「認知症になっても展」というのは、
なっても大丈夫なんだということを主張したいのでしょう。
2040年、認知長がピークになる時代に向けて
認知症の患者さんとの共生を目指したものです。
行政は、その対策のために、さまざまな試みをしています。
認知症カフェや、認知症サポーターの普及もその一つです。
私は興味のあった
関口祐加監督の「毎日がアルツハイマー」の上映会とトークショー
そして
濱島秀介さんの「こころをつなぐ音楽療法」に参加してきました。
そこで興味深かったことは、
認知症介護の世界で、「パーソン・センタード・ケア(Person Centred Care)」というものでした。
パーソン・センタード・ケアとは、
イギリス生まれの臨床心理士、故トム・キットウッド氏が提唱した認知症介護の理念。
認知症患者の個性や人生、尊厳としっかり向き合うことで、
介護施設や介護者中心ではなく、“その人を中心とした最善のケア”をめざすものです。
夜間に徘徊する人、女性からのケアを嫌がる男性など、
背景には、その人なりの意味があり、そこを見極めて一人一人のケアを行うもの。
なんだか、日本の全委員一緒に折り紙や塗り絵をするデイサービスとは全く違うものなのです。
私が高齢になっても、デイサービスの塗り絵やカルタに参加できるかどうかと
思っていましたが、その人の立場に立ったケアは、
これからの日本にもぜひ導入してもらいたいと思いました。
また、音楽療法は、保険では認められてはいません。
濱島さんは、訪問医療センターの中で月2回雨量のサービスとして
音楽療法を提供しています。
東京にもあると患者さんも家族も大きく変わると思いました。
ですが、残念なことに、認知症予防についての考え方は皆無です。
アメリカではリコード法が提唱されています。
せめて日本でも認知症の遺伝子検査が保険診療に組み込まれれば
予防する考え方も普及できるのではないかと思います。
認知症は予防できる時代になっているのです。