韓国ドラマ「ただひとつの愛」第5話(エピソード2)
〇主な登場人物
イ・ヨンソ(シン・ヘソン)
キム・ダン(エル)
チ・ガンウ(イ・ドンゴン)
クム・ニナ(キム・ボミ)
チョン・ユミ(ウ・ヒジン)
フ(キム・イングォン)
チェ・ヨンジャ(ト・ジウォン)
クム・ルナ(キル・ウネ)
パク・グァンイル(イ・ファリョン)
キ・ジュンス(イ・ジェヨン)
他
第5話(エピソード2)
ヨンソの口から思わぬ言葉が飛び出し、ダンの顎は外れかかった。それくらい拍子抜けした。
「連絡が取れないと思ったら―こんな姿で、いったい何を…」
「”こんな姿”って…」
外れかかった顎と表情を戻したダンは、ヨンソの勘違いが自分の心配を逸らしてしまっているのに気付いた。
つまりは絶体絶命のピンチも消え去ったことになる。
ダンの表情はほころんできた。
「では、これで失礼します」
気分よく一礼する。
しかし、出て行こうとしたらヨンソの手に羽を掴まれた。
「これ脱いで」
「えっ?」
「早く。今すぐ脱いで」
ヤバい。そういうわけにいかない。
「離してください」
ダンは逆らった。どうしても従うわけにいかない。ヨンソの手から強引に羽を引き離そうとする。
そう言われたら、性格上、ヨンソも引かない。
「脱ぎなさい」
「やめろよ。離してくれ」
こうなるとどちらも意地っ張りだった。
「脱ぎなさいってば」
「手をどけないと脱げないよ」
「いや、私が脱がせてあげる。変態も一緒に直してあげる。目障りだし気味が悪いのよ」
「何だって!」
ダンはヨンソの手首をつかんだ。身体ごとヨンソをソファに押し付けて言った。
「こんなに大きくて美しい羽が目障りだというのか?」
ヨンソは下からダンを睨み上げた。
「今、タメぐちを利いたわね」
「こんな時にどうでもいいだろ、それは」
「あなたは雇われてる身よ」
ダンはそっぽを向く。
「雇用や契約や甲乙しか頭のない人には―どうせ美しいものなんて分からないよな」
「言いたいことはそれだけ?」
「まだある」ダンは叫んだ。「これは目障りなんて、言われる物じゃないんだ。ほんと、根性のひねくれた人なんだな」
ヨンソは言葉を失った。傲慢な表情も消えた。
それに気づいてダンもヨンソから手を放した。彼女をちらと見て出ていってしまった。