Waterfalls Blog

The Blog of "Waterfalls: Taka's Hemisphere"

MR.CHILDREN / DOME TOUR 2005 “アイ・ラブ・ユー”

2006-08-31 | DVD Review
Mr.Children(=以下ミスチル)は、2005年9月にアルバム『I ♥ U』を発売した後、2005年11月12日の大阪ドーム公演を皮切りに全国5大ドームにて全10公演を行い39万人を動員しました。この『MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 “I ♥ U”~FINAL IN TOKYO DOME~』DVDは、そのツアー最終公演となった2005年12月27日の東京ドームでの追加公演の模様をほぼ全曲完全収録したもので、ライブ本編約162分に加え、約36分のスペシャル映像特典も収録した、198分に及ぶDVD2枚組の大作となっております。

実は、私、この最終公演を観に行ったのですが、当日会場に入ってまず驚いたのが、そのカメラやスタッフの数の多さでした。実際、今まで、BSライヴの撮影と重なったことはあるのですが、比較にならない多さでした。事実、ライブ収録としては最大規模のクルーを動員していたそうで、カメラも40台(HD25台、FILM5台、DV10台)使用したそうです。その中には、空撮用の自動カメラもありまして、ドームの天井にワイヤーで吊るされていて、本当に凄かったです。

また、ステージ・セットも、さすがにドーム・ツアー用というだけに、大規模なのは言うまでもありませんが、洋楽の大物アーティストのスタジアム・ライヴのステージ・セットと比べても、少しも遜色なく、さすがは日本を代表するロック・バンドだけあって凄いな、と素直に感動しました。

しかしながら、このライヴでは、4人のメンバーがまったく対等の関係で一体となって生み出す、ミスチルというバンドのダイナミックなバンド・サウンドに、何よりも感動し圧倒されました。正直、今まで、私はミスチル=桜井和寿というような認識でいました。しかし、ライヴを体験して、その認識が誤りであることを思い知らされました。実際、桜井和寿(Vo)、田原健一(G)、中川敬輔(B)、鈴木英哉(Dr)の4人が笑顔でアイコンタクトしながら、サポートメンバーのSunny(Key) 、河口修二(G)、浦清英(Key)と共に繰り広げるバンドとしての息の合ったアンサンブルの一体感には目を見張るものがありまして、正直、完全に引き込まれてしまいましたし、そこからは、現在のバンドとしての最高に良い状態が垣間見えました。

とにかく、何を隠そうこれが初の邦楽アーティストのライヴ体験でしたし、しかも、最初にして洋楽アーティストのドーム公演参加歴も含めても過去最高のドームクラス会場でのアリーナど真ん中の最前ブロックの前から数列という超プレミア席で観れたということもあり、いろんな意味で一生忘れることの無いメモリアル・ライヴとなりました。

因みに、このDVDの監督は丹下紘希で、40台のカメラでシューティングされた120時間にも及ぶ膨大なフッテージを約2ヶ月かけて1曲づつ編集し、リアルで深みのある質感と映像美を徹底的に追求したというだけに、単純なライヴ・ドキュメントDVDというよりは、一つの映像作品として再構築されています。ただ、結果として、ライヴでは感動的だった「Hallelujah」「and I love you」というライヴ本編の最後のメドレーの曲間が実際より長めに編集されていたりとか、MCがばっさりカットされていたりとか、桜井和寿アコースティック弾き語りコーナーでの「名もなき詩」の前に少し歌った「思春期の夏~君との恋が今も牧場に~」のカット等、再構築の結果、完全収録ライヴDVDとしては少々残念な結果になっている点もあります。

