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キムヨナに託したい「アイスショーの道」



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キム・ヨナ、5月開催のアイスショーで新エキシビション『Someone like you』披露

 オールザッツスポーツ(代表パク・ミヒ)は、5月4日から6日までソウルオリンピック公園体操競技場特設アイスリンクで開催されるアイスショー「E1オールザットスケートスプリング2012」に参加するスケーターのプログラムとステージを27日に公開した。

■ バンクーバーオリンピックチャンピオンと世界選手権大会チャンピオンの華麗なるフィギュア楽園

 今回のアイスショーで最も注目されているプログラムはキム・ヨナの新しいGALAプログラムだ。キム・ヨナはマイケル・ブーブレの『All of me』で男装して演技するという。2部ではアデルの『Someone Like you』でセクシーなステージを披露する。

 2012年バンクーバーオリンピック男子シングル金メダリストのエバン(米国)は、1部でDavid Hernandezの『The Climb』、2部では映画『ムーランルージュ』の挿入曲『El Tango de Roxanne』に合わせてパワフルなステージを見せてくれるという。『El Tango de Roxanne』は、キム・ヨナが2007年世界選手権大会のときショートプログラムで1位を獲得したときの曲でもある。

 また、フィギュア世界選手権大会の男女チャンピオンのステージも期待されている。カロリーナ・コストナー(イタリア)は、1部でRufus Wainwrightの『Hallelujah』を披露する。2部ではBjorkの『It’s Oh So Quiet』で盛り上げてくれる予定だ。

 パトリック・チャン(カナダ)はRachmaninovの『Elegie in E Flat Minor』で世界選手権大会優勝者としての堂々たるステージを見せてくれる。2部ではガラリと雰囲気を変えMuddy Watersの『Mannish Boy』を披露。デイビッド・ウィルソンの振り付けでパワフルな男性の姿をアピールする今回のプログラムは女性ファンを喜ばせてくれるに違いない。

 また、2012年バンクーバーオリンピックのペア金メダリスト、申雪&趙宏博(中国)は、『天下无双』とAndrea Bocelliの『I’ll be There』を選曲、一編のオペラのようなステージを披露してくれるという。

■ 世界最高のフィギュアスターのパワフルなフィギュア楽園

 スピンの皇帝と呼ばれるステファン・ランビエル(スイス)は、Verdiの『Rigoletto』とArcade Fireの『My body is a Cage』を選曲し彼ならではのパワフルなステージを見せてくれる。2010年グランプリファイナルの優勝者アリサ・シズニー(米国)はEdith Piafの『La vie En rose』とBodyrockersの『I Like The Way You』でその魅力を披露する。

 2011グランプリファイナルペア部門銀メダリストのティティアナ&マクシム(ロシア)は、Whitney Houstonのヒット曲『I will Always Love you』で彼女を追悼する予定だ。2002ソルトレイクシティーオリンピックのペア金メダリストジェイミー&デイビッド(カナダ)は、Queenの『Who Wants to live forever』とMichael Jacksonの『Scream』でスピードのあるステージを見せてくれる。

■ 韓国フィギュアの頼りとアイスアクロバティックパフォーマンスチームの魔法のようなフィギュア楽園

 2012冬季アジアンゲーム銅メダリストのカク・ミンジョンはChariceの『The Truth Is』を初披露する。キム・ヘジンは昨シーズンショートプログラムで披露したBeethovenの『Moonlight Sonata』を新しく変形させ再誕生させる。キム・ジンソはBIGBANG(ビッグバン)の『Fantastic Baby』」に合わせエネルギッシュなステージを披露する。

 この他にもアイスアクロバティックパフォーマンスも準備されている。披露してくれるのはウクライナのコンビで、Yolanda be coolの『We no Speak Americano』とTchaikovskyの『Swan Lake』に合わせて華麗なるパフォーマンスを見せてくれる予定だ。

 今回のショーは<フィギュア楽園>がテーマだ。ショーの最後はDavid Lee Rothの『Just Like Paradise』とDavid Guettaの『Without you』で締めくくりフィギュアファンに感謝の気持ちを伝える予定だ。また、今回のショーの全てのGALAプログラム曲はネイバーミュージックを通じて鑑賞することができるという。
(ニュース記事より)

 キムヨナが競技舞台から遠ざかって久しい。以来、ずっと彼女が競技の場に戻ってくるのを待っているのだが、一向にその日が来ない。

 彼女がアイスショーに戻ってくる。
 この写真、最近のものであろうか。たぶん、そうであろうな。面立ちがふっくらしてきた感がある。フィギュアスケートを含め、その表情からすべてにおいて充実した日々を送ってきている様子はうかがえる。
 このことが彼女のハングリー精神を殺いでいないことを祈るばかりである。

