ふちなしのかがみ

踊り場の花子　　　　　　　　野生時代2008年09月号
ブランコをこぐ足　　　　　　野生時代2006年12月号
おとうさん、したいがあるよ　野生時代2008年01月号
ふちなしのかがみ　　　　　　野生時代2007年02月号
八月の天変地異　　　　　　　野生時代2008年11月号

以上５編の短編小説集．

後書で辻村さんは語ります．

『都市伝説、コックリさん、おまじないや占い。
　幼いころに遊んだ気がする、見えない友達。
　小学生の頃。大人たちから、「そんな怖いものばかり
　よむんじゃありません」と何度注意されたかわかりません。
　だけど、それでよかったと感謝しています。見てはいけない、
　振り返ってはいけないと禁じられた甘いお菓子を食べることほど、
　楽しいことはありません。（中略）
　これを読んでくださっているあなたが、できれば今、
　後ろめたい気持ちでありますように。読んだら、夜きっと
　思い出してトイレにいけなくなってしまう。明日も早いんだから
　もう寝ないと。勉強もせずに読書しているとお母さんに怒られる。
　そんな「いけないこと」を抱えながら、それでもやめられずに
　最後まで読み上げてもらえるのが、私が思う、
　理想の読書のかたちです。』

ふちなしのかがみ
辻村深月
角川書店