陸屋根(りくやね・ろくやね)の陸とは水平の意で、ほとんど勾配のない(実際には1/100内外の水はけのための勾配がついているんですが・・・)平らな屋根をいいます。この平らな屋上のスペースにより洗濯物や布団干し場、空調の室外機や太陽光発電モジュール、物置の置き場、家庭菜園等屋上緑化も楽しめます。陸屋根は平たい面に周囲に縁状に立上って(パラペットといいます)いて、水を受ける(或いは貯める)お盆或いは子供用のプールのような構造の屋根ですから、階下に雨を漏らさないために床面と立上り面は雨を通さない被膜が必要になってきます。その被膜を防水層(或いは単に防水)といいます。
陸屋根の階下で雨漏りがする場合は、この防水層のどこかが破損していて漏るというのが一般的です。ですから
1.防水層の破損個所の特定とその
2.発生原因を掴む
という2点が雨漏り修理の肝です。破損個所の特定が出来たとしてもその発生原因を見つけだし断たなければ、次々に同じ理由でほかの箇所が漏りだします。
まず防水には押えと露出の2種類があります。押えとは、防水層を保護する為にコンクリートやモルタル、平板ブロック等(押え層といいます)を防水層の上に設置している工法をいいます。保護されている分、露出防水層よりも耐久性は上なんです。(通常15年~20年、管理が適切ならもっと)一方、露出とは読んで字のごとく防水層が露出している。むき出しの状態であるということです。多くは露出アスファルト防水(砂付ルーフィング仕上げ)、塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート防水、加硫合成ゴム系ルーフィングシート防水、ウレタン塗膜防水、FRP防水等があります。耐久性は短くて7・8年通常10~13年、管理が適切で15年位です(小社社内データ) でも露出防水は防水層が露出していますので、押え防水より「防水層の破損個所の特定」が簡単で管理が容易です。今日は露出防水の露出アスファルト防水の雨漏り修理のコツをご案内します。追ってその他の工法もUPしたいと思いますが、・・・・・いつのことになるやら。(-.-)
◆ご参考 → 星の数ほどある防水工事の工法から現場に最適な工法を選定する一覧表
【まずココでご注意!】
露出防水ということは原則、非歩行仕様です(ベランダやバルコニーは歩行ですが)。と、いうことは手摺もなく、パラペットも低いので屋上や庇に上がられる場合、落下や墜落に特にご注意ください。雨上がりはたまり水等で屋上は大変すべりやすくなっています。梯子や脚立にはすべり止めをし、滑り止めのしっかりした運動靴等を使用し、スリッパや草履では決してあがらないでください。何となくあぶないなぁ~と直観されたら調査を中止し、専門屋さんに頼む(堺市お住まいの方は例えば小社)とか、伸縮棒を使ってデジカメで行けない部分の画像を撮影するとかして、危ないことはやめて下さい。お怪我されたら雨漏り所ではありません。
◆ご参考 → 雨漏りの原因を調べる最も簡単な方法
アスファルト防水はアスファルトを溶融釜で加熱溶融し、合成繊維不織布にアスファルトを含浸させたアスファルトルーフィングを補強材として2層以上積層していく工法で実績も信頼度も最も高い防水工法なのですが、近頃、この工法の一級職人さんが高齢化でしょうか?あんまりみかけません。では、アスファルト防水層の最上層、砂付ルーフィングの砂は何の為にあるかといいますと、流し込んだアスファルトとルーフィングに含侵したアスファルトを紫外線から守るためにあります。ということは、ご想像通り、保護砂が流失したら済し崩し的に劣化が加速されます。もし仮に瀝青質が全部流失したら(それはあり得ませんが・・・)タダの大きな黒い紙風呂敷です。
防水が紙風呂敷化してしまう最初の兆候は保護砂の流失です。水下(みずしも:排水口側)に砂が妙に溜まってませんか?その砂は風の飛散でやってきた砂も多少ありますが、殆ど砂付ルーフィングの保護砂です。次の症状はルーフィングのジョイントのクチアキです。アスファルト防水はシート防水と違って複層積層を旨としますから、ジョイントの口開き即漏水とはなりません。が、漏水の一番玄関であることには変わりありません。
点検の際、特によくある
1.立上り際などのルーフィングのクチアキ
にはゴムアスファルトシーリング材を充てんしておきましょう。また表面の
2.ルーフィングの裂け目
にはもちろん、アスファルト防水層と何か取合う部分、例えば
3.フックやアイボルト、手摺支柱等周り
にもゴムアスファルトシーリング材を充てんしておきましょう。
また、
1.ドレン(排水口)廻り、
2.瀝青質分が明らかに滅失してしまって箇所
3.防水上、雨仕舞の難しい出入隅角、架台
にはゴムアスファルト系塗膜防水材を塗布しておきましょう。この時、ゴムアスファルト塗膜防水材は一回でたっぷり塗るのではなく、薄く何回も分けて塗るのが丈夫なゴムアス被膜を形成するコツです。と、ここまでが一般的な応急補修です。
以上までの補修記録を業者さん(アスファルト防水の改修実績が豊富な防水工事業者、例えば堺市内では小社とか)に見せて正式な見積りを徴収して下さい。きっと業者なんもお施主様の適切な維持管理にビックリして襟を正してしっかり見積もると思います。ははーっ
つづき!
露出アスファルト防水補修材で いいのがありました!!!
メルトシート状の本格的なアスファルト防水補修材です。
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