雨の記号(rain symbol)

苦渋と苦難のガールズ(T-ARA)





 苦渋と苦難のガールズ(T-ARA)
Girls of pain and suffering (T-ARA)




 
 少女時代やKARAほどでないにしても、T-ARAがK-POPガールズ勃興期立役者のひと組であるのは間違いない。
 いろいろあって不遇の時期も持ったが、親しみやすく懐かしい名曲をたくさん残してくれた。
 たとえ、この一年で「T-ARA」が活動にピリオドを打つとしても、彼女らが残した曲たちの幾つかは一人歩きを続けて行きそうな気がする。
 それらの曲を通じてメンバーたちも思い出してもらえることになろう。

 いや、それでは「T-ARA」が過去形になると同時にメンバーらも影を薄くしていくかに取られかねない。
 T-ARAで活動を今年いっぱい継続するジヨン、ヒョミン、ウンジョン、キュリはもとより、契約満了で事務所を離れるソヨンやボラムにも今まで以上に巻き返しの頑張りを期待したい。

 ”頑張り”になぜ”巻き返し”を付け足すのか、と思われるかもしれない。
 この業界で活動していくには、「T-ARA」時代に負ったダメージがあまりに大きい。「T-ARA」に留まるメンバーだけでなく、ソヨンやボラムもダメージから逃れられないだろう。
 「T-ARA」がなくなってもそれらはメンバーの心身にまつわり続ける気がしてならない。

 ダメージを負う発端となったイジメ騒動の後、国内で息の詰まるような境遇に置かれたにもかかわらず、「T-ARA」が契約更新の時期まで何とかやって来れたのは、K-POPが国内だけの音楽産業からの脱却と海外進出を開始していたからだ。
 「T-ARA」もKARAや少女時代とともに促進の役割を担って実績を上げた。
 K-POPは早い潮流で海外とのクロスゾーンを作り出していたからこそ、その領域の開拓にいくらか成功していた「T-ARA」はK-POPガールズとして河口で生きる魚のように生き延びてこれたのだ。
 
 最近、「T-ARA」はカムバック曲をヒットさせて、国内での息苦しい環境は払拭したかに見える。もはや、「T-ARA」という苦渋の十字架を背負い続ける必要もないようには感じられてくる。
 今の流れを見る限り、メンバーは全員「T-ARA」の制服を脱いでいくことになりそうだ。しかし、海外で稼ぐ見込みのなくなったメンバーらはその後どんな活動となっていくのだろう。
 往年の「T-ARA」に見合った巻き返しと頑張りがないと、国内だけで目立った活躍はできないと見るのは皮肉な見立てであろうか。
 「T-ARA」の名が消えると海外ファンは徐々にメンバーたちを忘れていってしまうように思える。
 ジヨンとあとはウンジョンが映画やドラマで細々とやっていくくらいに思えるのだが…。

 アジア、いや世界にファンをたくさん作った「T-ARA」はやはり今年いっぱいで消えるのであろうか…?

 妹分のDIAがじんわり”T-ARAモード”の音楽やりだしたところを見るとどうもそんな気がしてならないが…。



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