀れに思える面も少なくないのだった。そんな母親から政略結婚の話をされたりすると、政略結婚はしたくないが愛せる男を見つけて一日も早くこの家を出たい衝動に駆られたりした。

　ユナが尊敬する兄（チャン・ギョンジュン）は父の下でグループを引っ張る地位にありながら、大きなストレスにさらされ、抗うつ剤を服用するようになっている。彼の打ち出す企画や構想はことごとく理想主義の名のもとに却下された。与えられた地位は父親の傀儡に過ぎなかった。裏金作りなど法に触れる手法も発覚しなければよしとする父のやり方に限界を感じていた彼はついに仕事を捨て行方を晦ましてしまう。

　ユナの長姉、チャン・イェウォンは若い頃、ユナと似た考え方の持ち主だったようだ。見合い結婚はせず恋愛結婚してグループから離れた結婚生活にいったんは入る。夫婦仲はうまく行かなかったようで、彼女は出戻りし、会社をひとつ任され、キャリアの道を歩んでいる。しかし会社の業績は思わしくないか、評判がよくないようで、弟のギョンジュンにポストを奪われ、トラブルになったりしている。しかし、ギョンジュン失踪後、相手が父に変わったため、復位に動きだす。

　ユナのすぐ上の姉、チャン・ソヒョンは落下傘のポストを得て、日々をエンジョイしている。運命の幸運を喜んで受け入れているごく一般的なお嬢様。結婚するまでの時間つぶしでチャン家で起こるドラマに一喜一憂で眺めている。貧しい家に生まれてもさほど悲観せず欲も持たず、グチだけは精一杯まき散らして流されていきそうなタイプ。

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