ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇ 読了 『ベルリン1933』(上下巻) クラウス・コルドン著 酒寄進一訳 岩波少年文庫

 

 3日間で上下巻を読了。 
 特に下巻は、読んでいる最中、胸が詰まり、胸が苦しくなり、途中で、気分転換が必要なほど、重苦しいものだった。

 作中に描かれる通り名や広場など、ベルリンを何度も訪れ、風景が浮かんでくる。

 『ベルリン1919』の主人公ヘレと、今回の主人公ハンスは兄弟で、彼らが住んでいる住所は、墓所のはずだと思いながらも、フィクションだからかと思っていた。
 翻訳者酒寄進一氏の訳者後書きの最後の数行で理解した。
 著者のクラウス・コルドンは、アッカー通り37番地は100年以上前から墓所であったことを承知で、ここを主人公たちの住まいのあるところとしたようだ。

 

 第一次世界大戦終結あたりから物語が始まり、そして今回はヒトラーが出てきたあたりを描いている。

 ドイツの苦しみの時代だ。

 3部作の3番目『ベルリン1945』は、6月に出版されるという。

 ドイツの、人びとの、苦しみや悲しみや、慟哭は、計り知れない。

 頭の中も、胸も、いっぱいだ。

 やるせない。

 読み終わって直後の感想。

 

 

 

 

 

 

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