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かつてのプロレスブームの牽引者の一人だった「週刊プロレス」編集長が、著作の中でベースボールマガジン社の稼ぎ頭である自分たちプロレス記者が社内で、いかに低く見られていたかってことを何度も書いている。なにせ、週刊誌で、実売20万部売ったのだ。僕は「ゴング」派だったから、「週プロ」は、月一回買うか買わなかったくらいだったけれども、それでも、コンビニや書店で発売日に飛ぶように売れていくのを見ていたから、“ブーム”ってのは、目に見えて分かった。
でも、所詮は“日蔭者”である。シュート活字が唱えた<プロレス市民権>なんてものは、永遠のたわごとに過ぎないわけである。ってことは、本書には関係はないのだけれども、僕は、そういった日蔭者のジャンルで書き手をしてるライターや編集者が出した本のちょっとしたコレクターだ。
例えば、風俗関係に代表される“それ”は、読んでいて実に面白い。だけど、この本はちょっと色合いが違っている。暴力団専門のライターなのだ。
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暴力団関係の記事を載せる雑誌と言えば、「アサヒ芸能」「週刊実話」「週刊大衆」の御三家がすぐに思い浮かぶ。と、同時に、誰が買うんだこんな雑誌?って誰しも思う。個人の趣味や嗜好に関するものなら、マニア層が存在する。
オタク対象のものだったら、いくら不況でも手堅いマーケットだ。暴力団雑誌なんて誰が買う?
この本に答えはない。ただ、“当事者”である暴力団が、記事にいろいろとクレームを付けてくるから、<その筋>が固定読者であることは確かだ。そうした相手を取材するのだから、当然、親しくなるためにいろんな手練手管を使うし、法に触れるスレスレのことをする。
その辺の駆け引きに関する記述は、読んでいて実に面白い。当然、書けないことも山のようにあるはずだ。相手との“信頼関係”で、得た情報をうかつに漏らせば、警察はもちろん、対立した組織に格好の情報を与えることになってしまう。
まぁ、その世界に“魅せられた”ものでしか長くライターを務められないことは確かだ。本書で、覚せい剤を密売する組織のことをその筋では“薬局”って呼ぶとは初めて知ったし、取材先から、編集部に戻った際に、著者の机にこんなメモが貼られていた記述には思わず笑った。
「用件=PM4時。●●組の▲▲様より電話有り。内容=殺すぞ」(P.104)
(850円+税、文春新書 2011.2)
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