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総括と展望・・・生協2020年ビジョン

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 もう、時効だから書いても良いだろう。

 2008年の1月に起きた中国製冷凍餃子事件。全国の生協が引っくり返るような騒ぎが起き、ひたすら、お詫びと説明を続けながら、思っていたことが一つあった。日本生協連の会見が行わた際に、

 「この会見では、供給者である日生協の責任が明確にされず、トップも登場しなかった。しかも輸入商社と一緒だったので、責任を回避しようとするような姿勢が感じられた(中略)大分あとになってから、会長が会見に出てきて謝罪し原因究明を約束したが、あまりにも遅すぎた」(下山 保『異端派生協の逆襲 生協は格差社会の共犯者か』同時代社 P.13~14)

 そう、あれだけの事件であるにもかかわらず、日生協のトップが長い間姿を見せなかったことに僕は、ずっと不信感を抱いていた。どのくらい“お隠れ”になっていたのかは分からないけど、表舞台に出てくるまでにかなりの時間があったと思う。

 事件を検証する「カンブリア宮殿」に出演したのは覚えているけど、とにかく、そのことへの怒りは長い間収まらなかった。

 問題はそれだけじゃない。会長である山下俊史氏は今でも現職にある。あれだけの不祥事の最高責任者であるにもかかわらず辞職をしない。本来だったら、直後の会見に出席し、謝罪し、説明責任を果たし、事態の収拾を図った時点で、生協を去るべきであったのだ



 その山下会長が、先の2月18日の衆議院予算委員会でTPP参考人として、意見陳述を行っている。8分間の動画を見て呆れかえった・・・余りの中身のない官僚的な発言をだらだらとする姿に、僕は皮肉にも、“山下くん”が、表に出なくて良かったと変に納得してしまった。

 「こんな奴が謝罪したら、世論を敵に回す」ってね。

 その日本生協連が「2020年ビジョン」を作っている。かなり力も入れていて、専門のサイトもある。第二次案についても、さっき読んでみた(全文)。

 全国から、意見集約して、練り上げたものだという。ふーん、それでこんな程度なんだ。

 まぁ、現場の職員は忙しくて読んでいないだろうし、これを作る意味がどこにあるのかって思う程度の代物。いや、キレイ事は書いてあるよ。だから、そこに書かれてることが悪いってわけじゃない。ただ、感想は、「過去の総括がなくて、こうありたいってことを並べただけの絵にかいたモチ」・・・それだけ。

 将来のビジョンを描くのであれば、現在がこうで、未来こうありたいっていう希望を並べるだけじゃ意味がない。過去の方針を総括して、その原因と責任の所在を明らかにして、教訓化して、方針を作る。それがまずあるべきもの。



 いわて生協のOBである加藤善正氏はこう書く(「2020年ビジョン」への私の意見と提言

 肝心の組合員の生協への利用結集や運営参加は大きく後退し、店舗事業の赤字の拡大、損益構造の悪化は顕著に現れている。「強靭な生協づくり」は失敗に終わった、という厳しい「総括」抜きにして、2020年をめざすかつてないような厳しい環境変化に打ち勝って、新ビジョンに描くような「ありたい姿」が実現するのであろうか。

 こうした極めて厳しい状況を打開するとしたら、厳しい主体的な自己分析、文字通り構造的な弱点や体質的な欠陥など、科学的な手法も活かしながら何よりも組合員目線での厳しい「総括」が求められる。日生協の体質ともいうべき「総括」を軽視・回避したままでは山積する問題の解決はますます難しくなる

 長年、日生協総会で厳しい意見を言い続けてきた加藤氏の文章は全部引用したいくらい。

 加藤氏によれば、

「日生協は「グローバリゼーションは人類の長年の希望であり、世界平和に貢献し人びとを幸せにする」と言い、グローバリゼーション礼賛に終始した。そして、「グローバリゼーションによりもたらされるメリットを組合員に提供するのが生協の使命」とまで言い切り、安価な海外商品のCO・OP商品化に大きく舵を切った。私は、冷凍餃子事件はこうしたグローバリゼーション礼賛路線の中で生じたものであることを指摘してきた」

 ・・・だそうである。凄いな日生協。グローバリゼーションは人類の希望で、そのメリットを提供するのが生協の使命なんだと。

 経団連の会長でも言わないぞ。そこまで。なるほど、そこまで言い切るなら、TPPに対して何も言えないはずだ。いや、本音は賛成かもしれん

 まぁ、そこまで言うならそれは良いとしよう。でも、そうであれば、改めて言おう。消費者団体の看板を下ろして、経団連に行きなさいと。

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コメント一覧

haikyotansaku
http://black.ap.teacup.com/niwatori/
山下会長も、本音では出たくなかったんじゃないでしょうか。ただ、時間を稼ぐために内容の無いことを喋る。極端な話、肯定でも良いんですよ、自分の意見を喋って欲しかった。

輸入農産物や工業品が入ってきて、デフレになった時に生協に何が出来るか。価格勝負の消耗戦で戦えると思ってるんでしょうかね。

国会に出たこと自体、日本生協連のサイトに一切記載がないんですね。別に強硬な反対論を唱えろとは言いません。連合会としての意見が持てないことが大問題です。

完全に官僚組織で機能不全に陥っていますね。情けない限りです。
もこみち
衆議院予算委員会でTPP参考人として、意見陳述した内容は・・・「何が言いたいの?」って感じだね~~。
他の経営トップを見るともう少し自分のポリシーというか意見というかそういうのがあるはずだけど。ないね。
TPPに対し意見もないようでは、今後そうなっときに対応できる組織運営なんてできないだろうね。お気の毒に****
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