昨日の日記ではアレコレ書いたものの、何だかんだ言ったって自分の生まれ故郷だからね、上越:高田ってのは。住んでいた県営アパートやその周囲を散策したときはかつての思い出が走馬灯のように甦ったし、古い家並みはやっぱり大好きだよ。
その町並みにある飴屋:高橋孫左衛門商店の初代が「粟飴」を製造したのは寛永元年(1624)というから、江戸時代初期にまで遡る。
四代目が寛政2年(1790)にもち米を原料にした淡黄色透明な水飴を製造することに成功して一躍、全国に名を轟かせたというから、大変な老舗だわ。
この店に飾ってあった新聞記事によると甘党の昭和天皇の大好物で、日に3度召し上がられ、病状悪化で食べものを口にされなくなってから、最後の召し上がりものになった・・・という(崩御直後の新潟日報)。
「東海道中膝栗毛」の著者、十返舎一九も長野:善光寺に参詣後、高田城下に入って5日間滞在し、その間にこの飴屋でもてなしを受け(文化11年:1814)、それを道中記「金の草鞋」に書き残している・・・と店で貰ってきた資料にある。味?特別おいしいもんじゃ…っていうか、こういう味のものなんじゃないの。
若井敏明『平泉澄』(ミネルヴァ書房)読了。皇国史観の教学に勤めた歴史学者として悪名高い反面、中世史の研究者として評価の高かった異端の歴史学徒についてまとまった評伝を第三者が物にしたのは初めてじゃなかろうか。やや難解なものの、実に面白い一冊だったよ。
“悪名高い”と言えば、戦国時代の武将で思い浮かぶのは、“梟雄”として名高い松永久秀だろうけど、オレだったら、篭城していた場内から逃げ延び、信長に妻子以下、一族を皆殺しにされながら、一人生き残った荒木村重が真っ先に思い浮かぶ。さっきアマゾンのマーケットプレイスで届いた黒部亨『荒木村重 惜命記』(講談社)は村重を題材にした数少ない小説だ。一見して面白そうだな、と思う。果たして読む時間あるだろうか。
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