雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「ただひとつの愛」第5話(エピソード1)





韓国ドラマ「ただひとつの愛」第5話(エピソード1)



〇主な登場人物
イ・ヨンソ(シン・ヘソン)
キム・ダン(エル)
チ・ガンウ(イ・ドンゴン)
クム・ニナ(キム・ボミ)
チョン・ユミ(ウ・ヒジン)
フ(キム・イングォン)
チェ・ヨンジャ(ト・ジウォン)
クム・ルナ(キル・ウネ)
パク・グァンイル(イ・ファリョン)
キ・ジュンス(イ・ジェヨン)



第5話(エピソード1)


 ダンは訊ねた。
「大丈夫?」
 ヨンソは頷いた。
「ちょっと待って」
 ダンはヨンソを抱き上げた。
 彼に身を委ねて何の抵抗も感じない自分がヨンソは不思議だった。
 ガラスの破片で足の裏を血染めにしながら、ダンはヨンソを抱いて歩いた。
 肩に腕を回し、ヨンソは大人しくダンの顔を見つめ続けた。


「今のは何の音だ?」
 車から降りて傘を広げたガンウは、邸内の大きな物音に怪訝そうにした。


 ダンはヨンソを部屋まで運んできた。ソファの上に身体をおろした。
 ヨンソはダンがふいに現れ、自分を助けたのが不思議でならない。
 黙ったままのヨンソにダンは訊ねた。
「具合でも悪い?」
 ヨンソは黙ってダンを見つめている。不思議過ぎて彼女の耳には何の言葉も入っていかない。
「顔が」
「…」
「赤い。熱があるのかな」
 ダンは額に手を伸ばそうとする。
 ヨンソはハッとして顔を逃げる。
 ひと呼吸おいてダンを見つめ直した時、ヨンソはダンの背に白い羽があるのに気付いた。
 ヨンソの目線でダンも気付いた。ヨンソを助けだすのに夢中だったが、天使の羽を出したままだったことに…。
 ダンは我に返った。立ち上がった。


 ヨンソも現実に戻って訊ねた。
「これは何なの?」
 ダンは答えられない。
 ヨンソは冷たい表情に戻った。
「何なのか説明して」
「羽です」
 仕方なく答えた。
「あなた、まさか…」
 ダンは後ずさりする。
 そんなダンにヨンソは顔を近づけた。
「まさか…」
 ヨンソは自力で立ち上がった。
 ダンの腹を指でつつき、実体を確認した。
「寄らないで」
 ダンはさらに後ずさりする。
「…?」
「ケガをするから」
「信じられない」
 ヨンソは繁々とダンを見て、徹底した凝りように感心する。
 ダンは観念した。
「説明するから驚かないで」
「結構よ。変態って説明など聞きたくもない」



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