夏風邪

　夏休みをあとわずか３日残した８月の終わりに、風邪を引いた。学童クラブを２日休んで、始業式にはどうにか無理やり完成させた宿題を抱えて出たが、その日の避難訓練・引き取り訓練の際ゲリラ豪雨に遭い濡れたことも祟ったか、その夜から熱も上がり、咳がひどくなってきた。昼間は比較的何でもないのだが、夜になって横になると、ぜんそくまがいの咳の発作に悩まされる。どうにか寝ついたかと思うとまた何時間かして、咳き込んで起きる。壁にもたれたりして上体を起こしているとそのうち治まるが、横になって寝ようとするとまた、咳。私ばかりでなく父殿母殿も俄然睡眠不足の色が濃くなり、食欲も落ちた。食べたいものといえば果物と、トマトやキュウリなどの野菜、あとは飲み物くらいである。

　月曜日になっても容態は持ち直さず、新学期早々お休み。その後も熱は次第に下がったが、咳込み、特に夜のそれはいっかな鳴りをひそめず、夜通しろくすっぽ眠れない日が続く。やむなく、次の日もその次の日もお休みの連絡を入れてもらい、結局一週間まるまる、休んだ。このようなことはかつて保育園に通っていたころから通して初めてである。日々、日中は元気だけは出るものの、何をする気にもならず食欲もなく、テレビを見たりうたた寝したりしながら過ごす。あんまりにも咳が止まないのでお医者さんを替えて診てもらったら、治りかけてはいるがマイコプラズマ肺炎の可能性もあるとかで抗生物質に類した薬ももらってきて、どうにか夜起きる回数も減って、今週からはどうにか学校に行けそうである。

　暇にまかせて、猫のチャペルとは日がな遊んだりケンカしたりしていた。咳き込んで苦しんでいたりするとそっとよってきて、寄り添っていてくれたりする。なかなか優しい奴である。チャペルは気のおもむくままに家の中のあちこちを歩き回り、静かで涼しそうな場所を見つけては寝ているが、このところお気に入りの場所の一つがトイレのタンクの上、手洗いの水の流れるシンクである。体がすっぽり収まって落ち着くようで、追い払わなければいつまでも気持ちよさそうにしている。