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【#デイリー新潮】「軍艦島」世界遺産登録に取消要求した韓国 個人攻撃された「女性センター長」が反論

2020-07-07 02:45:23 | コラム
 時事通信は6月23日、「『軍艦島』取り消し、検討要請 韓国外相、ユネスコに書簡」の記事を配信した。YAHOO! ニュースのトピックスにも掲載されたため、多くの読者の目に触れただろう。記事のポイントを引用させていただく。

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《長崎・軍艦島など国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」をめぐり、韓国外務省報道官は23日、康京和外相がユネスコのアズレ事務局長に対し、登録取り消しの検討を求める書簡を送ったと発表した》(註:全角数字を半角数字にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた。以下同)

 更に毎日新聞は24日、「軍艦島:軍艦島の世界遺産取り消し検討を求め書簡 韓国、ユネスコに」の記事を掲載した。文中には韓国側が取消を求めた理由が掲載されている。全文を引用させていただく。

《韓国外務省は23日、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録取り消し検討を求める書簡を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に送付したと明らかにした。東京の「産業遺産情報センター」での長崎市の端島(通称・軍艦島)に関する展示に「歴史的な事実を完全に歪曲(わいきょく)した内容が含まれる」と反発していた》

 この記事だけでは、取消を求める理由が少し分かりにくい。そもそも「産業遺産情報センター」とは何なのか。センターの展示内容が、登録取消を求める書簡とどんな関係があるのか。

 そこでまずは、これまでの経緯を辿ってみよう。2014年1月、日本政府は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を、ユネスコの世界文化遺産へ推薦することを決めた。

 この「産業革命遺産」は、19世紀後半から20世紀の初頭にかけ、日本の重工業が発展した歴史を伝えるものだ。山口県や福岡県など8県に点在し、特に知名度が高いものに、静岡県の韮山反射炉や、長崎県の端島炭鉱=軍艦島などがある。

 同年9月、ユネスコの諮問機関イコモス(ICOMOS)が現地調査を実施。翌15年5月にイコモスは8県23資産の登録を勧告した。事実上の“内定”が出たわけだ。

 だが、これに中国と韓国が反発。特に韓国メディアは、イコモスの勧告が出ると「強制徴用の産業施設が世界遺産の登録に有力となった」との記事を報じた。

 時系列は前後するが、17年7月、韓国で映画「軍艦島」[リュ・スンワン監督]が公開された。

 端島炭鉱=軍艦島で“強制労働”させられていた400人余りの朝鮮人が決死の脱出を試みるというストーリーだ。日本の識者からは「あまりに荒唐無稽すぎる」という批判の声が上がった。韓国国内でも「史実ではない」と報道され、興行成績は伸び悩んだと言われている。

 このように韓国側にとって、端島炭鉱=軍艦島は“抗日”の象徴的存在だ。政治も世論も共に、世界遺産への登録反対を叫んだ。15年5月には当時の朴槿恵[パク・クネ]大統領(68)が訪韓したユネスコの事務局長と会談、「世界遺産条約の精神から外れ、国家間の不必要な分裂を招く」と登録勧告を非難している。

 翌6月、当時の岸田文雄外相(62)と尹炳世[ユン・ビョンセ]外相(66)が都内で会談。日本の「産業革命遺産」と同じように、韓国が世界遺産の登録を目指していた「百済歴史地区」で、両国が協力することで一致したと発表した。

 7月に世界遺産委員会がドイツのボンで開催。しかし、読売新聞が「世界遺産審議先送り 日韓対立『早く収拾を』 ロビー活動 他国は困惑」と報じたように、現地でも日韓は対立状態に陥った。

韓国メディアは“攻撃”を開始
 日本も韓国の「百済歴史地区」を推薦し、21委員国の全会一致で世界遺産への登録が決定した。一方の「産業革命遺産」は、先延ばしにされた。

