NHK大河ドラマの『真田丸』を視ていて気付いたことがある。
草刈正雄が演じる真田昌幸が、息子たちと談義する居室のインテリアである。
天井からのぶら下がり物。
鹿の角でしつらえた刀掛けなど。
そして昌之の毛皮の衣装。
『真田丸』で描かれる他の戦国武将の居室と、まったく異なる、その異質性。
獣臭、ムンムンなのである。
これらの映像を見て、思い浮かんだ本がある。
信州、諏訪は茅野出身の建築家、藤森照信の著作である。
そして、数年前、藤森照信の著作を携えて、訪ねた、茅野。
神長官守矢資料館。
私は、この藤森照信を読んで、縄文時代から続く諏訪の信仰を知った。
建築家藤森は、この守矢家の末裔と幼なじみの友人だという。
その縁、古代からの信仰を継承してきた資料などを展示っする神長官守矢資料館を創った。
守矢家は、千年以上前から、諏訪大社の神長官である。
(神長官守矢資料館)
古代神話まで戻ってしまうのだが、この諏訪は出雲系の神と伊勢系の神がまさに激突したエリアだという。
それ以前の土着の信仰は、現在も守矢家に継承されている狩猟民のミシャクジ信仰である。
ミシャクジの素朴な祠には、御柱も建っている。
大河で、狩猟民の将、真田昌幸のこの、居室を視るにるつけ、嬉しくなる。
伊勢の静寂。
出雲のダイナミズム。
まったくこれらと異なる、縄文、狩猟民の、守矢家が継承してきた世界観が、大河ドラマの映像に、殆ど一瞬なのだが、繰り返し描かれており、一人私は得心するのである。
草刈正雄の演技は、『美の壺』とは、イメージがまったく違って、まさに縄文人の生き様を感じさせてくれる。
これだけで、なんか、ちょっと、三谷、やってくれるかも、なんて思えてしまう。
(神長官守矢資料館の展示物)
ね、ほら、
獣臭、ムンムンでしょ。
<余談1>
藤森照信って、東北大学工学部建築学科で、私の大好きな小田和正と同級生なんです!!
<余談2>
藤森照信を知ったのは、おおよそ40年ほど前であろうか。「アサヒジャーナル」に、「明治の洋館」なる写真とエッセイを掲載していのである。その時に、面白い研究者がいるなと思ったのがきっかけだった。それで、知ったのは、明治の日本の監獄の多くを設計していたのは、ジャズピアニストの山下洋輔の祖父であったことが、判明したことだった。あれは、びっくり驚きの話しだったなぁ。
当のご本人、山下洋輔も、かなり、驚いたらしいけれどね。(その後、その監獄で、コンサート、やっています。)
『図書』に、阿川弘之が、まさか、時任三郎が、あの志賀直哉が書いた、あの時任の子孫だとは、と書いていたことと同じぐらいの、私にとって、大センセーショナルな話しでした!
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