雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「プレーヤー」（連載53）

2021-04-08 22:03:08

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韓国ドラマ「プレーヤー」（連載53）

☆主なキャスト＆登場人物

○ソン・スンホン➡（カン・ハリ（チェ・スヒョク））
○クリスタル➡（チャ・アリョン）
○イ・シオン➡（イム・ビョンミン）
○テ・ウォンソク➡（ト・ジヌン）
○キム・ウォネ➡（チャン・インギュ）

　プレーヤー」第4話→（感情的に動くな）⑨

★★★

　この時、ビョンミンはコンピューター室に忍び込み、コンピューターのキーボードを叩いている。
　内線を外線に扮装させるのを終えた。
　電話が鳴った。
「もしもし…はい、どうも…こちらの職員です」
　確認の電話がすむとイ部長は言った。
「どうぞ、座ってお待ちに」
「どうも。そのまえにトイレをお借りしても？」
「外に出て左…ご案内して」　
「大丈夫です。自分で行きます」
　ハリは部屋を出た。

★★★

「野積場の方に人が…」
　コンピューター室のモニタで倉庫内を検索し、アリョンはチームに連絡を入れて部屋を出ていく。ビョンミンも続いた。
　アリョンがモニタで見つけたのは4人の男たちだった。
　たくさん並ぶコンテナに見向きもせず、彼らはとあるコンテナの前にやってきた。ドアを開けて中に入り、懐中電灯をつけた。
　中を調べ始めたところでジヌンはドアの前に立った。ドアの取っ手を握ってドアを鳴らした。振り返った彼らに向け、ジヌンはニタリと笑う。
　男たちがジヌンに殴りかかり乱闘になった。

　ハリを呼びにきたイ部長は、トイレにハリがいないのに気づいて舌打ちした。ドアを荒々しく閉めた。
「どこに逃げやがった！　みんなを呼べ」
　トイレを走り出た。

　ビョンミンとアリョンを中に引き入れる役割だけをすましたハリはトイレに行く振りですんなり倉庫内から外へ脱け出してきた。
　何事もなく役割を果たしたハリは背広の襟をただして拍子抜け気分だった。
「どうも嫌な感じがするな」
　後ろを振り返るといなくなったのに気づいたイ部長の配下らが追いかけてくる。
「来たか」
　ハリは慌てて逃げ出した。
「いたぞ。あいつを捕まえろ」
「逃がすな。スーツの男だ」　

　その頃、ジヌンは4人の男たちをやっつけ終えている。

　ハリは車の駐車場や倉庫内を逃げ回って従業員らに追い詰められた。
「ここで何やってる？」
「近寄るな」
　連中に取り囲まれたハリは叫んだ。かかっていく振りして再びコンテナの間に逃げ込む。

　ジヌンのところにボックスカーが走って来て止まった。中からおりて来たのはビョンミンだ。
「ジヌン、その恰好は何だ？」
　アリョンも車から降りてきた。
　周囲には男たちが気を失って倒れている。
「早く載せろ」
「大丈夫か。ケガは？」
「いいから早く」
　ビョンミンとアリョンがコンテナ内から段ボール箱を乗って来た車に積み込んだ。

　その間にジヌンは気絶させた連中をコンテナの前に集めて並べた。
「全部積んだわ」
　積み終えてアリョンは言った。
「そろそろ来るはずだが…どうしたんだろう」
　辺りに目をやってビョンミンは呟く。　
　3人は手持無沙汰な姿でハリのやって来ると思われる方角に目を凝らす。
　ようやくハリが走って現れる。
「来た。あれがそうだ」ビョンミンは手を上げる。「ハリ、ここだ…ン？」
　3人は唖然となった。
　走っては来るが、後ろに大勢の追手を引き連れているではないか…！
「何だ？　これはまずいぞ」
「逃げるしかないわね」とアリョン。
「早く来い」
　ビョンミンは急いで車に乗り込む。
「先に行け」
　ジヌンはアリョンを促した。アリョンも車に乗り込んだ。エンジンがかかった。
　走って来ながらハリも叫んだ。
「行け、早く」
「何人連れて来たんだ」
　ジヌンはハリを待った。
　ハリはジヌンの後ろに逃げ込んだ。
「ジヌン、お前ケンカは強いよな」
　肩を叩いて車の走り去る方角に走っていく。
「あとは任せたからな」
「何てひどいことを」
　愚痴りながらもジヌンは追手に向かって突っこんでいく。