 しかし、最終的には7月5日、「産業革命遺産」も世界遺産への登録が決まったのだが、この際、日本はある約束を交わす。

 朝日新聞は16年7月21日、「徴用工、続く政府調査 世界遺産登録時、見学者への説明約束」との記事を掲載した。

《戦時中に朝鮮半島から動員された「徴用工」について、日本政府が初の実態調査を進めている。昨年7月、長崎市の軍艦島(端島炭坑)を含む「明治日本の産業革命遺産」が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された際、徴用工の歴史を見学者らに説明すると約束したためだ》

《調査を進めているのは昨年7月、内閣官房参与に登用された加藤康子(こうこ)氏をトップとする数人のチームだ。加藤氏は加藤六月元農林水産相の長女で、加藤勝信・1億総活躍担当相の義姉にあたる。都市経済評論家として、長年産業文化の保存活動に携わってきた》

《加藤氏と炭鉱史研究者や元検事、日韓関係史の学者らが、かつて徴用工を雇用した企業に労務管理や賃金の記録の提供を求めたり、当時の労務担当者から証言を集めたりしている。韓国在住の元徴用工から聞き取り調査も始める予定だ》

 加藤康子氏の努力は、今年3月に結実した。産経新聞が同月31日に掲載した「『軍艦島』元島民の証言など紹介 情報センターきょう設置」から引用させていただこう。

《政府が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された長崎市の端島(はしま)(通称・軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」を紹介する「産業遺産情報センター」を東京都内に設置することが30日、分かった。31日に開館記念式典を開く。軍艦島の元島民の証言動画や給与明細などを紹介し、朝鮮半島出身者が差別的な扱いを受けたとする韓国側の主張とは異なる実態を伝える》

《情報センターは東京都新宿区の総務省第2庁舎別館に設置する。先の大戦中を軍艦島で過ごした在日韓国人2世の鈴木文雄さんが生前語った「周囲の人にいじめられたことはない」とする証言など(略)動画で紹介》

 情報センターの展示内容に韓国は反発した。朝鮮日報(日本語版)は6月15日、「日本、ユネスコ合意破り軍艦島の強制労働を隠ぺい」と報じた。

《日本政府が15日、韓国人の強制労働で悪名高い長崎県の軍艦島(端島)炭鉱の真実を歪曲(わいきょく)した「産業遺産情報センター」(東京・新宿区)の一般公開を強行した。日本政府は2015年、軍艦島が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された当時、「本人の意思に反する韓国人強制労働」を認め、犠牲者を追悼する内容を含む情報センターの設置を国際社会に約束したが、それを守らなかった格好だ。展示物では逆に「韓国人差別はなかった」とする証言を紹介した》

「韓国で親日は罪」
 韓国メディアは問題視したのは、在日韓国人2世で元島民だった鈴木文雄氏の証言がセンターで紹介されていることだ。朝鮮日報の記事も相当な行数を割いている。

《鈴木さんの発言は「端島炭鉱で働いていた伍長の父を誇らしく思う」との内容だ。そのパネルには鈴木さんが「いじめにあったことがあるか」「むちで打たれたことがあるか」との質問に対し、「いじめにあったことはなく、むしろかわいがられた」「むちで打つことなんてあり得るのか」と答えたとの記述がある。「当時朝鮮人と日本人は同じ日本なので差別はなかった。虐待もなかった」という日本人の証言もスクリーンから流れた》

 更に朝鮮日報は6月22日(日本語電子版)、「軍艦島歴史歪曲展示館、センター長は安倍首相の側近」と加藤氏を“個人攻撃”する記事も配信した。

《安倍首相や官邸の事情に詳しい日本側の消息筋は「安倍首相の最側近で『ポスト安倍』とも言われている加藤勝信厚生労働相の妻の姉である加藤康子氏が産業遺産情報センターの開館準備を総括し、センター長を引き受けた」と話す。この消息筋は「康子氏の父親は、安倍首相の父親・安倍晋太郎元外相と親しかった加藤六月元農林水産相で、今も家族ぐるみで行き来するほど親しい間柄だ」と言った。加藤六月氏は1980年代に安倍晋太郎氏が首相候補に取りざたされた時、安倍派「四天王」の一人と呼ばれた。別の消息筋は「安倍首相の母親と加藤康子センター長の母親は姉妹と言われるほど親しかった。安倍首相は加藤康子センター長を妹だと思っているという話もある」と語った》

