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雨の記号(rain symbol)

春のワルツ 第5話 「帰郷」


春のワルツ 第5話 「帰郷」

このドラマのキャスト(NHKガイドから)

ソ・ドヨン
1981年生まれ。兵役を終えた2003年にファッションモデルとして活動を開始し、ファッションショー、雑誌、CMなどで活躍。2004年にモデルとして出演した番組「シングルズ・イン・ソウル2~メトロセクシュアル(原題)」で注目を浴びる。2005年にKBSのドラマシティ「オー!サラ」で俳優デビューし、同年に大ヒット時代劇「海神」に出演。そして2006年、新人ながら「春のワルツ」の主役に抜擢され、神秘的なイメージでさらなるファンを獲得する。最新出演作はドラマ「止められない結婚」。

ハン・ヒョジュ
1987年生まれ。2003年、ミス・コンテストに優勝後、芸能界入り。2005年に人気コメディー・ドラマシリーズ「ノンストップ5」でデビューすると、次々とミュージックビデオの出演依頼が舞い込み、またたくまに人気音楽番組「人気歌謡」のMCに抜擢される。さらにヒット映画の続編「マイ・ボス・マイ・ヒーロー2」で映画デビューも果たす。ドラマ「春のワルツ」の主役への大抜擢と韓国での放送を終え、映画「とても特別なお客さん(原題)」に出演。最新出演作は映画「アドリブ・ナイト」。

ダニエル・ヘニー
1979年生まれ。英国系の父と韓国系の母の間に、アメリカで生まれ育つ。ファッションモデルとしてアメリカのほか、韓国、香港、台湾などでアジア各国で多くのCMに出演。2005年に韓国で、ドラマ「私の名前はキム・サムスン」で俳優デビューするとともに人気急上昇。続くドラマ「春のワルツ」でも多くの女性を魅了した。「ミスター・ロビンの口説き方」では映画に初出演し、話題を呼んだ。その後、映画「マイ・ファーザー(原題)」に出演。

イ・ソヨン
1982年生まれ。2002年に映画「白い部屋」でデビュー。ペ・ヨンジュン主演の映画「スキャンダル」で16歳の側室役をオーディションで獲得し、卓越した演技力で注目を集める。2005年のドラマ・デビュー作「春の日」(共演:チョ・インソン)や「新入社員」(共演:エリック)で評価を高めるとともにさらなるファンを増やしていく。ドラマ「春のワルツ」のほか、映画「フェザー」や、若者を通した日韓交流を描いたオムニバス映画「まぶしい一日」(『空港男女』))などに出演している。また、2007年公開映画「覆面ダルホ~演歌の花道~」では、トロット(演歌)歌手役を熱演。その後、映画「ブラボー!マイライフ(原題)」に出演。

ウン・ウォンジュ
韓国EBS(韓国教育放送)の子供番組でテレビデビュー。2001年のドラマ「ヤクザなパパ」の演技で注目される。映画デビュー作は日本でもヒットした「ロスト・メモリーズ」(共演:チャン・ドンゴン、仲村トオル)。そのほか映画「大変な結婚」「ナチュラルシティ」などに出演。確かな演技力を持ち、子役ながらキャリアはすでに「ベテラン」級と、高い評価を得ている。

ハン・ソイ
本作「春のワルツ」がデビュー作。今まで演技経験がないにもかかわらず、「悲しみのある瞳」にほれ込んだユン・ソクホ監督が大抜てき。純粋な雰囲気と個性的な顔立ちが魅力で、“第2のムン・グニョン(「秋の童話」子役)”になるのではと注目されている。

第5話の簡単なあらすじ

 レコーディングのため、15年ぶりに韓国の地に降り立ったチェハは、その足で幼き日のウニョンが手術を受けた病院へ向かう。職員に無理を言ってウニョンの生存確認を依頼すると、チェハは思い出の市場へとやってくる。実はウニョンはこの市場に、ピンクのトラックでアクセサリーの店を出していた。しかし、あとわずかのところですれ違ってしまう二人。やがて店じまいをしたウニョンは、トラックで市場を出て行こうとする。その時チェハは、目の前を通り過ぎたトラックの中にウニョンの姿を見つけ、タクシーで追いかけるが、結局見失ってしまう。
一方、フィリップもウニョンに会いたがっていた。そして「クリスタル・デザイン・コンテスト優勝」というウニョンの言葉を手がかりに、主催者に問い合わせをしようと思いつく。そのアイディアを聞いたチェハは翌日、フィリップに先んじてコンテスト主催会社を訪れて・・・。

韓国の言葉では語頭にくる音は濁音にしないという約束ごとがあります(例:フルネームは「ユン・ジェハ」→名前のみ呼ぶときは「チェハ」)。(以上データー)


