私は瞑想をしておりますので滅多にないことではありますが、今回は少し心が動きましたもので、お客さまに向けてお伝えさせていただきたいと思います。設計事務所の方や工務店の方は読まないでくださいね(笑)
今回はとある設計事務所の所長さんのお話です。
【出来ないことを平気で『出来ます!』】と言い切ってしまう。
私は比較的長く存じ上げている設計事務所の所長さんです。
お客様にとりましては一生に一度の家づくり。その機会を自分自身(設計事務所の所長)の経験のために、できもしないことをできると言いきってしまう。私個人的にはそんなに生易しいことではないと思うのですが、できます!とのこと。
お客さまからしましたらプロフェッショナルの所長が言い切ったわけですから信じてしまうことは当たり前のことと思います。
しかし結果はお客さまには見えないところで建材の受発注や納期の遅れ(手配の遅れ)が発生。現場に携わる職人さんに迷惑をかけてしまっておりました。にも関わらず引渡しは決まっておりますので職人さんに無理をいうという悪循環。現場では所長への愚痴が聞かれました。
現場確認もきちんとできておらず、納まり上、課題のある現場でした。私の立場は現場がだいぶ進んだ状態からのセカンドオピニオン的に確認させていただくものでした。
自信は大切です。しかし過信はいけません。できないことはできないとお話しして、他の方の協力を得ればよい話です。
多少費用はかかるかもしれませんが、お客さまのためには、できもしないことをできると言い張り、結果、費用がかさみ工期は遅れ、安心して住める空間にならないなどはあってはならないことと私は思います。しかしその所長、いまだに自分が原因で現場が遅れていること、職人さんが迷惑していることを認めようとしておりません。そして私はできる!と言っています。経験はお持ちですか?実際に経験したのはいつどのような経験ですか?と聞くことは失礼なことかもしれませんが、大切なことです。
【どう考えても高すぎる見積】
これもできないことを出来るという話に直結した話ですが、その設計事務所は工務店機能も持っており工事を直接請け負っております。
その見積が私からしましたら疑いたくなる金額でした。図面や仕様をみせていただく限り、私の今までの経験ではそれほど素材やデザインにこだわった設計ではありませんでしたので、個人的に概算見積をしてみたのですが、その概算の4割増しの金額が提示されておりました。4割増しの原因は下請業者への発注の仕方によるようでした。
できれば同じ図面を数社に送り相見積もりをとることでその建物のある程度の費用を知ることができますが、設計施工の設計事務所さんの場合は相見積もりをさせて頂けない場合もありますね。
【過去の知識に固執して改めようとしない】
技術は進歩します。昔の技術に固執するあまり、それが高くついてしまっていたり、今の時代にはそぐわないものであったり、中途半端になってしまっていたり。
お客さまは上記のような点も鑑みて、総合的に判断していただきたいと思いますがなかなか難しいと思います。
相手がプロフェッショナルの方ですので、その方の話が本当なのかどうか?確認することはとても難しいと思います。
しかし一生に一度の家づくりは、まず楽しんで、信頼のもとに進めてほしいと思います。
ですので、まずはひと選び、本当にこの設計事務所で良いのか?この工務店で良いのか?このハウスメーカー?このビルダーで良いのか?
話を聞くだけはお金はかかりません。いろいろな人の話を聞いて方向性を決めるようにしていただけましたら幸いです。
ひと・すまい・くらし一級建築士事務所