 ソウルで開催されるアイスショー「E1オールザットスケートスプリング2012」には、キムヨナはじめ世界選手権優勝のカロリーナ・コストナー(イタリア)、パトリック・チャン(カナダ)など層々たるメンバーが登場して、華麗な演技を披露する。
 フィギュアスケートのファンにとっては心の躍るイベントとなることだろう。

 ただこのアイスショー、僕にとってはキムヨナが登場してくるだけの話であり、特段の喜びってわけではない。
 アイスショーでの彼女の演技はユーチューブにアップされていずれ見ることは出来るだろう。しかし、不思議にも見たい気持ちはそれほど逸っていない。

 自分の場合、フィギュアスケート娯楽のアイスショーは競技の方にくらべて面白さをあまり感じない(フィギュアスケートへの熱中度が薄まってきたのかもしれぬ)。感じるのは競技の後のエキシビションくらいのものだ。

 なぜ自分の中でそんな温度差が出ているのか? 
 考えを巡らしてみた。
 得た結論はこうである。
 競技の方にはスポーツとしての厳しさがある。しかし、アイスショーには観客に楽しんだり喜んだりしていただこうとの配慮(娯楽性)が優先している。
 そのへんにある気がする。

 登山(山登り)というのがある。区分すれば幾つもの段階に分けられようが、端的に言うなら山に立ち向かう難コースとそれを楽しむ娯楽コースとに分かれる。
 どこどこの山を踏破して戻ってきた登山家の直後の姿や話には山の厳しさがありありと感じられ、畏敬や凄みを覚える。
 ところが取材班が入った登山はどこかが甘い。リアリティーが弱い。映像で見ていたりしても、最初のうちはいいが話が進行するにしたがってたいていダレてくる。僕はそれを最後まで見たためしがない。中継取材は山登りの気分を味わう最初のうちだけで十分って感じだ。
 難コースには山の威厳がある。ある段階以後はどんな取材も作り物になるほかないってことだ。
 
 北島康介最大のライバルと目されていた水泳のダーレオーエン(ノルウェー)選手が急死した。高所トレーニングの最中に起きた出来事のようだが、オリンピックを目差すスポーツ選手の置かれた環境は、場合によっては命を賭すほどの厳しさにあるってことだろう。
 
 競技としてのフィギュアスケートにはアイス(氷)リンクに立ち向かう闘争心が選手たちにみなぎっている。最高点を目差そうとする意気込みがおのずと緊張感と威厳を氷上に生み出し、独特の世界を作り出していくことになる。
 選手たちは自分の持っている技術のすべてをそこにぶつけて覇を競う。
 人類の英知が野生のアイスリンクを特上のステージに移し変えた。
 スケート靴の細い刃先で氷を削りながら全力で演技する一流選手たちの姿が映えてこないわけがない。勇壮で美しくならないわけがない。
 
 アイスショーは言ってみればこれらの娯楽版だ。アイスリンクと戦うというよりは手玉に取ろうとする(素人にとってはそうではないが、一流選手にとってはそうなるだろう)趣の方が強く感じられるからだ。
 ただ、競技の後のフィギュアスケートのガラ・エキジビションはいささか趣が異なる。ヒマラヤを踏破して戻ってきた直後の登山家のように全力を傾けた行為の余韻を漂わせているからだ。エキシビションも同じだ。どんな疲れた演技となったとしても僕は感動を覚えたりするのだ。

 フィギュアスケートはそのうち競技に向かう選手とアイスショーを行う選手とに途中で枝分かれしてくるのではないか? いや、そうならなければ発展の道はないのではないか?
 競技でトップの選手がアイスショーの出し物でもトップを目差さなければならないのは、どう考えても非合理だ。選手の人気だけでアイスショーをやっていては、新たなファンを開拓するようなアイスショーの発展は望めないと感じるからだ。
 アイスショーは氷上で戦うのではなく氷上を手玉に取る→そこで思い切ったギアチェンジが必要だ。活路は演劇性をさらにアップすること。
 カタリナビットが何年も前にそれをやって見せ、示唆してくれた。容姿端麗、美形の人たちがスケート技術と演技力を磨いてこそ、汲めども尽きない出し物が生まれ、恒常的に客を呼べるアイスショーが誕生することになるだろう。
 ソチへ行くのか行かないのか分からぬが、いずれキムヨナも引退をする。もし、プロスケーターの道を歩むなら、彼女にはそのへんを模索するプロデューサーでもあってほしいものである。
 
 
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