《安倍首相の一族と2代にわたって親密な関係にある加藤康子センター長が事実上、全権を握っており、今後も展示内容の是正は難しいだろうとの見方がある》

 そこでデイリー新潮は、加藤康子氏に取材を申し込んだ。今の想いを、率直に語ってもらった。まず、康京和(カン・ギョンファ)外相(65)の書簡について訊いた。

「世界遺産に選出された8県の23施設のうち、1施設でも保全に問題があるとか、実際に毀損が見つかったという理由なら、登録の取り消しを求められても仕方がありません。しかし実情は異なり、韓国政府は政治的な理由から、取り消しを求める書簡を送ったわけです。産業遺産情報センターの展示に韓国政府の意に沿わない証言が含まれていたからといって、それで遺産の価値を全否定するというのは、あまりにも感情的な振る舞いと言わざるを得ません」

 加藤氏の知人で、世界遺産の登録に協力してくれた海外の専門家も、「韓国政府の行動には問題がある」と指摘しているという。

「一般公開を行う前に韓国の東京特派員の共同取材団にセンターを公開しました。その後、多くの韓国メディアのお問い合わせをいただいておりますが、皆さん開口一番、『犠牲者(の展示)はどこですか?』と訊かれます」(同・加藤氏)

 韓国人記者が最初に“カウンターパンチ”を繰り出してきたというのだ。そこで加藤氏は、きちんと反論することにしたという。

「日本は自由と民主主義を基本とし、表現の自由が保障されている国です。これからも新しい証言はどんどん出てきますし、おじいちゃんたちが語る当時の記憶には、気に入らない証言もあるでしょうが、ありのまま掲載し公開する予定です。強制の定義が何かということは人によって異なると思いますが、韓国では、『戦時中の端島で強制労働がなかった』という証言は、歴史的事実だとしても問題だとされるようですね』」

日韓関係を改善する道
 加藤氏たちは様々な資料を集め、130人以上から証言を再録した。その結果、端島炭鉱=軍艦島で「苛酷な条件下での強制労働」を示す証拠は全く見つからなかった。韓国メディアが問題視した鈴木氏の証言収録も、様々な紆余曲折があって実現したのだという。

「現在の韓国で“親日”は罪です。在日二世の鈴木さんはそのことを分かっていながら『どうしても真実を述べなければならない』という想いから、病を押して、私たちの調査に何度も協力してくださいました。息子さんは当初『今まで築いてきたものを全部失うかもしれないから、協力は辞めた方がいい』と鈴木さんを止めたそうです。息子さんの立場なら、仕方のないことでしょう。ところが鈴木さんはたくさんのメモを書いて記憶を整理し、病院で手術を受けられた後、わざわざ病院から出てきて証言をしてくれたのです。その後も、お亡くなりになる前、息子さんに「もっと伝えたいことがある」といって、亡くなられたそうです。その覚悟を、しっかり受け止めていきたいと思います」(同)

 加藤氏は「こう言うと誤解を招くかもしれませんが」と前置きした上で、「戦前、戦中、戦後を生きてきた在日韓国人の方々は、日本を愛している方が少なくありません」と言う。

「戦後、両国がボタンを掛け違ったこともあり、率直に言って、今の日韓関係は非常に悪化しています。何より問題なのは、日本人と韓国人の間に、精神的な距離が広がっていることでしょう」

 そして加藤氏は「産業遺産情報センターが活動を積み重ねれば積み重ねるほど、向き合うことで日韓関係は是正されていくと信じています」と断言する。

「戦中、戦後を共に生きた朝鮮半島出身者との絆について、様々な角度からの質問に答えた証言をアーカイブしたのは、日韓の歴史で初めてだと言っていいと思います。今後もセンターは証言の採取や、歴史的事実の研究を進めていきます。政治的歪曲を取り除き、両国の真の姿を描き出していくことで、真の日韓友好が実現されることを心から願っています」

週刊新潮WEB取材班


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