また、このDVD、今回のツアーのセット・リスト自体がそうなのですが、「Tomorrow never knows」のような大ヒットした名曲が入っておらず、アルバム『I ♥ U』の収録曲中心の構成となっていますので、万人受けする魅力があるかというと、正直難しいと言わざるを得ません。しかし、代表的なヒット曲や懐メロ的要素が少ない分、「今」を生きているバンドとしての魅力は最大限に引き出されていると言えますし、そういう意味では、どちらかというと、ミスチルの音楽のファン向けのDVDと言えると思いますが、現在進行形のバンドとしてのミスチルの魅力をとても実感できる作品となっていますので、ライヴに行ってなくてもアルバム『I ♥ U』が好きな方には、是非とも観ていただきたいです。特に、最後の最後には、この最終公演のみのスペシャル・ゲストとして、ミスチルのプロデューサーの小林武史が登場して、第46回日本レコード大賞受賞曲「Sign」を一緒に演奏する場面もあり、結果的には、「Door」を除くアルバム『I ♥ U』収録曲全てがこの最終公演では演奏されており且つ全て完全収録されておりますので。

最後に、公式サイト内のこの『MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 “I ♥ U”~FINAL IN TOKYO DOME~』DVD特設サイトでは、「LOVEはじめました」は45秒、「Monster」「Worlds end」「未来」の3曲はフルで試聴可能となっておりますので、是非ともチェックしてみて下さい。

Peter Cetera with Amy Grant / Soundstage

2006-02-20 | DVD Review
2003年、Peter Ceteraは全米各地のオーケストラとの共演で夏から秋にかけて7年振りとなる全米ツアーを行いましたし、今年2006年も、1月から散発的ながら全米各地のオーケストラとの共演での全米ツアーを約3年振りに再開しました。そのツアーに先駆けて2003年7月17日に行われたのが、このPBSのthe WTTW studiosでのSoundstage公開収録で、まさにシンフォニー・ツアーの初日と言っても過言ではありません。

さて、このPeter Cetera with special guest Amy Grantによる『Soundstage』DVDですが、2003年10月16日のユタ州 Salt Lake City にあるAbravanel HallでのPeter Ceteraのライブの模様を収録したDVDと異なり、Peter Cetera本人が公認している現時点での唯一のライブDVDということで、画質、音質、編集とも最高ですので、マニアな方でない限り、買うなら絶対こちらがお薦めです。(実際、私自身、2003年8月8日にオハイオ州KetteringにあるThe Fraze PavilionでPeter Ceteraのライブを観たのですが、その時の印象にもっとも近いのが、この公認盤『Soundstage』DVDの雰囲気であり、音質ですので。)勿論、先の非公認盤DVDも、演奏順にコンサートの模様を、The Beatlesの「Lady Madonna」を除く全曲完全収録していたり、他にも18分ものインタビューや「No Explanation」のリハーサルの模様も収めていたりと、マニアなファンにはたまらない内容となっていますが、如何せん、本来は棚上げになってたものだけに、画質や音質、編集は粗く、折角の素晴らしいシンフォニー・コンサートの雰囲気や音の良さが、正直、ちゃんと伝わってこないので、マニアなファン以外にはお薦めしたくない代物です。

因みに、この『Soundstage』DVDの一番の見所は、「The Next Time I Fall」でのAmy Grantとの共演の模様ですが、勿論、それだけではなく、個人的には、全てがハイライトと感じる、まさにPeterのベスト・オブ・ベストな(3曲のボーナス・トラックを含む)全12曲であり、まさに集大成ライブのような映像作品ですので、是非ともチェックしてみて下さい。(もっとも欲を言えば、画質、音質、編集とも最高なだけに、収録漏れの演奏曲も全てボーナス・トラックとして追加して、完全版で出して欲しかったですけどね。)

注1)こちらで紹介しているDVDは、PBSにて放送後2003年末頃に先行発売されたPBS限定発売盤となりますが、日本の一般の輸入盤店等で取り扱われているDVDは、2005年1月11日に全米でKoch Visionより装いも新たに、Amy Grantの前座の3曲「Baby Baby」、「Simple Things」、「El Shaddai」を合わせ、全15曲で一般発売されたものとなります。因みに、私の家のDVDデッキではいずれも再生可能でしたので、リージョンフリーと思われます。尚、一般発売盤の商品情報については、こちらから参照ください。

注2)2003年8月8日のオハイオ州KetteringにあるThe Fraze Pavilionでのコンサートの私的レビューをご覧になりたい方は、こちらより参照下さい。

注3)こちらで紹介しているDVDは、PBSにて放送後2003年末頃に先行発売されたPBS限定発売盤となりますが、2006年5月6日よりPeter Cetera Dot Com - The Official Websiteのマーチャンダイズショップからも購入可能となりました。

