チーム糸谷 VS チーム菅井の対戦から

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チーム糸谷 VS チーム菅井の対戦から


★第4回ABEMAトーナメント予選Bリーグ


　予選Bリーグのトップで抜けるのはチーム糸谷だろうと予想していた。早指し個人戦で準優勝した糸谷八段は早指しの対局にめっぽう強い。
　糸谷八段とチームを組む山崎八段も早指し戦には強い。荒唐無稽の指し回しで相手を翻弄する勝負術も秘めている。早指し戦では相手にとって厄介な相手である。糸谷八段と山崎二段の2枚だけでも相手チームの脅威なのに、3番手の服部四段も実は勢いを持った棋士だ。
　昨年度の成績は28勝11敗と7割超えの勝率を誇っている。
　しかし、チーム糸谷を攻略するには服部四段をターゲットにするしかない。


　チーム菅井が糸谷八段と山崎八段から得られる勝利はせいぜい2勝、運よく差し分けて3勝と見ていた。
　よってチーム菅井がチーム糸谷を下すには、服部四段から2勝をもぎ取らねばならない。
　
　そこから相手に誰をぶつけるかの勝負術も出てくる。
　よってチーム菅井の戦略に注目していた。菅井八段が糸谷八段と山崎八段相手に2勝をあげ、深浦九段と郷田九段が連携して何とか一勝をもぎ取る。
　そして服部四段から最低2勝、できれば3勝の皮算用である。


　しかし、両チームの戦いを見ていて、途中でチーム菅井がチーム糸谷を破るのは至難と感じた。服部四段が地獄の粘りを持つ深浦九段の攻めを皮一枚で残して逆転勝ちしたからだ。服部四段から3勝どころか勝ち越すのも難しい。C級2組もじつは鬼の住処のようである。服部四段はさすが糸谷八段に選ばれて出てきただけある。


　結局、菅井八段が糸谷八段に敗れチーム菅井は2勝5敗で初戦を落とした。
　次戦のチーム佐藤との戦いに予選突破を賭けることになった。
　鍵を握るのは深浦九段と郷田九段の踏ん張りである。