市川在住

読んだ本の紹介に加えて,市川での暮らしで何気なく目に留まったものごとを綴ります.ご飯屋さん,街並,風景など.

助手席にて、グルグル・ダンスを踊って

2011-12-23 10:43:16 | 趣味(本・映画・音楽etc.)
伊藤たかみさんのデビュー作にして,第32回文藝賞受賞作.

高校3年生の主人公のひと夏とちょっとの間を描いた青春群像作品.

この作品は最後に語られるせりふにまとめられていると思う.

「世の中はグルグル、グルグル、回っているでしょう?
 だけどキミみ回っているの。みんなでグルグル回っているのよ。
 忘れないでね、自分も回っていることを。

 (中略)

 キミぐらいの年にはずっと悩んでいた。今でも時々そんな不安を思い出すの。
 だからそのたびに私は回転するのを止めてみようかと思う。
 だけど、やっぱり止められないわ。私の回転だもの。
 私だけの、愛しい回転だから。
  それが分かれば、私たちはずっと幸せになれる。
 そんなに、難しいことじゃないのよ、幸せになるのって。
 良い時も、悪い時も、回っていなさい。
 恋をしている時も、怒りに震えてる時も、いつも回っていなさい。
 そして、きっと目を開けているのよ。
 どんなに目が回りそうでも、しっかり開けていなさい。
 私たちのするべきことって、たったこれだけなんだから……」

助手席にて、グルグル・ダンスを踊って
伊藤たかみ
河出文庫

人気ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