注4)2005年1月11日に全米でKoch Visionより装いも新たに、Amy Grantの前座の3曲「Baby Baby」、「Simple Things」、「El Shaddai」を合わせ、全15曲で一般発売されたものと同内容の日本盤も、日本語字幕やライター金澤寿和氏による解説が付いて、2007年1月24日にバップより発売が予定されています。詳しくは、こちらから参照ください。

Peter Cetera / Live In Salt Lake City

2004-08-08 | DVD Review
2003年、Peter Ceteraは、全米各地のオーケストラとの共演で、夏から秋にかけて、7年振りとなる全米ツアーを行いました。Peterにこのツアーを行うきっかけを与えたのは、このDVD内のインタビューでも本人が語っている通り、2002年9月14日にシカゴのエアリー・クラウン・シアターで開催された、ロナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ主催の「世界子どもの日」募金活動支援コンサートで、デイビッド・フォスターをピアノで伴って、オーケストラをバックに大ヒット・メドレーを歌った事だったとのことで、そのあまりの心地よさから、その後オーケストラとの共演ツアーのオファーがきた時に、受け入れたとのことです。実際、私自身、2003年8月8日にオハイオ州KetteringにあるThe Fraze Pavilionでのコンサートを観た際にも感じたことなのですが、Peterのクリスタル・ボイスと呼ばれる透明感のある澄んだ声は、オーケストラによるゴージャスなアレンジに、見事にマッチしていると思います。

さて、このDVDですが、2003年10月16日のユタ州 Salt Lake City にあるAbravanel HallでのPeter Ceteraのライブの模様を、The Beatlesの「Lady Madonna」を除く全曲完全収録したもので、他にも18分ものインタビューや「No Explanation」のリハーサルの模様も収められており、今回のシンフォニー・ツアーをそのまま丸ごとパックしたような内容となっております。

このDVDの見所としては、全てと言っても過言ではないと思いますが、このDVDに先駆けPBSより放送後昨年末頃に発売された、2003年7月17日にシカゴで収録された今回のシンフォニー・ツアーの初日である『Soundstage』の模様を収録したDVDと異なり、演奏順にコンサートの模様をほぼそのまま収録している点が挙げられると思います。実際、『Soundstage』DVDではカットされていた、 観客にジョークを飛ばしたりバンド・メンバーとコンタクトを取り合ったりするシーンも、そのまま収録されてる点は、素晴らしいと思います。

因みに、個人的には、「After All」でのCherをからかったKim Keyesのパフォーマンスが、そのまま収録されているのが、嬉しかったです。実際、2003年8月8日のオハイオ州KetteringにあるThe Fraze Pavilionでのコンサートでも、同様のパフォーマンスをしていたのですが、PBSの『Soundstage』DVDではそのパフォーマンスは見られなかったので。(もっとも、その曲自体は収録されてます。)あと、実際のライブの時同様に、とりわけKim Keyesの予想以上に見事な声量と声域に圧倒される「Feels Like Heaven」も、PBSの『Soundstage』DVDでは収録漏れとなっていただけに、今回、こうして収録されていて嬉しかったです。あと、何よりも一番のハイライトは、シカゴ時代を含め、初めてのライブ演奏となった「Remember The Feeling」が、取り上げられるきっかけとなったBill Champlinからの助言のストーリーのコメントも含めて、収録されている点だと思います。何せPBSの『Soundstage』DVDでも収録漏れとなってただけに、本当に感涙モノだと思います。

勿論、これらはほんの一部であり、個人的には、全てがハイライトと感じる、まさにPeterのベスト・オブ・ベストな全17曲であり、まさに集大成ライブのような映像作品ですので、ファンには申し分ない作品だと思いますので、是非ともチェックしてみて下さい。

因みに、今回のレビュー内に出てきた「世界子どもの日」募金活動支援コンサートの模様を収録した『World Children's Day』 DVDは、こちらからのみ今でも購入可能ですし、Amy Grantとの「Next Time I Fall」での共演の模様が収められている『Soundstage』DVDについても、こちらからのみ今でも購入可能ですので、一般の輸入盤店等で買えるブラジル版『Live In Salt Lake City』DVDと共に、興味のある方は、それらも購入してみてください。また、2003年8月8日のオハイオ州KetteringにあるThe Fraze Pavilionでのコンサートの私的レビューをご覧になりたい方は、こちらより参照下さい。