 すでに始まっていた話のおさらいを、まだほとんど何も始めていない同一人物の二人が、別々の場所から回想を積み重ねながらやっていく手法。
 視聴者も「ああ、早く次が始まってくれないかな」と気持ちが先へ急ぐ感じになってしまう。そういう時間の発生と感情の中には過去の情景が滑り込んできやすい。視聴者も抵抗を覚えないままこれを受け入れる。そして、今から何かが始まる予感と過ぎ去った日々の懐かしさが交錯して、少しずつ共感や情感が溢れてくるようになる。
 このシリーズの制作にあたったユン・ソクホ監督が絶えず意識していたのはヴィヴァルディの四季(イタリア語:LeQuattro Stagioni、英語表記はThe Four Seasons)は、イタリアの作曲家アントニオ・ヴィヴァルディによって作曲された、12曲から成るヴァイオリン協奏曲集《和声と創意への試み》 (Concerti a 4 e 5 "Il cimento dell'armonia e dell'inventzone") 作品8の内、第1集すなわち第1曲から第4曲までの「春」「夏」「秋」「冬」に付けられた総称である。ただし、ヴィヴァルディ自身による命名ではない)なのであろうか。  
 僕は「冬のソナタ」を見て、本編「春のワルツ」を見始めている(「秋の童話」と「夏の香り」はまだ見ていない)のだが、その観を深めてきている。「秋の童話」と「夏の香り」も最初の数話でひとまわりして話の新たな展開が用意されるなら、たぶん、そう見て間違いないのだろう(ヴィヴァルディの四季(ヴァイオリン協奏曲集の第1曲から第4曲まで)も最初の数分で全体の構図が用意される。あとはそれぞれの文節やデフォルメが繰り返されて進行する<僕の主観です>)。


 全20話でちょうどひとまわりした形で新たな始まりのステージが用意されたのはこの「春のワルツ」が第5話、「冬のソナタ」は第3話だった。
 「春のワルツ」ではソウルの思い出の市場でチェハが、「冬のソナタ」ではチュンチョン(春川)の街中でユジンがそれぞれ意中の人を見かけて追いかけるシーンが出てくる。場面は違うが設定は似ている。
 もう少し説明を加える。
 たとえば「冬のソナタ」のキム・ユジンはソウルへ出てポラリス(北極星)という設計事務所を立ち上げる。
 ユジンが山で道に迷った時、チュンサンが探しに来てくれた。チュンサンは彼女に言った。
「道に迷った時はあのポラリスを目印にすればいい。ポラリスはいつも同じ場所で輝いている」
 チュンサンを忘れられないユジンはイ・ジョンアらと立ち上げた事務所に「ポラリス」と名づけた。共同で立ち上げた事務所に「ポラリス」と名付けられたのはユジンの彼への強い思いを示すものでもあるだろう。
 「春のワルツ」ではウニョンが思い出の市場を拠点に、軽トラックでアクセサリーの店を出している。この地を彼女にこだわらせるものは何だろう。気持ちの表層は日々をたくましく生きようとする若い娘の向日性に彩られているが、心のずっと奥ではスホとの切ない記憶の断片が眠っているに違いない。たい焼きのエピソードに見られるように、彼女はスホに恋していたのだ(その実相はつかみづらいが、自分に対し喜怒哀楽を本気でぶつけてきたと感じる子は彼女にとってスホしかいなかったということかもしれない。一方、スホにとっては自分の我がままを必死で受け止めようとするウニョンをいつのまにかかわいいと感じるようになっていっていたようだ。ウニョンは死んだとの養父のたくらみ乃至つくり話でスホは絶望し養子になる決心をしたようだが、それがなければ幼いながらもウニョンを守っていこうとの強い意志や感情が引き離される頃のスホには芽生えていたようである)。
 
 このドラマ第5話は過去を巡ってひとまわりしてきたステージが新たな出発の装いをすることになる。
 この回のラスト、チェハが無我夢中でピアノを弾き鳴らすシーンがある。
 部屋に入ってきたイナは、息をのむようなピアノの音色と激しさにソウルでのコンサートに賭ける彼の情熱を感じて嬉しくなるが、そうではなかった。
 チェハはここで何も知らないまま夢中で習い覚えたピアノへの憎悪や悔恨をぶつけていたのだ。自分を騙して養子にし、ピアノを習わせ、アメリカへ連れていった養父に対する怒りを表現していたのだ。
 ウニョンは生きていた。それをチェハは実際に見、確認し、帰ってきた。病院では死んだとのあいまいな記録だけが残されていた。そこに養父の企みがあったことをチェハはおそらく感じ取ったのだ。

 若くして名声を獲得しているチェハのようだが、ピアニストとしての彼はどうなっていってしまうのか。ウニョンとはどういう始まり方をする? 複雑なトラウマを抱えたチェハは昔のスホへと素直に戻っていけるのか。

 それにしてもハン・ソイという子はかわいいな。「春のワルツ」というドラマを支えられるかわいさだ。
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