先日、家族みんなでご飯を食べに行くのに
私が運転して向かっていたのだが
気づいたら
「あれ？ 私どこに行こうとしてるんだっけ？」
すっかりボケ老人状態で（よくある…）
完全に道をまちがえて遠回りをし
みんなから大バッシングを受けていたところ
うしろからボソッと
Rさんだけが
「ママ、大丈夫だよ。」
と天使のような言葉を掛けてくれた。
普段は憎たらしいこともたくさん言うけれど
私にはとても甘く優しいRさんなのである。
Rさんは泣いている人がいると
必ず声をかけ、ティッシュを持っていくなど
困っている人を放っておけない性格。
こういった優しさは
Rさんの生まれ持った特性なんだと
いつも感心し、見習わなければと思っている。
朝、早起きをして
誰もいない時間に誰にも邪魔されず
好きなことをしたいRさん。
自分で朝ごはんも作りたい。
昨日の残り物をレンジでチンして
炊飯器からご飯をよそい（ないときは冷凍ご飯をチン）
それを２つも３つも出したお弁当箱に詰める。
そして、わざわざご丁寧にお弁当用の箸と袋に入れて。
お弁当箱ってなぜかお皿より洗うのがめんどくさい。
忙しい朝は、とにかく洗い物は楽に済ませたい
そんな親の心は完全に無視。
昔はお弁当箱に入れると
嫌いなものも残さず食べるというマジックがあったが
最近はそれも薄れてきて残念である。
なんならシートも広げて
毎朝お弁当を食べたいと密かに思っている
Rさんである。
出かけるとき
必ず何かを持って行かないと気が済まない。
筆記用具やノート
携帯電話（おもちゃや使っていない携帯）など。
そしてそれをすべてショルダーバッグへ。
これはデイサービスのスタッフさんが
常に付けて働いているのがカッコよくて
憧れているのか
どこへ行くときもどんな場合でも
これを持っていく。
そしてしばらくすると
「持って～。」と言い出す…。
私たちはそれがわかっているから
「今日は持ってこなくていいから！！！」
と強く念を押し、説得するけど
いくら言ってもきかない。
彼なりに必要性があるらしいが
私たちにはなかなか理解できないところである。
こういうこだわりの強さが
Rさんだなぁと日々感じている。
祖父母の家に録画してあった
「日本の祭り」という番組に
安来節（どじょうすくい踊り）があって
それをいつも食い入るようにみていた。
あるとき、お盆をもって
どじょうすくいを踊り始め
そのおどけた表情やしぐさが
Rさんのキャラとマッチし、家族親戚から
大歓声を浴びた。
のちに、安来節の師範といわれる方と出会い
本格的にどじょうすくいを教えてもらうこととなる。
人に指図されるのが苦手なRさんだが
先生の指導は素直に聞いて
きちんと踊れるようになってきた。
コロナの騒ぎがなければ
舞台に立ち公演する予定であったが
残念ながら、それはいまだに叶っていない。
いつか先生と舞台に上がれることを切に願っている。
毎日同じYouTubeを観て
笑って
歌って
踊って
しゃべって…。
どうしてそんなに飽きずに観られるの？
ちなみに、
絵本も毎回同じことものを
飽きずに読みます。（読まされます…。）
こっちはもうその音を聞くのすら
耐えられない！！
毎日毎回、新鮮に物事をみることが出来る
その能力がうらやましい。。。
ドラえもんのキャラクターの中で
一番好きなのはジャイアンである。
Rさんは
正義よりも悪を好む傾向がある。
その中でも
「メカジャイアン」がお気に入りである。
「メカジャイアン」とは
ジャイアンを倒すにはジャイアンを…と
のび太とスネ夫が
作ったロボットのことだが
ジャイアンとメカジャイアンが戦ったあと
ふたりは手を取り合い、仲良くなってしまい
のび太とスネ夫が
「オレたちはとんでもないものを
この世に造りだしてしまったのかもしれない。」
…と言って終わるんだけど
Rさんはこのストーリーが好きで
何度も見てはメカジャイアンになり切っている。
誕生日奉行のRさん。
とにかくお誕生日会が大好き。
何が好きって
やっぱりケーキのろうそくを消すのが
一番の楽しみ。
さんざん違う人のろうそくを消し続けてきたRさん。
自分の誕生日は、さらに盛大にしたい。
うちはいつもケーキは手作りで（買うと高いから）
白いクリームのケーキがいいとリクエストしてきた。
がんばって手作りしたケーキ。
みんなで歌って念願のろうそくを消して・・・。
盛り上がったあと、さぁ食べようとなったとき
「ぼくは食べない。」
「え…？」
「ひと口ぐらいは食べてよ。」
「いやいや いらない。好きじゃないから。」
あんなに白いクリームでって言ったのに。
