チャペルとゴールデンウィーク

　今年のゴールデンウィークは前半３連休に後半４連休、どちらもたっぷり群馬のばあばの家で過ごした。天気にも恵まれ申し分の無い黄金週間であったと言える。すっかり旅慣れた？猫のチャペルも無論前半後半とも、同行である。

　まず前半の３連休は、バイクで出かけた。風が入らないように毛布で覆ったハードキャリアを今回も父殿のセローの荷台にしっかり結わえつけ、母殿のエリミネーター後部座席の定位置に納まった私と並んで、好天の下元気よく出発した。はじめのうちは信号で停車する度に出たがってミャーミャーと盛んに鳴いていたが、そのうちにエンジン音にも慣れておとなしく寝ていた。板橋四葉のコメダ珈琲でモーニングを食べて、新大宮バイパスを抜け、その後やや渋滞があったが熊谷バイパスに入ると俄然流れは良くなり、一気に群馬まで走りぬけられそうだった。が、次第に東風、向かい風が強まってきて、ただでさえ大荷物で表面積が大きくなっているものだから、風に流されないように車体のバランスを保って走るのにかなりの労力を要した。母殿は後に、ニーグリップに力が入り過ぎて筋肉痛になったばかりか、首を痛めた。道の駅おかべで長い休息を取り、お昼御飯も済ませて再度出発、バイパスを抜けるとまた車の流れが悪くなったこともあり、いつもよりかなり時間がかかってようよう祖父母殿の家に到着。すでに何度も訪れているこの家ではもうチャペルももの怖じすることなく、やれやれといった面持ちで伸びをして、水をたっぷり飲んで、お気に入りの椅子に登って丸まって眠った。

　　　　　　　　　　

　翌日は母殿と父殿二人で、車をお借りしてお出かけ。利根川べりで母殿がスケッチをする傍らで父殿は寝ころんで本を読み、そのあと下仁田まで足をのばし「きよしや食堂」という知る人ぞ知るカツ丼の名店でお昼を食べたり南牧村の道の駅を訪ねたりされたそうだ。残った私は、祖父殿に相手をしてもらって、榛東村のふるさと公園に連れて行っていただきミニ鉄道に乗ったりアスレチックに挑戦したりして思う存分遊んで大いに満足した。祖父殿に駆けっこを挑んだら、私の方が断然早くて、祖父殿も私の成長ぶりに感嘆しきり。夜、父殿が出先で見かけて買ってきたケララカレーという、リンゴや色んな種類の香辛料を加えて作るカレーをこしらえた。３日目例によって私とチャペルは祖父殿の運転する車で途中の上尾まで送っていただき、身軽になったバイクで来る父殿母殿と合流、またしてもコメダ珈琲店で朝ごはんを食べて東京に帰る。帰ってもまだ日は高くて、南牧村の名産？であるとかで父殿が買ってきたフリスビーを持って公園に出かけていっぱい遊んだ。

　連休後半戦はチャペルに配慮して、バイクでなく電車で出かけた。前日の２日夕方から学校を終えた私と母殿が先行して出かけて泊まって、父殿は翌朝の始発でチャペルとともに追いかけてきて合流した。母殿も朝早くから起きて父殿の到着に合わせて出かけたが、この日も私は味をしめて祖父母宅に残り、好きなようにテレビを見たりゲームをしたり、じいじとばあばに遊んでもらったりして過ごした。代わりにチャペルは家には寄らずに、そのまま父殿と母殿に連れられて一日あちこちに出かけた。川べりでお弁当を食べ、母殿がスケッチにいそしむ間チャペルも原っぱで風に吹かれて過ごし、テトラポット伝いに水面をのぞきこみながらおっかなびっくり川を渡ったりした。夕飯、父殿はコロッケ作りに挑戦。いくつかは油の温度を見誤ってパンクしてしまったが、まあまあおいしく食べられた。夜、温泉に行く。

　　　　　　　　　　

　４日土曜日は父殿母殿とともに私もドライブに参加してお出かけ。先日訪れた際に売り切れで買えなかったという、「とらおのパン」という南牧村のおいしいパンを目当てに朝早くから出て、念願通りゲット。そのまま県道をたどって長野県側に抜けようと試みるが道がずいぶんと細く曲がりくねっていて落石などもありそうなので途中で引き返し、下仁田町から国道２５４号で長いトンネルを抜けて長野県にちょっと足を踏み入れたりして、澄んだ空の下、目にしみるような新緑と美しい山々と谷川のの景色を満喫する。その後また下仁田までもどって、例の「きよしや食堂」に私も連れて行ってもらってラーメンを食べた。この日は観光客がずいぶんと押し寄せていて、かなり並んで待って食べた。おじさん、おばさん、おばあさん、三人で切り盛りしているようだが、文字通りてんてこ舞いで次々に来るお客さんをさばいていたが、ついには、用意していたカツ用の肉が終わってしまったので少し時間かかります！と待っているお客さんに宣言していた。帰ってから祖母殿も一緒に、また温泉に行く。母殿達が出てくるのを待つ間、村の皆さんが気合いをこめて歌うカラオケの様子を楽しく眺め、盛んに拍手したりしていた。夜、父殿はやや趣向を変えて中華料理を作る。私もお手伝いして。粉をまぶした豚肉を揚げてみたりする。クック・ドウのレトルトのタレを使うのでじつのところさほど手間はかからないのだが、酢豚、エビのチリソース、バンバンジーと３皿並べたら見かけもなかなか豪華で、祖父母殿にも好評であった。チャペルも部屋のそこいらのをかぎまわり、何でも爪を研ぐのに使ってみたりしてリラックスして過ごしている。

　５日、父殿と母殿と祖母殿とで朝から温泉へ。私も誘われたが残って、しばらく一人で遊んでいたがそのうち飽きて、祖父殿にせがんで車に乗せてもらって別の温泉に出かけ、さらにまたふるさと公園に連れて行ってもらって遊ぶ。リュックに入れて携えてきた「公文式」の宿題も前日までにすっかり済ませたので大威張りで遊ぶ。その間に父殿たちは一度帰ってきて、翌６日休日出勤の予定がある父殿は先にチャペルを伴って帰宅。私は母殿と残って、都合４連泊、祖父母宅でのんびりと過ごし、いっぱい遊んでもらって、大いに充実した連休となった。