注1)日本の一般の輸入盤店等で取り扱われているDVDは、ブラジル版となりますが、こちらで紹介しているものはオランダ版となります。因みに、オランダ版はPAL方式と明記されてますが、私の家のDVDデッキでは再生可能でしたので、実際は、完全なリージョンフリーと思われます。オランダ版の商品情報については、こちらから参照ください。


注2)その後、こちらで紹介しているオランダ版と同内容のカナダ版も、『Peter Cetera Live!』というタイトルで、日本の一般の輸入盤店等で取り扱われています。


注3)2004年9月6日付で、Peter Cetera本人が、Salt Lake City公演を収録したDVDは非公認である旨、公式に発表しておりますのでご注意下さい。尚、現時点では、その公式発表は、www.petercetera.comのPC SPEAKSにて直接ご覧になれませんので、下記に転載させていただきます。

~~~~~~~~~以下転載~~~~~~~~~~

09.06.04
Another thing!....People keep asking about what is an authorized CD or DVD.....ON the DVD thing, the only one that's authorized is the PBS one...Iv'e never authorized the final SLC one ,so as far as IM concerned it isn't.....As far as CD's,the ones on the site are real... I've seen certain ones around that aren't, including a certain greatest hits that used to be on the old site... Other than a few single songs on soundtrack CD's here and abroad I can't vouch for anything else...See Ya...pC


注4)Amy Grantとの「Next Time I Fall」での共演の模様等が収められている『Soundstage』DVDについても、その後、2005年1月11日に全米でKoch Visionにより一般発売され、日本の一般の輸入盤店等でも取り扱われています。


注5)2005年3月11日付で、Peter Cetera本人が、Salt Lake City公演を収録したDVDについて、あるファンからの質問に答える形で、現時点では、完全に違法とまでは言えない“semi-legal product”ではあるが、pC本人は最終段階でOKは出しておらず、pC本人が発売を了承したというプロデューサーの主張は嘘であり、本人の知らないところで商品化されたものである旨、改めて発表しておりますのでご注意下さい。尚、現時点では、その公式発表は、www.petercetera.comのPC SPEAKSにて直接ご覧になれませんので、下記に(一部省略して)転載させていただきます。

~~~~~~~~~以下転載~~~~~~~~~~

Q: whats the true story on the" SLC- DVD" and that new "Faithfully CD"...IM confused as to the authentication of both...

A: Both of these are what I would call semi-legal product...In the case of the SLC DVD, the claim by the producer, that I OK'd the final product is of course bogus at best....Do you REALLY think I would have given my final approval to a solo work, who's package wording includes.. 'Former lead singer with CHICAGO"..Neither do I!..It's very hard to authenticate, approve or give my blessing, to something that I've never seen or in the first instance,finalized...My very high priced lawyers are working on the legalities of these issues as we speak...It's a shame that in this business, we always have to go through this kind of thing with these kinds if people...


注6)2005年3月31日付で、Peter Cetera本人が、Salt Lake City公演を収録したDVDについて、あるファンからの質問に答える形で、下記旨、本音を吐露しております。尚、現時点では、そのコメントは、www.petercetera.comのPC SPEAKSにて直接ご覧になれませんので、下記に転載させていただきます。

~~~~~~~~~以下転載~~~~~~~~~~

The SLC DVD was a GREAT show ruined by a very bad recording and a lousy video..


注7)こちらで紹介しているオランダ版と同内容の日本版も、日本語字幕が付いた『ライヴ』というタイトルで、2006年4月28日にハピネット・ピクチャーズより発売が予定されていましたが、メーカーにより生産中止となりました。

注8)2007年11月21日よりPeter Cetera Dot Com - The Official Websiteのマーチャンダイズショップや公演会場にて『Timeless - The Symphony Tour』というタイトルで、Salt Lake City公演を収録した“公認”盤が発売されています。