Rさんは甘いものも、くだものも苦手。
それでも、必要なアイテムは外さない。
雰囲気を大事にするのが奉行なのだ。
私がYouTubeで観ていた
『夏の終わりのハーモニー』が
気に入って
何度も何度も観たので
メロディも歌詞も覚えて
RさんはYouTubeのカラオケで
歌っていた。
…わすれ〜ず～に〜♪
と言う歌詞があるのだけれど
なぜかそこを
わすれ〜じゅうに〜（12）と歌い
片方の指1本、反対の指は２本（ピース）の形にして
その部分がくるたびに 12と歌う。
どこかオリジナリティーを醸したいRさんなのだ。
テレビを買い替えたら
リモコンに音声機能なるものが
付いていた。
滑舌の悪いRさんは
なかなか聞き取ってもらえず
AIに何度も違う情報を差し出され
苦戦していたが
だんだんお互い意思疎通ができたのか
これのおかげで
Rさんが自由にYouTubeを
検索できるようになった。
いいのか悪いのか
何とも便利な時代だね。
『誕生日奉行のテーマ』
たんじょう日会が 好きなのさ〜♪
おいわいするのが 好きなのさ〜♪
だれのケーキでも 関係ないのさ♪
ろうそく消すのが 好きなのさ〜♪
仕切るの大好き 司会もね♪
電気を消して 火を灯もす♪
みんなで歌って 盛り上げて♪
主役じゃないのに 火を消すよ♪
家でお酒を飲んでヘラヘラしているパパに
「この酔っぱらいがっ！！！」
と罵声を浴びせる。
誰かにパパを紹介するときは決まって
「酔っ払いパパです。」
もしくは
パパが骨折してからは
これが定着してしまい
「足が痛いパパです。」が付け加えられる。
パパの骨折したレントゲン写真を見てからというもの
病院で先生のパソコンに
レントゲン写真が映っているのを見ると
先生や看護師さんに
「パパがとびおりて、あしをどーんして、足痛いパパ。」と
身振り手振りで説明し
誰彼かまわず情報をリークしている。
整形外科の受診をするたびに
きっと彼は言い続けるのであろう。
いつからか
私のことを『美人ママ』と
呼ぶようになった。
どこでそんな言葉覚えたの？って聞くと
「クレヨンしんちゃん」と答えた。
確かに当時、しんちゃんからいろいろなものを吸収していた。
どこでもかしこでも
『美人ママ〜』と呼ぶので
その場にいた方たちが
『いいねーっ。美人って言ってもらえて』
とうらやましそうに言うので
私は半分恥ずかしくて
『そうですね』と
はにかみながら答えていた。
それからずっとこの呼び方で
しまいには短縮されて
『びじん〜』
とだけ言うようになってきたので
「さすがにもうその呼び方やめて！」
と言った。
「ねぇ、美人ってどういう意味かわかってる？」
今さらだけど
つい聞いてみたら
「こわい…。」
「はっっっ？」
思わずもう一度聞き返したが
同じ答えが返ってきた。
はぁーーーーーーーっ？？！
いやいやちょっと待って…。
あんた、今まで私のこと
『こわいママ』って呼んでいたわけ？？！
美人って呼ばれて
ヘラヘラしてた私のこと
どう思っていたの？！
それからも人前で
「美人ママ」と呼んだとき
表では笑顔を作っていても
振り返ったら
般若の形相になっていることは
言うまでもない…。
音読の宿題で
「ねこはなんとなきますか。」
R『にゃお〜ん』
「いぬはなんとなきますか。」
R『わんわん』
と調子良く読んでいたが
「おんどりはなんとなきますか。」で
おんどりが理解できなかったのか
R『クソがき、クソがき』
とふざけて言ったので
みんなが一斉に
「にわとりなんだから、コケコッコーでしょ！！」とツッコんだ。
はい、もう一度やりなおしっ！
「おんどりはなんとなきますか。」
R『・・・おにごっこ〜〜っ！！』
「？？？？・・・・。」
「！！！！！！！！！！」
一同大爆笑。。。
んーっ そう来たかっ！
でも面白かったので合格！！！
隙があれば
私のスマホに入っている
「写真みたいーっ かしてーっ」
と言ってくる。
自分が写っている写真や動画だけを
何度も何度も見るのである。
しかも汚ったない手で。
いつもRさんが触ったあとは
何となく画面が澱んでいる…。
今日もまた
「ねぇーっみせてーっ
Rくんのおもいでばるばむー」
ママ大好き～っと言いながら
すり寄ってきては
スマホを横取りしていくのだ。
アスパラは
家族みんなが大好き。
特にアスパラベーコンは人気。
Rさんはなぜか
アスパラのことを
アスパライッテキューという。
はじめは
全く意味がわからなかったけど
よくよく聞いたら
「世界の果てまでイッテQ」
とが一緒になっているようだ。
なぜ？？？
