その日は飛行機雲がたくさん出ていて、しかも長く長くどこまでも続いてた。
痛い!寒い!ま、ま、枕はどこ〜手を伸ばして辺りを探っても、枕がない!布団もない?
それにしても冷たい!
寒さと冷たさで目を開けて、うん?なに?えっ?どうして?
トイレの中で私は目を覚ましたのだった。
何が何だか分からないけど、とにかく顔が痛いし、汚いだろう〜急いで立ち上がった。
痛い顔は、どうも擦り傷になってて、押さえた指には血がついたし、ズキンズキンするおでこは腫れてる。
ふらふらと居間まで行き、コタツに横になる。
うううう〜寒っ!
コタツにどっぷり浸かって、はっきりして来た頭で考えた!なんだ?なんで倒れてた?何があった?
ヒリヒリズキズキする顔の左半分を、小さな保冷剤で冷やしながら〜考えてみた。
そっか!トイレへ入ったんだ〜用を済ませて立ち上がったよね?パンツ履いたよね???
そう、そこから記憶がない!もしかして失神した?みたいだ。
どのくらいの時間倒れてた?数分?いやっ!数十秒?トイレに行くのにいちいち時計を見るわけじゃなし…
冷静になれ〜思い出すんだ〜わたし!
それにしても、痛い!恐るおそる鏡を覗けば〜ワオ〜ってだれ?顔は血だらけの腫れまくり〜四谷怪談かい?
取りあえず、寝よっと!静かに寝たい!!!
何時間が過ぎた。
自分が失神した事の恐怖が、今頃私をドキドキさせてて、怖かった。
うう〜トイレに行きたい!げど怖い!だけど漏れそう、、、、勇気を出してトイレへ
そうそう目を閉じなければいい〜しっかり目を見開いてればいい〜トイレのドアは開けておこう
そうこれでいい!
無事に終わり狭いトイレを見渡せば、スリッパが便器の隅にあっちこっちとバラバラに落ちてる。
よそう、今は何もせずに静かにこの場を立ち去ろう。
そして、またコタツに横になった私は、眠りについた。
どのくらい眠ってたのかな?お腹が空いたのと、ほお骨の擦り傷が痛いのと、頭がガンガンして来て目が覚めた。
ああ〜なんて事だろう〜他人事で耳にした「失神」とやらが、我が身に襲いかかるとは、、、
コタツに潜ったまま、手探りで携帯を引き寄せ、久し振りの番号を押した。
「もしもし〜生命保険に入りたいから、適当に見つくろって資料を送って!」
「どうしたの?私的には嬉しいげど、何かあった?大丈夫?」
「いいから、とにかく急いで手続きして!」
「ハイハイ!癌はつける?取りあえずつけとこっか?ホントに大丈夫?」
私は、県民共済しか入ってないわけで、もしもの事があれば、家族が困るだろう!そうよ!急がないと!
それにしても、痛いよう〜(/ _ ; )
こうして、痛い一日が終わった。
寝よう、今日はこのまま寝よう!
その時だった!
うん?そっかあ〜そうだったんだ!!
「もしかして、わたしを殴った?」
白い布に包まれたお骨と、和かに私に微笑む大ちゃんの写真に、、、私は、声をかけた。
つづく…
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