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【#朝鮮日報】【朝鮮日報コラム】大統領がファンドを集める国

2020-09-13 17:12:44 | 新聞記事
カネではなく大統領の本分に関わる問題だ
 青瓦台で今月3日に開かれた韓国版ニューディール戦略会議は「大統領はそもそも何をする存在なのか」という基本的な質問を国民に投げ掛けた。青瓦台は同日の会議に国内の金融機関の代表40人余りを呼んだ。大統領は巨大与党の代表、経済副首相、金融委員長、青瓦台秘書陣を脇に従え、「ニューディール成功のためには金融による積極的な下支えが必要だ」と述べた。香港の証券会社はその姿が珍しかったのか、「韓国の大統領がファンドマネジャーとして乗り出した」というリポートを出した。厳密に言えば比喩が間違っている。大統領はファンドの資金を運用するファンドマネジャーではなく、ファンドの資金を集める官製ブローカーまたは互助組織の発起人として乗り出したのだ。

 その席には参加しても問題ない人物は一人もいなかった。権力であれ組織暴力団であれ、市場では力が介入したセールスのことを押し売りという。大統領を筆頭とする経済の権力府が全て参加することで、その席は会議ではなく押し売りの現場となった。呼び出された金融界関係者も同様だ。正常な金融機関だけが参加していれば、直接であれ間接であれ、彼らの中に投資に介入できる代表がいるはずがない。権力から自由になれない金融機関代表による投資介入は許容すること自体が銀行の巨大リスクになる。貸金業者でもないそれなりの金融機関ならば、代表とは分離された専門委員会を設置して投資を決定する。官治金融の弊害が露見した1997年の通貨危機以降に定着した金融界の原則だ。「積極的下支え」という発言は彼らに職権にもない介入を求めたに等しい。うち金融持ち株会社4社は採用不正で代表が文在寅政権の司法の審判台に上がった経験がある。

 青瓦台での会議直後、メディアは損失が出た場合、結局税金で元本を補填するファンドの設計を問題視した。実際にこのファンドは国家財政をテコに巨額の民間資金をかき集める前代未聞の優遇ファンドであり、投資の自己責任原則を崩壊させ、金融市場を混乱させる怪物ファンドだ。国民の税金を担保に民間資金を借りて創設する政権ファンドにほかならない。過去の政権も官製ファンドに資金を誘導したことはあった。しかし、税金を担保に元本を保証することはなかった。「カネを稼ぐにはカネが必要になる」格好でこれは投資商品と言えるのか。損益に関係なく、大韓民国の証券市場にそんなファンドが登場すること自体が問題だ。

 さらに大きな問題は大統領の本分に関する問題だと思われる。大統領がファンドの資金集めに走る姿は果たして正常だろうか。
 過去にも国の最高責任者が異例の資金集めに直接乗り出したことがあった。大韓帝国時代の高宗だ。国が崩壊していた時期に高宗は皇室機能は過去最大規模に強めた。最近の青瓦台秘書室に相当する宮内部が通貨を直接印刷し、紅参(高麗人参)を直接販売し、税金も直接集めた。海外の投資家も直接探した。その資金で炭鉱も直接開発し、鉄道も敷設した。「道統と治統を兼ね備えた超越的聖人君主」を掲げ、皇帝が市場を末端まで支配しようとしたが、事実は没落する王朝の劣等感と焦燥感がつくり出した虚像の権力にすぎなかった。結果は韓国近代史が示すそのままだ。

 君主が直接乗り出すと、当然一般庶民を相手にした無名の雑税までよく集まる。情け容赦もなく、厳しく税金を取り立てる上で皇帝の権力ほど強い後ろ盾はあるだろうか。大統領が直接乗り出せば、税金だけでなく、ファンドの資金集めもうまくいく。それでも歴代の君主や大統領がそれを避けたのはそれが彼らの本分ではないからだ。昔の歴史家は君主の本分を「英雄を抜てきすることと民心を喜ばせること」と言い、君主がつまらないことにまで乗り出すと、「道理の本末を暗くするものだ」と批判した。「英雄」に「人材」を当てはめれば、現代の大統領だけでなく、平凡な中小企業の社長にも当てはまる職分の定義となるはずだ。

 文政権が大きな政府を目指すのは仕方がない。哲学だというから。しかし、任期5年の政権の哲学を実現するため、借金400兆ウォン(約36兆円)を国民に押し付け、それでも足りずに大統領は「国民にもっと安定的な収益を可能にする」という名目で、頼母子講の資金を集めるようにファンドの資金集めに乗り出した。これは大きな政府、小さい政府の問題ではない。大統領と政府の役割を完全に別な次元に向かわせようとしている。文大統領も高宗のように自身を「道統と治統を兼ね備えた超越的聖人君主」と思い始めたのか。私には財政を駄目にした絶対権力が国民の懐に目を向け始めたようにしか見えない。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)副局長


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