米Amazon.com、DRMフリーのMP3ダウンロード販売を開始

　米Amazon.comは25日、MP3フォーマットのDRMフリー楽曲をダウンロード販売する「Amazon MP3」の公開ベータテストを開始したと発表した。

　同社はDRMフリーのダウンロード販売市場に参入することをかねてから公言しており、実際クローズドベータテストを行なっていた。今回、公開ベータテストが始まったことによってベータテスト参加者に対してすべての機能が公開され、楽曲を購入できるようになった。

　なお、Amazon MP3で提供されている楽曲は、状況によっては日本国内からダウンロードできる場合があるものの、購入画面では「Amazon MP3の御購入は米国の消費者に限定されています」との表記があるため、注意が必要だ。

　Amazon MP3で販売される楽曲はDRMフリーのMP3フォーマットであるため、AppleのiPodやMicrosoftのZune、携帯電話のRAZRや携帯端末のBlackberry、その他PCやMac上の再生ソフトなどで制限なく再生することができる。また、CDにも何回でも書き込むことが許されている。

　Amazon MP3は2万を超えるメジャー／インディーズレーベルと提携し、18万以上のアーティストによる200万曲を取りそろえた。楽曲の値段は89セントから99セントで、200万曲のうち半分以上は89セントに設定されていると説明する。特に上位100曲は注記がない限り89セントで販売されるという。アルバムは5.99ドルから9.99ドルで販売され、上位100アルバムは注記がない限り8.99ドルで販売される。販売される楽曲ファイルは256kbpsでエンコーディングされている。

　米国のAmazonアカウントを持っている場合、Amazon MP3で1楽曲をダウンロードする場合は即座にファイルをダウンロードできるが、同社では「Amazon MP3 Downloader」をあらかじめダウンロードしておくことを推奨している。このソフトはWindows Vista/XP、Mac OS Xに対応している。ソフトに設定することによって、ダウンロードした楽曲を自動的にiTunesかWindows Media Playerのライブラリに読み込んでくれる。特にアルバムを購入する場合には、Amazon MP3 Downloaderが必要となっており、アルバムに含まれる楽曲のダウンロードを設定し、ライブラリの中にフォルダを作成して楽曲を保管してくれる。

　DRMフリー楽曲のダウンロード販売ではAppleの「iTunes Plus」が先行している。AppleとAmazonは今後同じ市場で競合することになるが、追いかけるAmazonは積極的な価格設定を行なっているようで、人気のある楽曲ではiTunesよりも安く購入できることがあるようだ。大手レコード会社で楽曲を提供しているのはDRMフリー楽曲を提供することを表明した英EMIと、一部DRMフリーにすることを発表しているUniversal Music Groupであり、今後どれほど拡大していくかが注目されそうだ。

■ Source: INTERNET Watch