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ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇ 真夜中の台所   父の実家の禅寺の匂いするおでん

深夜、おでんを作る。

なんとなく、おでんと、グラタンを食べたいような気がしていたので、どちらにも対応できるように食材えお準備してあった。

しかし、なぜか、おでんの食材が頭から離れない。

それで、ついに真夜中の台所、という次第になってしまった。



かすかに右端で、ゆで卵を作っているの鍋のはしっっこが写り込んでいる。



現在は、この段階で、

味見をしてみたら、なにか、懐かしい匂いがする。
なんだろうと一瞬、考えた。

そっこー、思い出した。
父の実家、祖父の禅寺の匂いである。

禅僧の祖父が亡くなって、55年ぐらい経つ。
それでも、匂いというのは、記憶のひだにしっかりとのこっていることに、深夜、なによりも、ちょっと感動した。

祖父は禅寺に幼児期に養子に入り、大学で哲学を学び、禅僧になったが、思うにアナーキストではなかったかと思えてならない。
祖父は、老後、お寺を出奔し、その人生の殆どを清流で漢詩を読み、山菜を食し、雲水のような人生を送っていたようで、時たま、ふらりと、私の家にも現れた。
私の父は、祖父とは真逆な人で、極めて現実主義的なテクノクラートの技術者だったから、祖父とは生涯、理解し合うことが亡かったように感じる。
私が中学生の時、82歳で亡くなったが、祖父の持ち物は、数冊の本と痰を吐く壷だけだった。

深夜の台所で思い出したこと、でした。

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