3日間で上下巻を読了。
特に下巻は、読んでいる最中、胸が詰まり、胸が苦しくなり、途中で、気分転換が必要なほど、重苦しいものだった。
作中に描かれる通り名や広場など、ベルリンを何度も訪れ、風景が浮かんでくる。
『ベルリン1919』の主人公ヘレと、今回の主人公ハンスは兄弟で、彼らが住んでいる住所は、墓所のはずだと思いながらも、フィクションだからかと思っていた。
翻訳者酒寄進一氏の訳者後書きの最後の数行で理解した。
著者のクラウス・コルドンは、アッカー通り37番地は100年以上前から墓所であったことを承知で、ここを主人公たちの住まいのあるところとしたようだ。
第一次世界大戦終結あたりから物語が始まり、そして今回はヒトラーが出てきたあたりを描いている。
ドイツの苦しみの時代だ。
3部作の3番目『ベルリン1945』は、6月に出版されるという。
ドイツの、人びとの、苦しみや悲しみや、慟哭は、計り知れない。
頭の中も、胸も、いっぱいだ。
やるせない。
読み終わって直後の感想。