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佐々木勇気七段 VS 千田翔太七段
第80期順位戦 B級1組10回戦から
B級1組の戦いが面白くなってきた。順位が上位の佐々木勇気七段、千田翔太七段がともに藤井竜王との対局を残している。
この日、佐々木七段が千田を破っていれば、藤井竜王と佐々木七段はそろってすんなりA級に上がっていける流れが生まれた気がする。
しかし、佐々木七段が敗れたことで状況は藤井両王にとっても油断ならないものとなってきた。
順位が下位の佐々木七段はもうこれ以上負けられなくなった。いわば背水の陣である。
藤井竜王にとって1敗の佐々木7段と対局するより、負けられなくなってギリギリの戦いを挑んで来る佐々木7段の方が不気味なのでは…?
千田7段にしても佐々木7段に敗れれば4敗に後退し、A級入りはほぼなくなるところだった。
藤井竜王はこの結果を受けて、両者とギリギリの戦いをしなければならなくなった。
藤井竜王のファンからすればハラハラドキドキの熱戦を期待できる一方、大きい不安を抱えての観戦となるのも否定できない。
まあ、藤井竜王にとっては2人がどういう成績を残そうが、目の前の相手に全力をつくすとの姿勢は変わらないだろう。竜王はいつもそういう受け答えをしている。
ひょっとすると、それをファンが喜んでくれるならそういう展開こそを竜王は願っているかもしれない。
自分は時々、YouTubeに来て実況中継を覗いたりしていた。模様は玉の安全度から、ずっと先手の佐々木7段がいいように見ていたが、自分の用向きを終えて中継を覗いたら、先手玉も守り駒を剥がされてかなり危うくなっている。
駒得しているものの、先手は後手玉の遠さに手を焼いているようだった。
一方、自陣は5九に馬を成られている。上部から玉頭に睨みを利かす飛車との連携がよく、駒を持たれたら一気に寄せられかねない。
攻めようにも6二の銀が泣いていて邪魔で早い攻めもなさそうだ。佐々木七段もそれを承知のようだった。
当面、後手の攻めの相手をしなければならないのか? 今はそういう局面だった。
ずっと模様がいいように思っていたのにどうしてそうなったのだろう?
この後、後手の千田七段は少ない持ち駒を使って先手の守備陣を巧みに崩して寄せてしまった。玉の下の金打ちで耐えていたかに見えたが、千田七段の攻めは狭い隙間をついて先手玉を投了に追い込んでしまった。
千田七段にとっては会心の一局、佐々木七段にとっては弱気がたたった悔いの残る一局となってしまったのでは?
稲葉八弾も三浦九段を破り、A級復帰に向けて意地を見せた。
A級入りの行方は藤井竜王を含め、現実にはまだ予断を許さない状況だ。
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